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自らの意志を以って物事を終えられる幸せ 〜 12年続けたフェスを終えてみて 〜

最近では2019年1月27日に”嵐”が2年後の休止を発表し、大きな話題となった。

スポーツ選手でも全盛期に辞めたり、創業社長が早期に退任し、経営をプロに委ねたりするケースもあります。また、寺田倉庫のように事業を売却し、あえて規模を縮小したり、事業をpivotするケースなど”終える”にも様々な形があります。

TAICOCLUBを2016年に『あと2年で終える』と決め、次に目を向けた事で、現在は新たな機会が生まれ少しずつですが前に進んでいます。

様々な憶測や批判等もあったりしましたが、TAICOCLUBは2018年で役割を終えたと僕自身は感じており、自らの意思を持って”終えられた”事に心から感謝の気持しかありません。

では、何故自身で終える事を選んだのか。TAICOCLUBの内容に纏わる理由に関しては上記の記事などでもお伝えしているので、別の面から書いてみようと思います。

A. タイミング
B. 意思決定
C. 組織
D. リスク

A. タイミング

2012年、2013年、2014年と集客と売上が順調に伸びてきていた中で2015年に減少の局面がありました。具体的な数字は控えますがイメージでいうと以下の通り。

2015年は10回目のアニバーサリーというタイミングではありましたが、ここで『んっ?』となりました。もちろん今後、集客と売上を向上させる事はできる可能性はありますし、続けていく事もできたと思います。ただ、集客と売上を伸ばすためにこの先も大好きなフェスティバルをやっていくのは辛いなと。他にも縮小したり、コンセプトを変えたりという案もありましたが、当時のTAICOCLUBに対するイメージを大事にしようと決め、遊びに来てくれていた来場者の皆さんが持ってくれていた良いイメージのまま幕を降ろそうと決心しました。

終了の発表から2年後としたのは、少し”終わり”を噛み締めてもらいたいなという願望と、過去に来ていただいていた方で久しぶりに参加できる方などにも機会を作る事ができたらという思いからでした。

B. 意思決定

誰が終えると決めたのか。
基本的に僕が独断で決めました。

TAICOCLUBを始めてから10年が過ぎ、これから次の10年を考えた時にもう自分がフェスティバルをやる必要は無い。もっと若くて面白い事ができる世代がやって欲しいなと。そこをサポートする、やりやすい環境を作る事が自分の役割になっていくと思うようになりました。

そういった経緯もあり、本当に自分が”パッションを持って夢中になれる事”を改めて10年掛けて育てていこうと、TAICOCLUBを終える決断をしました。

C. 組織

2010年から昨年まで4名という小さな小さな組織でやってきましたが、自分には組織をマネジメントしていく力が不足していたなと痛感しました。友人関係にあったチームでスタートしたTAICOCLUB、元々あまりルールは作りたくなかったのもありますが、事業として規模が大きくなっていく過程であまりにもチームとしての決め事が少なく、緩くなってしまった気がしています。

組織において自由と責任を共存させるのに失敗したのだと思います。寄りかかる関係になってしまった事が問題でした。

つまり、”終わらせる”ことで全てをリセットして、責任を持ち合える関係でやれる人と別の道を進む方向にシフトをしました。

D. リスク

野外フェスティバルでの大きなリスクといえば何と言っても”天候・災害リスク”がありますよね。素晴らしいアーティストブッキングができようが、チケットがSOLD OUTになろうが、準備万端でいようが当日が終わるまでは心がずっとキリキリしています。悪天候で中止や終了してしまったフェスティバルはいくつもあります。

さらに、こちらは見た方も多いかもしれませんが「Fyre Festival」の様に規模が開催が近づくにつれ膨れ上がっていってしまったり、毎年拡大路線でしか差別化が難しくなっていったり。

更に、世界的に見てもアーティストの被り、争奪戦、ギャラの高騰がおきています。

色々な要素を噛み砕いて、自分で終えようと思えるタイミングで終える決断をしました。それが2016年の開催直後でした。

『終わる』と『終える』

物事の結果としては同じですが、未来への向き合い方が大きく変わり、新たな自分の役割を全うしていく道筋が見えるようになりました。後悔や未練は全く無く、TAICOCLUBは自分にとっては既に過去の話でしかない。"TAICOCLUBをやっていた人"と言われないように自分自身を変えていきたいと思う。

まずは来週からこちらイベントをサポートしていますので、是非遊びに来てください!

TACKING CITY NIHONBASHI
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