見出し画像

超優良ニッチ企業である【ナカニシ】を分析してみた#マーケティングトレース

皆様初めまして。ikeshoと申します。初めてノートに投稿いたします。

今回は栃木県鹿沼市に本社があります、ナカニシ様の分析をいたします。


ナカニシとは

社名  :株式会社ナカニシ
本社  :栃木県鹿沼市
従業員数:1,083名(連結)
売上高 :約365憶

事業内容は下記になります。

創業以来「削るテクノロジー」(超高速回転・超音波)を核に歯科医療機器、工業用切削・研削機器、外科医療機器分野で成長してきた当社。開発・製造・販売の三位一体体制のもとニーズに合う製品を送り出してきました。中でも歯科医療機器分野では、世界マーケットでトップレベルのシェアを誇ります。
今後も革新的「削るテクノロジー」による美しい進歩の創造をミッションとし、お客様の期待を超える価値を提供し続けます。
(リクナビ2020採用サイトより)

つまり、削る技術を武器に歯科医療機器市場に特化している、かつ削る技術応用して外科医療機器や工業用切削分野へ進出し、事業領域を広めているがわかります。
シナジーが効かない領域への進出は非常に危険な場合が多いですが、削る技術を応用して他事業へ進出しておりますので、セグメント同士でシナジーも効いておりコストリーダーシップも取れているのではないかと推測できます。


財務内容

ニッチ企業はたくさんありますが、私がこの会社を取り上げた理由として
財務状況のえげつなさがあります。
損益計算書、貸借対照表を図で表現してみました。
数字の詳細は決算短信の財務ページを抜粋したPDFがございますので、
そちらをご確認ください。


財務状況だけみますと、売上高営業利益率が20%以上あること自体も素晴らしいですが、自己資本比率が90%以上あることもえげつないです。
株主資本が650億あり、売上が360憶です。つまり・・
1年半くらいは何も活動しなくても自己資本で賄えるレベルということです。


マーケティング・企業分析
BizMake様のコンテンツを利用)

①4P分析

開発・製造・販売が自社完結でき、開発や製造を内製化することで、工場稼働の効率化に影響し、高いコストパフォーマンスを出せているのだと思います。
また、販売代理店を通さず自社の営業部隊で販売することにより、マージンを取られず販売できるのも大きなアドバンテージになっております。
それにしても135か国以上を自社販売網で網羅できているのって恐ろしいですね…
次はもう少しマクロな視点で、またリスクも含めた企業の分析をしてみます。

②SWOT分析

正直ニッチ業界で大成功している会社ですので、強みばっかですね。
強いて言いうならば、海外が主な取引先なので国際情勢や為替レートに左右されるのが大きな懸念点だと思います。

もし、自分がCMOだったら・・・

最後に自分がCMOだったらどういう施策をするか考えていきます。

正直、今のマーケティングや経営戦略が素晴らしく、既存のマーケティング方法や経営戦略を変えようと思いません。
強いて言うならばという部分で上記のように書いてみました。

また、成功要因としては下記の3点だと思います。


①医療業界という絶対なくならない業界にビジネスの対象にしていること
②ルーツは歯科医療機器業界。
歯科医療機器業界=ニッチだが、別の市場へいかず、その市場を深堀していったこと
③事業をむやみに拡大せず、しっかりと既存セグメントとシナジーが効く事業に参入したこと

特に重要なのは③だと思います。
既存事業と全く異なる事業に参入し、結果上手くいかず事業を売却せざるを得なかった企業は沢山あると思います。
(こういったケースは流行の市場に参入してしまったが故に上手くいかなかったことが多いです)
その中で流行を追わず、自社のビジネスを更に深められる市場に参入した判断は非常に素晴らしいものだと思います。


最後に・・

ビジネスの面白いところは自分で自分が参加する市場を決めることができることです。
メジャーリーグに参戦するのもよし、マイナーリーグに参戦するのもよし、更には自分たちでリーグを作って参加するのもよしです。
高収益なニッチ企業は参加するリーグの選び方が非常に上手いです。
私自身もニッチ市場をターゲットにした企業に勤めておりますので、ナカニシのビジネスモデルは非常に参考になりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?