見出し画像

パルワールドは売れすぎてしまった「人を選ぶゲーム」なのではないか説

パルワールド、アホみたいに流行ってますね。私もやりました。

色んな意味で話題性は高かったので一部のストリーマー界隈とかでウケそうだな、とは思ってましたがこんなにウン百万本も売れるメガヒットタイトルになるとは思いませんでした。たまげたぜ。

X(Twitter)でもポスト(ツイート)しましたが「これを皆が受け入れる時代なんだなあ」というのが最初の印象でした。そしたら今日くらいになって「ポケモンのパクリ」みたいな批判的な文脈も盛り上がってて「あ、普通にダメな人もいるんだ」と思いました。人間も一枚岩ではないということですね。

自分のスタンスを最初に表明しておくと、パルワールドのことは「パロディゲー、ネタゲー」の文脈で捉えてました。よくも悪くもインパクトはあったのでちょっと触ってみようかな、とは思ってた。そんで思ってたより普通にゲームとして面白かったです。

まあ誰がどう見てもポケモンをはじめとした各種ゲームの要素を好き勝手に寄せ集めたゲームであることは間違いなく、そこでライン超えちゃうと「パクリ」、許せるレベルだと「パロディ」「オマージュ」「リスペクト」などの名称で呼ばれるのかなと思います。

そのラインが人によって「デザインがポケモンそのまんますぎる」なのか、「かわいい生き物をしばきあげるような表現が嫌だ」なのか、「売れすぎていけすかねえ」なのかで違うということもあるかもしれません。任天堂最強法務部さんのラインがどこにあるのかは今後のゲーム業界どうなるねん的な意味でも結構注目な気がします。

この会社は過去作「クラフトピア」でも色んなゲームのいいところを全部ごった煮にしたクラフトゲームを作って、「何でもできる」というのを売りにしていました。バグとかも多いんですが逆にそのトンデモ挙動を公式でも紹介して「むしろオモロなバグ技や〜ん」として一緒に楽しんでしまうなど、自由度とか野心とかユーザーとの距離の近さとか色々とインディーらしい感じがありました。そういうところもあってトレイラーの段階から「やりすぎだろw」「ここゼルダのパクリじゃねーかw」など草生やされながらツッコまれてた印象です。

このゲームを「ポケモンでめちゃくちゃやってる同人誌」って言ってる人がいましたが確かにそんな感じはあるなと思いました。僕の中では「パロディはパロディの分をわきまえるべき」というのがラインというか、目立ちすぎないことは大事だと思ってました。ていうかこのゲームもお目こぼししてもらえる程度の目立ち方(売れ方)になると勝手に思ってました。こんな売れるとは。ネタ同人誌が本家級に売れちゃうとさすがに色んなマジレス飛んでくるよな(そりゃそうじゃ)、という感じですね。

そういう意味では「リスペクトをあんまり感じない」というお気持ち寄りな部分が一番の問題なのかもしれません。

「ポケモンや任天堂が大好き」という人が作ったゲームには見えない、少なくとも「愛がない」と一定数の受け手が感じるゲームになっている。「ポケモンみたいなキャラを作りたい」ではなく「怒られないギリギリでポケモンをパクリたい」という風に見えるデザインや、本家ポケモンが絶対やってない表現(サトシがバットでポケモンを殴って肉をはぎ取る描写などが本家であったらすいません)を「ゲームとして面白いから」って理由で採用してる感じはわりとサイコパスみを感じます。どっちかというとサウスパーク的なセンス。本質的には「人を選ぶゲーム」なのにポケモンのパクリでスケベ心を出してしまったせいで売れすぎて怒られてるのが現状なのかもしれません。

僕はポケモンにそこまで強い思い入れが無いので「ふーん、まあ要素はおもろいんじゃん?」みたいに余裕こいてますが、ドラクエユア・ストーリーのときはブチギレてたわけで、それ考えるとやっぱポケモンをこんな風にしたら怒る人はいるよなあという理解はできます。言い方がアレですが、もうちょっと弱いIPのパクリに留めておけばこんなに売れなかったけどこんなに怒られもしなかったと思う。

ただ、そのへんの節操のなさってやっぱり法律的に云々よりは受け手の感じ方次第なところが大きいので、今みたいに賛否両論になるんだろうなと思いました。「俺は面白い」「私はなんか嫌い」がめっちゃ出る作り方だと思う。

いったんまとめると、「こういうゲームもあっていいとは思うけどこんなに売れちゃうと世の中が悪くなりそう」というのが僕のお気持ちです。今後「法務チェックを通してパクリゲームを作ろう」って風潮になったらゲーム業界終わりそう(自分も買ってるのであんまり強く言えないですが)。

個人的にこのゲームに対して感じたモヤモヤって、「松屋のグリーンカレーめっちゃうめー!」ってみんなが絶賛してるときに「タイ料理屋のグリーンカレーのほうがうまくね……?」って思ったあの気持ちだなと思いました。で、それは筋違いな感情だなという自覚もあるので以下はメンバーシップ向けにします。

ここから先は

1,229字
この記事のみ ¥ 100

こちらはただ投げ銭をするだけの「サポート」という機能です。いただいたサポートはガチの生活費とかに使わせていただきます。(どうせならメンバーシップに入ったほうが有料記事も読めるし多少見返りがあります!)