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僕の彼女は寄せ箸系 ラーメン屋編

彼女が「ラーメン食べたい」と言い出した。ラーメンは寄せ箸の心配がない。餃子を頼んだときに、餃子の皿を彼女に近くになるようにさりげなく置けば、きっと大丈夫だ。無問題。

「何ラーメン?」というと、

「ラーメンって言ったらとんこつラーメンしかないでしょう?」

彼女は生まれも育ちも博多の人だ。

「私が、しょうゆラーメンと言ったらしょうゆラーメン、みそラーメンといったらみそラーメン、ラーメンと言ったら、とんこつラーメン、覚えておいてね」

しおラーメンは食べる気ないのか。ともかく彼女のラーメンへのこだわりは強い。とんこつ臭が強すぎて、女の人は普通入らないだろうという店にも平気で入っていく。博多の人の香水らしい。へー、知らなかった。

他にも様々なこだわりがある。ランチやディナーとして行くラーメン屋は、

・ 餃子とご飯(or チャーハン)のセットがある

・ セットが1000円以内である

・ 辛子高菜食べ放題である

という三つの条件を満たさなければならない。それ以外のラーメン屋は「おやつ」としてしか行かないらしい。

ともかくもラーメンと餃子ご飯セットを注文。先にご飯、次にラーメンが到着。餃子はもう少し時間がかかるらしい。

「いただきまーす」

彼女は手を合わせてから割り箸を割ると、レンゲに麺を乗せ出した。出た、必殺ミニミニラーメン! 彼女はいつも自分でレンゲのなかにミニミニラーメンを作り、それを一気に口のなかに流し込む。ラーメンを食べるときにいちいちこれをやるので、食べるのがめちゃくちゃ遅い。麺も伸びる。麺は伸びてもいいのか?

しかし、これを邪魔してはいけない。めちゃくちゃ楽しそうに作っているのだ。そして、口いっぱいにミニミニラーメンを頬張る。その様子が見ていて可愛い。許せる。

そうこうしているうちに餃子到着。さりげなく、餃子の皿を彼女の近くに持っていく。よし完璧。これで今日も寄せ箸の心配はない。ひと安心。彼女は餃子に直接酢醤油とラー油をかける。豪快だ。

僕はラーメンが伸びるのが嫌なので、まずラーメンを食べ終わる。次にゆっくりご飯と餃子を楽しむ。ここまででだいぶお腹いっぱいなのだが、替え玉を頼まざるを得ない。なぜなら、彼女が食べ終わるのが遅すぎて、いつも申し訳なさそうにするからだ。「食べるの遅くてごめんね」とは言わせない。そんなことを気にせずご飯はゆっくり楽しむべきだ。

ということで、ラーメン屋に行くといつも食べ過ぎで若干気分が悪くなる。そして彼女はラーメン屋から出るといつもこう言うのだ。

「美味しかったねー! あっ、なんか甘いもの食べたくなってきた! 甘いもの食べに行こう!」

僕はお腹をさすりながら、彼女と一緒にケーキを食べに行くのであった。


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