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好きを仕事に vol.12:倒産、はじめての消費者金融

このnoteでは1年前の書いた日記を公開していきたいと思います。
正直この日記はお蔵入りにしようか、最後まで悩みました。

でもnoteを書き始めた時から、出来るだけ、リアルに、かっこつけず、本当にあったことを書くことで同じような失敗をしなくていいように、誰かチャレンジする人の役に立てればと思って書き始めました。

日記として忘れないようにつらつら書いたため6839字と少し長いですが、ぜひ読んでみて欲しいです。

これは2018年7月16日〜8月1日に起こった出来事です。

今回のトピック!
・会社の倒産
・消費者金融へ

会社の倒産

会社が倒産した、とはいっても日記を後悔するタイミングでFULMAが続いていれば、社会的には倒産してはいません。

資金繰りを無理やりやりくりしたため、社会的には続いていますが、会社単体での収支でみると一度倒産したのです。

こんな最悪の事態がなぜ起こってしまったのか。

忘れないために記録しておきたいと思います。

まず最悪の事態が起こったことを従業員に伝えた時のリアルなメッセージがこちら↓

画像1

まず今回はいわゆる黒字倒産、つまり会社としては黒字ですが、キャッシュフロー的に支払い不可の状態になった、ということです。

具体的にどんなことが起こったのか。

それは来月支払いだと思っていたものが今月の支払いになり、今月入金されると思っていた売上が来月まで入金されない、という現象が起こったことで一時的にキャッシュが足りなくなりました。

そしてその状態に耐えられるほどの財務的余裕が会社になかったということです。

【7月17日】
僕はいつものようにクレジットで支払いを済ませようとしました。

しかいなぜかエラーが出てしまい、カード会社に連絡。

結果カードの上限額を余裕で超えており、一時的に上限を上げても支払い切れないことが判明しました。

そもそも7月17日に支払うことにしたのは、カードの締め日の関係でこのタイミングだと支払いが9月になるからでした。
(そのぐらいキャッシュフローがギリギリでした。)

9月の支払いなら、夏の売上等によって問題なく支払える算段でした。(僕らは夏に繁忙期があるため)

しかし、残念ながら合法的に支払いを2か月遅らせることが出来るクレジットカード決済が、上限額の関係で使えない、そうなると残された決済手段はすぐに現金で支払うしかありませんでした。

改めて計算すると支払額は大きかったですが、月末の入金状況を考えればギリギリで大丈夫でした。

それが分かると安心してテスト勉強を始めました。
(僕個人の話ではありますが、大学4年生、最後のテスト期間、週45時間授業を受けていたこともあり、怒涛のテスト勉強でした)

【7月27日(木)】
給与支払日まであと5日。

ある程度まとまった金額で受注していたものの売上が、
「請求書の原本がないと受け付けられない」
という理由で来月にならないと入金できないと言われました。

6月にメールで請求書を送っていたんだから、その時に言ってくれよ!
と発狂しそうでしたが、もう7月、今から最速で請求書を出しても入金は8月末になります。

7月中の入金は無理でした。
その時点でキャッシュアウト確定。
改めて全ての収支状況を確認しましたが、どう計算しても足りません。

日々キャッシュフローについては意識していて、
ずっと先まで支払いや売上のチェックをしていたはずなのに、
今回のダブルパンチを耐えられる状況にないことが分かりました。

