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「ボヘミアン・ラプソディ」と『フェルマーの最終定理』に見るモチベーションの源泉

巷ではQUEENのフレディ・マーキュリーの伝記映画「ボヘミアン・ラプソィ」が大旋風を巻き起こしてますね。
僕も初週にDolby atomosで観ましたが、素晴らしすぎて今年観たほかの映画を全部忘れてしまいました。今度はIMAXでもう一度観るつもりです。

※注:微妙に映画のネタバレあります(wikipediaレベルの情報ですが)

この映画で最高だなと思ったのは、QUEENとフレディの重要な転換点で彼らを動かしているのがオーディエンス/ファンだったところです。

誰もが知っている名曲「WE WILL ROCK YOU」が生まれたのは、クィーンの初の全米ツアーでオーディエンスがみんなで歌ってくれたことに感動したブライアン・メイが、「オーディエンスが参加できる曲を作ろう」ということで作曲したというエピソードとか、
ドラッグ漬けでボロボロになったフレディがQUEENに戻ったとき、「僕はパフォーマーなんだ」みたいなことを言って全然歌えない状況から復活していく様子とか、
本当に#ボヘミアン胸アツでしたね。

「期待して待っていてくれるお客さんがいる」というのはよい仕事をするモチベーションとして非常に強くて、そういったお客さんを得られるかどうかによって個人の能力は飛躍的に変わるんじゃないかと思います。

QUEENのメンバーはみんな優れた才能を持っていたんだと思うけど、梵百のバンドとQUEENを決定的に分けたのはファンなんだと思うんですよね。

最初はやっぱり才能がファンを作るんだけど、ファンがさらに才能を育てていき、圧倒的な差になっていく。

自分の仕事の経験から考えても、ボーナス増やしたいとか次の査定で年収上げたいとかいう動機で日々の仕事での力を得られたことはまずなく、エブリスタのときはやっぱり「骨身を削って小説を書いているユーザーさんがいるんだから、テキトーな仕事はできないよな」という思いが常にあったおかげで、疲れてちょっと妥協しそうになったときでも踏みとどまってベストを尽くせた気がします。

今やっている新しい会社はまだサービスを出していなくて僕らを期待して待ってくれているユーザーさんがいないので、それが一番の弱点だなーと感じております。なので早くサービス出したい。

一方で、最近今更ながら『フェルマーの最終定理』という本を読んでいるのですが、これはただただ自分と向き合って数学の研究に生涯をかける天才数学者達のドラマの本です。

QUEENとは対極で、常に自分だけが自分をモチベートできるような状態で、人類最高の知性達が「もしかしたらなんの結果も得られないかもしれない」という不安を抱えながら仕事に全力を傾ける数学者の世界って凄まじいなと慄きました。

アンドリュー・ワイルズが論文を発表する学会の章は涙なしには読めない感動的なものだったし、作者サイモン・シンの非凡な筆力により読み物として最高に面白く仕上がっているので、みなさん是非読んでみてください。


モチベーションの源泉はなんでもよいのですが、“自分を圧倒的に高い目標に本気で向かわせるのは何か”ということは真剣に考えて言語化する価値がありますね。

最後に『フェルマーの最終定理』を証明したアンドリュー・ワイルズの素敵な言葉を引用しておきます。

人は誰しも、自分にとって大きな何かに本気で取り組むことができれば、想像を絶する収穫を手にすることができるのではないでしょうか。

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