ルタオ

 キューシュー島南部、特に都市同盟領から外れた地域を指す語。
 大災厄以後、大陸から移住してきた人々、およびその風俗に同化した原住民が多数を占める。
 領土をめぐって都市同盟と古くから戦争を繰り返しており、とくに2268年にはフクオカ市を占領しているが翌年八月五日の『タブセの戦い』においてシモノセキ市を中心とした連合軍に撃退されている。

 ルタオの支配者層にとって都市同盟は蛮族であり、公文書の中では基本的に都市同盟は『北方の蛮族』と表記されている。しかし常に対立ばかりが続いたわけではなく、都市同盟市民との通婚や知識人との往来は盛んにおこなわれていた。

 2270年フクオカ人フカミ・ナオミチがイマバリ市の要請で軍を率いてオーイタを獲得し、その後南に進むと一部地域のルタオ人がその支配下に入った。フカミはルタオの有力者を優遇し、自分の部下として多数召し抱えた。そのためオーイタは都市同盟的な秩序から次第に外れていくことになった。

 2322年、辺境での反乱の芽をつむことを名目として、大陸のシアナン国から軍隊がキューシューに差し向けられ、七月上旬にナガサキに上陸したのを皮切りにルタオのほぼ全域を制圧、九月初めにはオーイタ市を陥落させている。もっともシアナン国にとってキューシューを世界のごく片隅とみなしており、2325年には撤退。