僕個人のお金はもともと会社に全額ぶっこんでいたいたこともあり、自分の給料等を出さなかったとしても全く足りない、そんな状況でした。

どうしよう、どうしよう、どうしよう。

誰かに借りるのか、支払いをブッチするか、どうしたらいいんだ…

頭の中で様々なことを考えました。
平静を装って大学に通っていましたが、正直テスト勉強どころではなくなってしまいました。

頭の中では、この状況をど打開すればいいのか以外、何も考えられなくなってしまったのです。

【7月28日(金)】
給与支払日まであと4日。

僕が選んだのは従業員に給料の支払いを待ってもらう、ということでした。

そうすれば会社としては生き残ることができるます。そして投稿したのが先程の写真です。↓

画像2

何度も文章を読み返して、パソコンのEnterキーを押しました。

よし、これで大丈夫。

そう思うよりも早く、急に怖くなりました。

自分は最悪の選択肢を選んでしまったのではないか。

どんなことをしてでも給料は遅らせてはいけない、止めてはいけない、それは会社を作った時からずっと心に刻んでいたはずでした。

なのに、自分はみんなにこんなことをお願いしてしまった。
自分のミスなのに。

これなら友達に頭を下げた方がマシだったんじゃないか、いや金額を考えるとそんなお願いできない。

Slackで伝えたあと、切り替えて最後のテストに向けて勉強しようと机に向いました。

でもダメでした。

最悪だ。

こんなに最悪な気持ちは生まれて初めてでした。

はじめての消費者金融

【7月29日(日)】
給与支払日まであと3日。

最悪な気持ちは1日経っても変わりませんでした。

そんな時、自分の知らなかった選択肢を知りました。

消費者金融。

闇金ウシジマくんなどで聞いたことはあっても、仕組みはよく分かりませんでした。

キャッシングというのが何なのかもよく分からないし、どんな会社がやっているのかも知りませんでした。

しかし調べていくうちに、なるほど、○コムさんや○ロミス、○イクなどCMでおなじみの有名な会社がやっていることがわかり少し安堵しました。

これならみんなの給料を支払えるかもしれない。

絶対に行くな、という話はどこかで聞いたことがありました。

でも自分にとっては、消費者金融に行く苦しみはみんなに給料を払えない苦しみに比べれば大したことはありませんでした。

ネットだと心配だったので、明日月曜日に大手の会社が運営する窓口に行って説明を聞いてみようと思いました。

八方塞がりだと思っていた中で一寸の光を見えました。

【7月30日(月)】
給与支払日まであと2日。

この日の午前中に最後のテストがありました。
しかし僕の頭の中はテスト勉強のことなど当然考えることが出来ませんでした。

テストが終わると渋谷にある会社に行くことにしました。
そのビルは表に入口がなく、大通りからは見えにくい位置に入口がありました。

ビルに入っている企業名を見えるとずらっと消費者金融の企業名が並んでいます。

なるほど、この業種は同じところに集まるのか、と不思議に思いました。

古いエレベータで上に上がって行く最中は、本当にこれで良かったのか、暴力団みたいな人が出てくるんじゃないか、様々なことを考えていました。

エレベーターが止まりました。

入口を開けると女性の方が丁寧にヒアリングをしてくれて、驚きました。

正直もっとインテリメガネか、ふとっちょハゲ坊主が出てくると思っていたからです(言葉が悪くてすいません)

