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この10年を振り返ってみる

はじめに

年末ですね。正直、もう年末か。という感想でしかないです。クリスマスが慌ただしく終わり、正月の準備をする毎年恒例のこの光景。正直見飽きてしまった感もあります。
2018年1月で40歳になり、この一年40代最初の年を過ごしてきました。それももうあっという間に終わります。
次の10年はもっと速いスピードで流されてしまいそう…

なにか自分の今考えていることをまとめておかないとまずいな…という危機感が生まれました。それがこのエントリーを書く主な動機です。

2008-2018に起こったことと考え方の変遷などを一旦まとめて、これからの展望について触れていきたいと思います。

IAをしていた

10年前の2008年ごろ、私はIAをしていました。大手企業の大規模なサイトの設計にひたすらこなしていた頃です。
webの技術が今ほど高度化しておらず、スマホもなくガラケーの時代だったので、キャリアの仕事をしていた私はコンペティティブな仕事が当時できていたのではないか、と思います。

当時はユーザビリティ・アクセシビリティについて注目されていたものの、UXについては一般的な認知はありませんでしたので、UXデザインをベースにした情報設計の提案をできる会社は少なかったし、そういう仕事については普遍性を感じていたので、当時はずっとこの職業で食べていくのかな、と思っていました。

そんな状況は徐々に失われていきました。自分の提案の評価や貢献度合いがいまいち可視化できないので、確実性の高い提案ができなくなっていったのです。効果を見るにはユーザー行動のデータを見ていかないと可視化はできません。受託案件でそういった情報は基本的に見ることはできないので、行き詰まりを感じていました。
そこへリーマン・ショック後の余波による案件縮小や、スマホのリリースなどあり、次のステップを踏まないといけないという気持ちが強くなっていきました。

開発ディレクターになった

スマホシフトの流れに乗って内製開発の開発ディレクターになりました。2011年の頃です。エンジニアと二人三脚でプロダクト作っていく体験はとても貴重なものでした。スクラムのプラクティスを導入したアジャイル開発も今ほど実例がないタイミングで実施していました。
データドリブンでエンハンスをぐるぐる回して、数値を見ながら改善施策を提案するというプロセスは、IA時代にはできなかったことで、まさにこれがやりたかったんだと言う感じでした。

が、しかし、新規プロダクト担当になって、あれ、おかしいぞと思うようになりました。
数値ドリブンの落とし穴なのですが、あれはあくまで過去の実績がわかるものに対しての改善提案をするためのものであり、ゼロイチを行うための手法ではないんですね。ゼロイチを行うプラクティスってなんなんだろう、とすごく当時悩んだのを思い出します。
ちょうどリーンスタートアップの日本語版が出た(2012年)くらいのタイミングなので、その時読んでればまた違ったのかもですが、気づかず、ゼロイチ・プランニングをまなびたい欲求が高まっていました。

プランナーになった

そして、前社のリクルートジョブズに入社したのが2013年。
当時の開発環境がかなり前時代的だったので、開発ディレクションしながら、社内IT環境整えながら、アジャイル導入しながら、データ基盤整えようとしたり、新規プロダクトのプランニングに関わっていました。
今じゃできないかも。。。業務違いの様々なタスクを平行で走らせるの。

その後、開発側のメディアプランナーを担当したり、新規サービスコンペの事務局やったり、ボトムアップで社内IT環境改善できるフローを整えたり、ツール横断でアカウント管理できる業務システムを立ち上げたり、とかいろいろやりました。

その中で、ゼロイチプランニングの手法、KPIモニタリングの重要性など学んでいきました。UXモニタリングの手法を自ら模索して、登壇もいくつかさせていただきました。

…ただ、また落とし穴だったのですが、いくらプラクティスを学んだところで、自分が人生かけてやりたい事業って特にないな、ということに気づいてしまいました。

それから最後の2年は社内IT環境整備に専念して、やりきったなと思うところまでワークフローの構築が完成し、今年RMPに移籍というか転職をしました。

これからどうする?

今も引き続き社内IT環境整備を行う業務がメインではあります。
それはそれとして、これから自分が取り組んでいきたいことってなんだろう、目指していく方向ってなんだろうと、よく考えています。

今までのように明確な課題が突きつけられたから、考えているというわけではありません。だからもやもやしています。

ITを取り巻く状況も若干閉塞感を感じています。サーバレス、深層学習、IoT、ブロックチェイン、AR/VRなど新しいトピックは出てきてはいますが、局所的と言うか全体にインパクトを与えるほどのものではないです。

自分の興味は、AI エージェントが自分の仕事をスケールして一人で多くの業務をこなせるようになる未来、にあります。
RPA(Robotic Process Automation)は非IT部門の効率化ばかりフォーカスされているように見えますが、それについては全く興味が無いです。

それよりも自分の業務をAIによってスケールできる状況が作れたら、中間マネジメントを廃して、いわゆるフラットなティール組織が作れるようになるのではないか?
ということと、フラットな組織ができれば、現場への権限移譲とともに、プロダクトを成長させることができるKPIマネジメントができるようになるのではないか、ということも期待しています。

誤ったKPIマネジメントはPL脳とか揶揄されていますが、正直言って深い中間マネジメントツリーの会社でPL脳から脱するのは構造的に無理があると思います。
Googleのハートメトリクスのように、PLを因数分解してUX指標を作るというアプローチが限界なのではないでしょうか?にしても結局根っこにあるのがPLであれば、ほんとうの意味でのプロダクト成長KPIマネジメントは実現できないと思います。

少人数組織のベンチャーであれば創業者がそのあたりを兼務しているので問題ないと思うのですが、問題は組織が拡大していったあと、そういう創業者が行えるような判断を現場のメンバーが行いプロダクトを成長させ続けることができるかどうか?
という問いなのです、私の最近の根源的な問はそこにあります。

正直言って、自分が推進したものは他者の手に渡った時点で、大体が死にます。推進する思いまで、業務引き継ぎをするのはかなり困難と言わざるを得ません。
つまり、推進者が業務拡大しても推進し続けられるような、環境を整備するほうが現実的なのではないか、と私は考えています。そのためのRPAだし、機械学習、AIエージェントなのではないかと。

終わりに

AIエージェントによる個人の業務スケール化が実現できたら、いろいろな課題が解決していくと思います。人を増やさずに業務を拡大するためのソリューションです。
まだもやもやしているビジョンではあるのですが、私が次に向かっていくベクトルはそこになっていくような気がしています。

同じようなことを考えている方がこのテキストを読んでくれたら幸いです。ぜひ飲みに行きましょうw

良いお年を!

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