文芸フェス

川村元気の言葉 (トークイベント「2066年の文芸 第一夜」より)

B&Bでの内沼晋太郎さん・川村元気さんとのトークより。敏腕プロデューサーにして文筆家でもある川村さんの者の見方が垣間見れる刺激的なイベントでした。

【トークメモ】

マーケティングからは絶対ヒットは出ないですよ。マーケティングして「こんなのが当たるんじゃないか」って作っても遅い。マーケティングが悪いわけじゃなくて、間に合わないんです単純に。
形式に制限されて作ったものの方がいい可能性がある
Amazonの人工知能にレコメンドを押し付けられるじゃないですか。あれがすごく的を射てて嫌なんですよ。リコメンドから抜けて、寧ろ嫌いなものを読んだらガチーンってきたりするのが面白いじゃないですか。
嫌なことして帰ると、その帰り道にすごくいいアイディアが浮かんだりする
僕ずっと言ってるんですけど、映画を公開しているたった4~5週間に、わざわざ映画館に行って1,800円払うやつって、ド変人ですよ。われわれは変わった人に向けて一生懸命やってるんですよね。それを「自分たちはマスメディアだー」と思った瞬間に負けてくなーと思って。
僕が『世界から猫が消えたなら』を書こうとしたときは、逆に「絶対映像には歯ぎしりしてもできないことをやろう」と。それは、「消える」っていう表現がとにかく映像は苦手。「世界から猫が消えた」って、文章でしたらすぐイメージできますけど、「じゃあ猫が消えた世界を映像にしてください」ってかなり難しい。
書くことより気付くことの方が大事。何がこの世界において変なのかとか、気付く方がはるかに難しいし、クリエイティビティなんですよね。
僕の興味あるテーマは三つしかないんです。一つは「死ぬこと」、次に「お金」、三つ目が「恋愛」。この三つは人間がどんなに賢くなって研究しても、解決できない問題なんですよね。解決できないからストーリーで書く意味があると思うんですね。



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