最初は普通にニコニコしながら話していましたが、
ここから苦痛の体験をすることに。

免許書、保健書、学生書、勤め先、年収等、細かい部分まで徹底的に質問、調査されました。

取り調べを受けている気分です。

何も悪いことをしていないので、どうぞ調べてください、と最初は思っていました。

ですが調べられるというのは本当にいやな時間です。

色々と質問に答えた後、

「ここで得た情報は審査が降りても降りなくてもこちらで管理します」

と言われました。
利用規約的なもののコピーはもらえませんでした。

そんなバカな!
審査でNG、やっぱりやめる!ってなってもこの調査によって調べられたことはデータベースに登録するというのです。

でもそういうものらしい、いわゆる金融界にある与信データベースというやつが本当にあることを目の前で見せられました。

いいですよね?
と質問されて、一瞬ためらった自分がいました。

ここに登録されると将来ローンが組めないとかクレジット作れないとか、
マイナスな現象が起こるのではないか、たった一回借りるだけ、
それでも一生残る。

いやだ、そんなの。
その瞬間急に迷いが生じました。

でも支払いは滞ったり、支払わなかったことが傷になるだけで、
普通に返済したり、問題を起こさなければ大丈夫。大丈夫だ。

そう自分に言い聞かせて審査をお願いすることにしました。

審査の間、他にどんな人がこういう場所にくるんだろう、もう二度と来たくないからこそ、ちょっと見て見たい、そんな好奇心を感じました。

基本は個別ブースに仕切られており、隣の人の顔は見えません。
しかし声は聞こえます。

聞こえちゃっていいのか…と思いましたが、聞こえてしまうので、聞いてみることにしました。

女性、おそらく20〜30歳ぐらい。

女性「すいませ〜ん、急いでいるんですけど、早くしてもらえますか〜?」
職員「少々お待ちください、今回はこちらでよろしいでしょうか」
女性「はい〜お願いしま〜す」

そんな細かく聞いてないし、好奇心はあっても人としてダメだとおもったので、本当に聞こえてきた部分だけお伝えすると上記のやりとりでした。

どうやら何度も借りた経験があるような感じです。

これは一度使うとはハマってしまうのかもしれな…恐ろしい…
そんなことを思っていると審査の結果が出ました。

自分の欲しい金額の5分の1でした。

全然足りない。

職 員「どうされますか?すいません、頑張ってみたんですけど、今の条件だとマックスここまでですね」

わたし「なるほど、この建物には他の事業者も入っていたと思うのですが、そこにいっても同じぐらいですかね?」

職 員「そうですね...基本的には法律の範囲内なので、借入は合計金額になると考えると…私からはお答え出来かねますね」

わたし「そうですか...ちょっと考えさせてください」

これでは借りても結局足りない。
そうなればこのビルの会社に全部行って足し合わせるしかない。

が、借入金が合計で審査されることを考えると厳しいかもしれない...それに何よりこの審査をあと何回も受けるのは絶対嫌だ。

そこで一度他に方法がないか調べることにしました。

お店にはこの場で今すぐお借りすることはやめます。
今日1日だけ待ってください。
と伝えて店を出ました。

外に出て渋谷のスクランブル交差点でうごめく人の流れを見ながら、あぁ、このまま流れにそってどこかに行ってしまいたい、そう思いました。

しかしそれでは全く問題は解決しない、と改めて心をリセットし、渋谷の商業ビルに入って他の方法でこの状況をどう乗り切れば良いかググりました。

会社としては黒字なのに!
1ヶ月後なら全然問題なにのに!
この瞬間だけなのに!
この状況、自分自身にイライラしました。

そこで新たな手段を見つけました。

ファクタリング。

これは自分も初めて聞いた言葉でした。
簡単にいうと、消費者金融はその人の支払い能力をもとに審査。

一方ファクタリングは企業の売掛金(確定している売上)を債権にするため、きちんと売上として振り込まれるかを元に審査される。

この時点で会社は来月売上が入ることは確定していたため、その売上から手数料を引いた金額を受け取ることができます。

これだ!

最短即日、なるほど。給料日は8月1日なので、あと2日ある。
これなら間に合う。
そう思い、書類を提出するため一度オフィスに戻ることにしました。

そしてオフィスの端っこに行き、小さな声でファクタリング会社の人に色々質問しながら、必要な書類を揃えて、提出し、先ほど行った渋谷の店舗には必要なくなりましたと伝えました。

しかしデータベースにはデータが残ることに。

ファクタリングを知っていれば行かなくて済んだのに、、、
自分のリサーチ力不足を呪いました。

【7月31日(火)】
給与支払日まであと1日
次の日、渋谷でアカデミーの夏休みキャンプがあるため朝早くに家を出ました。

駅に向かう途中、昨日のファクタリングの会社から電話が。

電話に出て話を聞き始めると、すぐに電車が来ました。
それでも自分にとって電車マナーより、ファクタリング会社からの電話の方が重要であったため、また目的地まで二駅だったこともあり電話を切らずに電車の中でもやりとりをした。
(良い子は絶対に真似しないでください、僕も普段は絶対にやりません)

