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捨てられない病

Top Photo:きょう思いきって捨てた造花

かれこれ3年ほど前に、断捨離できない苦しみだけを黙々とつづるブログを持っていた。

ライター名は匿名、散らかった部屋は個人情報にモザイクをかけた上で、片付けられない20代女子のありのままの実態を載せていた。怖いもの見たさなのか、それとも意外と共感を得ていたのか、1日あたり3万PVをたたきだすことも珍しくなく、ピーク時にはなんと10万PVに。ブログを更新するために部屋を片付けるという不思議なモチベーションで過ごした1LDKだった。

結婚してそのときよりも広い部屋に住む今、私も夫も片づけがそう上手ではないため再びモノが増え続けている。おまけに少々ワケあってこのタイミングで一身上の理由で引っ越しが決まり、たった1年しか住んでいない新居を出るために再び荷造りに追われている。

哀しいかな、1年前の引っ越しで本棚に並べた本や漫画を、たったの一度も触ることなく再び段ボールに詰めていく。1年間触らなかったのだから、捨ててもきっと後悔はないのに、未練とも異なるこの感情がずっと自分を縛っているのだから、やはりこれは病なのだろう。(自論)

仕事のストレスを買い物で発散していた時期に入手したものは特に厄介で、代表例は未開封のままの「NARUTO」全巻セット。買って並べて満足で、重要なキャラクターが死を遂げていたことさえネットの情報でしか知らない。手元にあるのだから読めばいいのに。誰かが定価で引き取ります!と挙手してくれたならば少しは手放せるだろうか。分からない。


3日ほどかけて、捨てられそうなものを適当にピックアップした。本当はもっとあるような気がしてならないが(見積もりに来た引っ越し業者から笑われている)、実母は「1年前の引っ越しで取捨選択しているんだからたった1年でそんなに捨てられるものはないのでは?」と。
都合のいい方を信じる。

思い出が詰まっていて…と書き始めるとキリがないので、ゴミ袋に詰める前に写真を撮った。せめてデータで残しておけたら、未練にも似たこの気持ちも昇華するかもしれない。

◇結婚のお祝いに友人からもらったプリザーブドフラワー
母は「捨てるの!?」と驚いていたが実はもともとガラスのケースに入っていて、豪華な台座が付いていた。ネコに割られ蹴られ、どんどん小さくなって今の形になる。原型を知っているものとしては、もうこれ以上置いておくわけにいかず、少しでも美しいまま手放すことにする。

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◇結婚披露宴の祝電についていたプリザーブドフラワー
再び母を驚かせたシリーズである。ちなみに、万人にすんなりご納得いただける「捨てる理由」を一言で述べると、「同じ花が5つある」からだ。祝電あるある。花の損傷が激しいこの1つだけを破棄するが(手前の花の花びらが傷んでいる)、あと4つは新居へ持っていく。捨てられる人は4つを捨てて1つを残すのだろうか、分からない。

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◇愛用しすぎた本革ブーツ
何年履いていただろう。少なくとも5~6年は大切に履いていた。極力キレイに撮ったが、実はかかとが斜めにすり減ってボロボロになっている。2度ほど靴屋で修理をしたが、皮の手入れにも限界が来たため、ここで手放すことにした。(ちなみにほぼ同じデザインのショートブーツがあるので、これからはそちらを大切にしていく)

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◇一度しか履いていないロングブーツ
とあるライブで履きたくてネットで購入したものだ。履くためには靴紐を毎回上まで編まねばならず、なかなか履く機会に恵まれなかった。「こんなにキレイなのに」と手放すのが惜しかったが、メルカリに出品する手間を考えるとゴミ袋に入れてすっきりした自分がいる。

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◇お出かけ用から降格してしばらく玄関&コンビニ用だったサンダル
丈夫で履き心地も悪くなかったため、長いこと履いた。玄関サンダルになってからもこういうシンプルなサンダルほど壊れにくいため捨てる機会がなかった。玄関用(またの名をコンビニ用)サンダルがほかに3足もあるため、一番長く使ったものをここで手放すことにする。

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捨てるものに対してもいちいち捨てる理由を書かないと、私が納得いかないことに自分でモヤモヤしてしまう。

がんばりにがんばってようやくゴミ袋1袋分。来世は断捨離マスターになりたい。いや…極力日々心掛けたい。

今日も、愛用していた品々の写真を撮った。明日も段ボール詰めをがんばる。

2020/04/23 こさいたろ


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