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今どきの働き方を支える社内ITツールとは?

はじめに
以前こちらの記事で、CPE的な社内ITはボトムアップで現場のメンバーのニーズを集め、生産性向上が見込めるものを導入していくというミッションと行動理念についてまとめました。

情シスの縛りが厳しく、新しいツールを導入しにくいようなIT環境の会社では、最近の働き方を支える社内ITツールとはどういう物があるのか、どういう働き方をしているのか知らないと思います。

今回の記事ではこのあたりに付いて自分の見える範囲での情報をまとめていきたいと思います。


リモートワークを支えるツール
働き方改革が推進されつつあり、出社せずとも働けるルールを策定する企業が増えています。ただ、当然社外で働いていたら、社内のみで使えるツールがつかえません。
VPNやリモートデスクトップ、VDI、DaaSで社内環境に接続できる場合は大丈夫ですが、そういった環境があっても社外で作業していると不都合が多いです。

例えば、「メール」と「Officeアプリ」だけしか使えないようなIT環境の会社でリモートワークを実施してしまうと以下のようなことが起こってしまいます。

・会社にいれば会話ですむようなコミュニケーションも「お疲れ様です」から始まるメールで出さないといけず、直ぐに返事が帰ってこない。ちょっとしたやり取りなのに半日くらいかかってしまう。
・作業しているファイルを途中でレビューしたいのだけど、メールに添付して送って確認してもらってだと、ラグが発生してしまう。
・MTGしたくても電話するくらいしか手段がない。

せっかくリモートワークをOKにしていても、IT環境が整ってない不便さから結局出社してしまうような話は残念ですよね。
リモートワークでも業務に支障をきたさないようにするためには、上記の課題を解決する次のようなツールが必要だと考えます。

・チャットやTV電話でコミュニケーションできるツール
・クラウドにドキュメントを保存してどこからでもアクセス・編集できるツール


チャットアプリでコミュニケーション
2010年位まで私もメールとオフィスアプリしかないような環境で仕事してましたが、その後転職しメールNG、チャットOKという会社で働き始めました。最初はチャットじゃ書いた情報どんどん流れていっちゃうし仕事としてどうなの?と否定的だったのですが、すぐにその良さに気が付きました。

当時はSkypeを使っていたのですが(正直通話アプリとしてしか当時の自分はSkypeを認識してませんでした)、Skypeのテキストチャットは
1,質問へのレスポンスが早く、
2,面識ない社員とも簡単に繋がれ、
業務課題をメールに比べ圧倒的速さで解決できる良さを知ってしまい、メールだけじゃ仕事できない体になってしまいました。

当時はまだリモートワーク推進される前でしたが、チャットベースのコミュニケーションで仕事していたので、リモートワーク導入もスムーズに移行できました。

ツール的にはSkype後、HipchatとかChatworkとかSlackとか新しいチャットサービスが生まれましたが、自分はチャンネルごとにテーマやユーザーの管理ができるSlackがSkypeで足りない部分をアップデートしてくれたサービスだと感じ、個人的に使っていました。無料で使えたのも大きかったです。
同じように無料版のSlackを使う人が周りでも増えていくという流れで、ビジネス版を会社で契約したという経緯です。

当初、SlackにはTV通話機能がなかったので、Google Hangoutで代用していました。Skypeより動作が軽く動画の品質が良かったためです。
今ではSlackにもTV通話機能があるので(有料版のみ)、SlackだけでSkypeの代用ができるようになりました。
ただSlackのTV通話機能では物足らないケースだと、最近はZoomなど大人数でのTV通話が可能なツールが注目されています。


クラウドストレージ&ドキュメント作成ツール
会社のドキュメントは昔は会社のファイルサーバに置くというところがほとんどだったと思います。私も今から10年くらい前までそんな感じでした。

当時クラウドストレージサービスというとGoogleDriveとZoho、Dropboxなどがあったと思います。が、ビジネスで使うにはセキュリティレベルが。。。と採用を見送られるケースが多かったように思います。
特にユーザーログインのところで細かくセキュリティポリシーを定義できないという部分がその原因の一つでした。

