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【2019年版】明日から社会人になる人たちにオススメする4冊(就活生にもオススメ)

2年前に似たような記事のタイトルをてきとーに書いたことがあるんですけど、今でも継続的に読まれているので、ニーズがあるんだなということで2019年版を書こうと思います。

あらためて書こうと思った背景にはこういう事情もあります。

- この数年で働き方が本当に変わってきており、新社会人もその変化に備えておいた方がよい
- この数年だけでも仕事に関する良書がいくつも出版された
- 前回は本当にテキトーに書いたから、ちょっと申し訳ない気持ちがある

このnoteの対象者=新社会人+就活生+その他誰でも

新社会人のみなさん、おめでとうございます。

明日からあなたがどんな会社で働くとしても、みなさんは共通して明日から"自分株式会社"社長であり、最初のクライアントはあなたの就職先企業です。

このオススメは新社会人のために書いておりますが、基本的にはすべての人に役立つと思います。

- 業種・職種を問わずあらゆる仕事をする人に役立つ
- 価値観や勤労意欲を問わず、誰にとっても身に着けておくと"得"をするスキルや知識、考え方を扱っている

という基準で選びます。

社会人が共通して身につけるべき資質

そもそも、社会人が身につけておくべき資質とはなにか。
いろいろありますが、以下の4つが大事なんじゃないかと思いました。

1. マーケット感覚
2. "労働"市場の理解
3. 素直さ
4. 自分を知る

本当はこれに"自分で決断する力"や"実行力"とかも加えたいところですが、これらはそもそも本から学ぶようなものでもないので、実践を通じて身につけてもらえばよいかなと思います。

1. マーケット感覚

 『マーケット感覚を身につけよう-「これから何が売れるのか-」わかる人になる5つの方法』(ちきりん、ダイヤモンド社)

サラリーマンになることの最大のリスクは、自分の成果物と自分が受け取る対価の距離が遠すぎてマーケット感覚が身につきにくいことです。

しかし、価値を提供して対価を頂くというのはビジネスの基本なので、この感覚を忘れずに磨き続けないと本当にやばいです。

このマーケット感覚がないと将来困るかもしれないというのは、最近でいうとこういう局面です。

これから就職する会社1社で自分のキャリアを終える人は、今の20代の方々だともしかすると5%くらいしかいないかもしれません。
そうすると、自分がどんな価値を提供できるのか、何を売れるのかを考えて価値を高めたり、新しい売り先を見つける能力が極めて重要です。

給料/年収を自分の会社の給与水準や評価制度の範囲内で考えて最適化することに慣れてしまうのはとても危険です。

自分がどんな価値を生んで、なぜ対価(=給料)をもらっているのか、それが妥当な金額なのかを考えられない人が生きていくにはどんどん辛い世の中になっていくので、今からその感覚をしっかり身につけましょう。

2. "労働"市場の理解

 『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』(北野 唯我、ダイヤモンド社)

最初に書きましたが、すべての会社員は就職した瞬間から"自分株式会社"社長として"労働市場"に参入することになります。

にもかかわらず、労働市場のメカニズムを正面から扱ってわかりやすく説明した本はこれまであまり見かけなかった気がします。

多くの人は就職活動時に自分が志望する業界の研究は一生懸命にするのに、労働市場の研究はしません。僕も社会人になるときそんなことあまり調べなかったし、社会人になってから「そーゆーことはもっと早く知りたかった」と思ったことが多々あります。

この本は転職について扱っていますが、扱っているのは"労働市場での価格メカニズム"というとても重要な論点であり、転職時だけでなく学生の就職活動時にも知っておくべき知識です。

新社会人はもちろん、これから就職活動をする学生のみなさんにも読んでほしい本です。

3. 素直さ

『入社1年目の教科書』(岩瀬大輔、ダイヤモンド社)

学生時代に会計士受験をしていて勉強ばかりしていた僕は、就職したときに基本的な社会人力が人並み外れて不足していたのですが、そんな僕が大人になるまで誰も教えてくれなくて苦労したことについて、だいたい書いてあるのがこの本です。

「頼まれなくても議事録を書け」のような実践的なことから「つまらない仕事はない」のように本質的な考え方まだ意外と広いトピックを扱っていますが、数年経つと「うんうん」と首がもげるほど頷きたくなる内容ばかりです。

