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師匠という存在:少年漫画における大人の話

前回は少年漫画の主人公がティーンである理由を
超個人的解釈で書かせていただきました。

少年漫画における〝主人公〟は読者とともに
成長していく存在であり、初めから
何かを手にしているわけではありません。

その少年はぼくらと一緒に努力し、壁を乗り越え
理想的な大人の姿へと近づいていく。
夢に描いた自分像に向かって成長していく。
だからこそ読者を魅了するのです。

それでは少年漫画における
大人〟の役割はなんなのか。
今回はこちらに触れていきます。

少年漫画において、登場する大人は
二種類に分かれると思います。

一つは、強く逞しく主人公の道標となる存在

これはもちろん味方側の大人であり
多くは主人公の師匠などメインキャラ
もしくは憧れの存在的な立ち位置として
絶えず主人公の指標となる存在です。
実に理想的な超カッケーキャラが多いです。

一方、それとは違う種類の大人。

それは絶えず主人公の邪魔をし、
悪事を働き常に主人公たちのいく手を阻む
壁となる大人

そう、〝敵〟ですね。

夢や理想に生きる主人公たちに比べて
彼らは実に合理的で冷酷な場合が多いです。
部下を利用するだけ利用して、
用が済んだら即排除。
自分の野望にそぐわない者は消し、
目的遂行のためなら手段を選ばない。

どちらかというと、主人公陣営に比べて
血の通ってない関係性が多いです。

目的のためだけの集団。
そこに友情といった関係性は希薄な
パターンが多いです。


この二種類の大人がより物語の面白さを
加速させてくれます。

というか敵が魅力的だからこそ
それをあくせくもがきながら
打ち破ってくれる(であろう)主人公たちに
期待を寄せて読むことができる。
そこにカタルシスの面白さがあると思うのです。

理想の大人は主人公の目標で
現実的な大人が主人公の敵です。

他者を利用しあう敵組織、言ってしまえば
ビジネス上の関係性でしかない敵。
これはもはや現代人だとさえぼくは思っていて
そんな生き方を否定してくれる
主人公がいるからこそ
現実逃避できるのだと思います。

そもそも漫画や映画は娯楽です。
ぼくが作品に求めるものは何かというと
至高の現実逃避』なのです。

夢を目標を持った主人公が敵(悪い大人)に
心を折られず、自分の夢を貫いてくれるからこそ
ぼくらも夢を見れるわけです。

敵(悪い大人)は主人公の夢を笑います。
仲間(良い大人)は主人公の夢に寄り添います。

どちらも物語上必要不可欠ですね。

良い大人の役割は、もう一つあります。

それは〝困難を乗り越えた存在〟であることです。

主人公と同じようにかつてその大人たちも
困難にぶち当たりました。紆余曲折を経て
それでも折れず、志を持って強く逞しく
生き抜いたからこそ、主人公にとって
〝理想の大人〟になりえたのです。

これはよく回想とかで明らかになるのも
あるあるですよね笑

つまり、主人公はこれからどんな困難に
ぶち当たっても乗り越えなければならない存在、
そして乗り越えられる存在だと思います。

そして師匠や上司(良い大人)は
〝困難を乗り越えてきた存在〟として
主人公の模範になります。

この関係性が大事。

・・・そう考えるとやはり環境って大事だなぁとわかりますね笑

先導に立つものが正しく導くからこそ
主人公も正しい道を選べるというか。

ただ一口に敵(悪い大人)といえど
もちろんカリスマ的な人気を誇る
ヴィランもいるわけです。
時に味方よりも魅力的で格好良いなんてことも。

普通の敵とは少し異なる悪。
次回は〝悪のカリスマ〟の魅力についてでも
書きましょうかね笑

たろちゃん組

p.s.
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