担当者「昨日はありがとうございました。」
わたし「いえいえこちらこそ、審査の状況はいかがでしょうか」
担当者「結論としては、今回はお支払いできなさそうです」
わたし「えっ…どうしてですか?」
担当者「ファクタリングというは売上が確定していなければなりません」
わたし「その通りだと思います」
担当者「しかし今回のものは実施自体はまだ先ですよね」
わたし「確かにそうですが、実施される、されない関係なくお支払いいただくことが確定してます」
担当者「そうですよね、わたしもそうだとは思うのですが…まだ実施前となると入金されない可能性がゼロではないですよね」
わたし「確かにゼロではありませんが、ほぼほぼ間違いないと思いますよ」
担当者「そうですよね、しかしながら、、、本当にすいません、お役に立てなくて、、、」
わたし「わかりました、御丁寧にありがとうござません」
担当者「それでは失礼いたします」

さて、どうしよう。

支払いは明日、消費者金融に再び行くのか...いやしかし今日はキャンプがあるから1日動けない...しかしどうする?また元に戻っただけじゃないか。
他に作戦はないのか…そんなことを考えているうちにキャンプ会場に到着しました。

正直夏休みキャンプどころではありませんでした。

しかし、それは子供たちにとって全く関係ありません。

その日はスタッフがいつもより多かったこともあり、自分はサポート役でした。そしてこの時間だけはしっかり子供たちと向き合おう、そう決めて忘れることにしました。

楽しい時間はあっという間に過ぎて、子どもたちとバイバイして片付けをしている最中に再び思い出してしまいました。

そう、どんなにキャンプが楽しくても現実は変わりません。

一瞬の夢の時間はあっという間に終わりました。
そして再び目の前に

そろそろいいかい?

と言わんばかりに忘れていた問題が姿を現しました。

どうしよう。
なんとか方法はないのか。

脳が汗を書くほど、頭が痛くなるほど、何か忘れていることや気づいてないことはないか、ずっと考えました。

しばらく考え、そして、思いつきました。

しかし、それは決して問題を解決するわけではありませんでした。
それでもやるしかない、そう思いました。

まず自分だけでなく、もう一人の役員にお願いして自分たちの給料の支払日を遅らせる。

そしてクレジットカードの支払いは振込みになっていたため、5日支払い期限を過ぎて払うことにしました。

支払い期日より5日経てばまとまった額が入金され、そうすればギリギリキャッシュは保つことが分かりました。

カードの支払いを遅らせるのは絶対にやってはいけない、そんなことは分かっていました。

しかしそれ以外、今できる選択肢を思いつきませんでした。

カードの振込は忘れていたことにしよう、意図的だけど。
でもそれならいける、みんなに支払える。

そう思い、もう一人の役員にも伝え、承諾をもらい、その方向で進めることになりました。

【8月1日】給与支払日当日
一人一人に入金している時、この数日間の出来事がフラッシュバックしてきました。

まさに怒涛。
1日、1日、本当につらい時間でした。。

入金を終えた時、完璧に解決したとは決して言えませんが、
大きな安堵感が僕を包みました。
そして同時に思いました。

二度と同じことしたくない。

何についてかというと、全部。

支払えないのも嫌だし、支払い期日伸ばすのも嫌だし、消費者金融にも行きたくないし、ファクタリングもしたくないし、こんな頭の中が子どもたちに提供する価値と全く関係ないもので支配されるのも嫌でした。

今回は本当に学びました。
色んな経験をぎゅっと圧縮したような、そんな気持ちです。

ちょっと長くなり過ぎたけど、全部実際に起こったことです。

当たり前にもらっている給料、支払っている給料、給料だけじゃない支払いや売上に対して、改めて向き合ういい経験になりました。

今週も良い1週間でした!

おわりに

これは2018年7月16日〜8月1日に起こった出来事です。

結構赤裸々に書きましたが、このnoteが誰かの読み物として、毎日頑張っている、これから頑張ろうとしている、誰かの役に立てれば幸いです。

僕たちはまだ始まったばかり、フォローして続きのストーリーも受け取っていただけるとまた事故案件をお届けできるかもしれません笑
(倒産していなければ笑!)

人生色々ありますが、今後も"好きを仕事に”してきます!

1週間ごとに起こった出来事や考えたことを更新していきます!
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よろしくお願いします(*≧∀≦*)


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