この本に書いてあることを素直にコツコツと実践していくと本当にいいことしかないのですが、それを説明する方法を思いつかないので、どうか騙されたと思って読んで実践してください。

4. 自分を知る

『20歳のときに知っておきたかったこと』(ティナ・シーリグ、CCCメディアハウス)

働き始めると新しく覚えることがたくさんあり、できないことが多すぎて不安と絶望に向き合いながら必死で「新しい知識やスキルを身につけなくては」という気持ちになるんじゃないかと思われます。

実際、社会で活躍するために必要なスキル・知識は多様なので、数冊本を読むくらいでは全然足りないし、そもそも実践でしか身につかない資質も多いので、焦らずコツコツひとつずつ身につけていくしかありません。

30代後半のおっさんになって改めて感じるのは、自分が本当にどうありたいのか、どうあれば幸せなのかを深く理解するのはめちゃくちゃ難しいということです。

就職活動の自己分析などで考えたり、それによって業界や職種を選んだりしているかもしれませんが、そんなレベルより遥かに深いレベルで自分を理解できていないと、人生の重要な局面で自分にとって最適な決断を下すことがむずかしいし、いつまで経っても隣の青い芝をちらちらと羨み続けることになります。

経験を通じて価値観も変化するので、自分を深く理解するための時間投資は継続的に惜しまない方がいいと僕は確信していますが、とりあえず出発点としてこの本から視野を拡げておくといいと思います。

まとめ

「自分がしあわせに仕事ができる状態」を見つけよう

スキルや知識を身に着けて成長していくことも大切ですが、なによりも大事なのは「自分が仕事をしていてしあわせだ」という感じられる状態を見つけ、その状態を維持することです。

それは別に、職場の仲間と仲がよくて飲み会が多いとか、Googleみたいに会社の福利厚生が充実しているとか、そういうことではありません。実際、仕事ではストレスやプレッシャーで胃に穴があきそうなこともあるかもしれませんが、それでもいいのです(多分)。

逆に、身につけてしまうと一番ヤバいのは「仕事は時間を売って苦痛を引き受けて給料をもらうもの」という感覚を身につけてしまうことなんじゃないかと思います。そういう仕事はこれから本当に減っていくし、対価も安くなっていって仕事として成立しにくくなるからです。

というわけで、大事なのは、"いろいろあるけど、それでも仕事に向かわずにはいられない"と思える仕事に出会えることじゃないかと思います。

みなさんが明日から働く会社がそういう仕事になるといいですね。「これでいいのかな」と思って不安になったら、僕でよければ少しは相談に乗れます(新社会人に限らず)

Have a good career.


番外編

ついでに僕が好きでみんな読んだらいいんじゃないかという本も少しだけ紹介しておきます。

 【おまけ】『まんがでわかる LIFE SHIFT』(星井 博文/リンダ・グラットン、東洋経済新報社)

本家『LIFE SHIFT』にはものすごく重要なことが書いてあります。

しかし、ちょっと長すぎるし読むのが面倒くさく、本当に読むべき人たち(=これからの社会変化への備えがあまりにも不十分は人たち)には絶対に届かないという問題があります。

ただ、『LIFE SHIFT』の主張自体は極めてシンプルであり、それを細かく理解するよりもリアリティを持って想像できることで、正しい危機感を持つことが重要です。

そんなわけで、想像力を持って脳に印象づけるにはマンガで十分というか、むしろマンガをオススメします。

【マーケ・広告の人向け】『マーケティングの仕事と年収のリアル』(山口 義宏、ダイヤモンド社)

この本も『転職の思考法』と並んで、労働市場の中のマーケティングセグメントを理解する上ではめちゃくちゃわかりやすい本です。

多くの人はわりと行き当たりばったりでキャリア形成を進んでいて、自分が目指しているゴールから全く遠いところで修行していたりします。不確かな情報に基づく妄想で存在しないキャリアパスを歩もうとしたりします。

この本はそういう自体を避けるための"地図"みたいなものなので、マーケティングや広告の仕事に携わる人は必携だと思います。こういう方が他の業界や職種でも増えるといいなと思います。

お読み頂いただけでも十分嬉しいですが、サポートして頂けたらさらに読者の皆様に返せるように頑張ります。