そこで、その課題部分を埋めるツールと組み合わせて、会社に導入しました。Idp(アイデンティティプロバイダ)というツールとクラウドストレージを組み合わせることで、ユーザーのログインポリシーを柔軟に設定することができるようになります。
CloudgateやOnelogin、Oktaなどが当時の選択肢でした。最近はGsuite SAMLやAzureADなどもあります。

クラウドストレージの良さは、外部からも安全にドキュメントにアクセスできる点と、ストレージ拡張性、データ難読化、アクセス権限を柔軟に設定できる点などがあり、これらは自社のファイルサーバでは到底実現できないことばかりです。

また、クラウドストレージにはだいたいドキュメント作成機能もついており、GsuiteだったらGoogleスプレッドシートやGoogleDocs、DropboxだったらDropbox Paperのように、クラウド上でドキュメント作成できる点もリモートワーク支援という意味では重要です。

さらに、コラボレーション機能があるため、誰かがドキュメントを編集している間も別のユーザーが編集できる点が優れています。ローカルアプリでドキュメントを作成するとネットワークで共有していても、作業中はロックされアクセスできません。

例えば、ミーティングの議事録を作成するとき、GoogleDocsを利用すると、メンバーが同時にアジェンダを書きあえて、ミーティング中もリアルタイムに議事録がかきあえるので、ミーティング終了と同時に議事録を書き終えるみたいなことも可能です。

最近だと、GoogleDocsよりも情報検索性の高いコラボレーションツールが増えており、ConfluenceやScrapboxなどがあります。


プラスアルファなツール1ナレッジ共有ツール
あと全社的に導入してよかったなと思うツールとして「ナレッジ共有ツール」と「タスク管理ツール」があります。
まずは、「ナレッジ共有ツール」についてご紹介します。

会社の文化からくる特別な用語だったり、過去のプロジェクトの情報だったりという知見を毎回毎回新入社員にインプットするのは大変です。
そして大変だからといって各自でキャッチアップするような状況ってあまり良くないですよね。オンボーディングの阻害要因でしかありません。

「ナレッジ共有ツール」を導入することで、そういった情報をすぐにアクセスでき、新入社員のオンボーディングをスムーズにするということは、社員のパフォーマンスを発揮するのにとても有用です。また、社員が知見をアウトプットする訓練にもなります。

ツールとしては、QiitaTeamが代表的です。Confluenceのように辞書的に情報をためていくツールではなく、投稿された知見にいいねやストックができ、注目された記事がランキング上位にリストアップされるという機能があり、利用者のアウトプットする意欲を促進してくれます。似たツールにesa.ioやkibelaがあります。


プラスアルファなツール2タスク管理ツール
タスク管理はエクセル方眼紙でガントチャートという時代が200x年代続いていました。(今もそうしてる人いますか?やめましょう。)そんな状況に風穴を開けたのがBacklogとRedmineでした。

BacklogはASPでディレクター向け、RedmineはOSSでエンジニア向けという感じですが、どちらもタスクをチケット化し、ステータスを管理するというツールです。Backlogは安価で導入しやすく、Redmineはサーバを立てる必要がありますがツール自体は無料です。

タスク管理ツールの良さは、個々のタスクを登録していくだけで全体を俯瞰し可視化できる点と、タスクリストやガントチャートなどに表示を切り替えてタスクの依存関係を洗い出したりもできます。期限を切ったら当然アラートを出すことも可能です。とてもエクセル方眼紙ではできません。

最近はアジャイル開発が広まるとともに「タスクカンバン」ベースのタスク管理ツールが増えていまして、一番メジャーなのがアトラシアンのJIRA、あとライトにカンバンでタスク管理できるTrello(アトラシアンに買収されました)、Trelloの高度版的な位置づけのAsana、Trelloより簡易なGoogle KeepみたいなToDoサービスなどもあります。


終わりに
これらのツールを導入することで、社員の生産性向上を促進することはもちろん、各ツールのAPIを使った作業の自動化などの環境整備にもつながっていきます。

自動化のテクニックについては、もう一つの↓のマガジンでまとめていきますので、こちらもよろしくお願いいたします。


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