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【2018年夏コミ(C94)】カップリング表記ランキング(ライト版)

毎夏冬恒例、カップリング表記統計のお時間です。もう来週には冬コミの当落発表があるということで、まずは今年の夏コミのカップリング表記事情を振り返ってみましょう。

■調査方法

いつも通り、コミケカタログのサークルカット(34,802枚)から目視でカップリング表記を抜き出して集計しています。今回の調査時間はだいたい130時間くらい。誰と誰のカップリングか分からない表記に関しては、作者のpixivを見に行ったり、実際に同人誌を買ったり、米沢嘉博記念図書館でコミケの見本誌を確認したりしています。

■作品別表記数ランキング

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『刀剣乱舞』が堂々6連覇!ひとりだけ桁が違います。往時に比べると数は減りましたが、やはり継続的に公式供給がある作品は強いです。特に『刀剣乱舞』では、「活撃」「花丸」の二大アニメに加えて、「刀ミュ」「刀ステ」で2.5次元、さらには実在の刀の展示で三次元までカバーする驚異の多次元展開で、常に話題が途切れないのも強いところです。
2位は『Fate/Grand Order(FGO)』がランクアップ。こちらも継続的に威力高めの公式供給があるのが強いです。ここ数日もハロウィンイベントでいくつかのカップリング村が焼き払われました。
3位の『ユーリ!!! on ICE(YOI)』は1位2位とは対照的に、公式供給がとても少ない作品です。にも関わらず、放送終了から1年半経っても総合3位。ファンの熱量の高さを感じます。必要最低限の水で育てたトマトは美味い。みたいな永田農法系ジャンルです。

■人気作品直近6年間推移

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上位人気作品のカップリング表記推移をグラフにしてみました。
2015年に『刀剣乱舞』が現れるまでは、『黒バス』『ハイキュー!!』『弱ペダ』といった高校生スポーツ漫画に人気が集まっていました。ところが近年は『おそ松さん』『YOI』などのアニメ作品・『刀剣乱舞』『FGO』などのソシャゲ作品が人気になっていて、かなり傾向が変わってきています。また、あくまで想像ですが、全体的にカップリング表記数自体が減っているのは、女性メインの新ジャンルに関しては、コミケからオンリーイベントに軸足が移っているからではないかと考えています。

■カップリング表記ランキング

ここは「カップリング表記」のランキングです。「カップリング」のランキングではありません。表記がどう書かれてるかに注目です。
2017年の冬コミは「ヴィク勇」の圧勝でしたが、今年の夏はどうだったのでしょうか。

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はい。夏も「ヴィク勇」!
2位と180表記差とか無理です。前回は200表記差くらいだったのでちょっと詰まった気がしますが、いろいろ無理です。「×」を使った表記の数がだいぶ少なくなってるこのご時世で、5位にオナカプの「ヴィクトル×勇利」が入ってるのもまたすごいです。それと『刀剣乱舞』や『Free!』は、選挙のポスターみたいに漢字をひらいてるのが面白いですね。得票率が上がりそうです。

■カップリングランキング

こちらはカップリング表記をカップリング別に集計したランキングです。
2017年の冬コミは「ヴィク勇」の圧勝でしたが、今年の夏はどうだったのでしょうか。

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はい「ヴィク勇」!解散!
一応定型句なので「どうだったのでしょうか」とか言ってみましたが、表記ランキングの時点で証明終了、Q.E.D.でした。それにしてもものすごい物量ですね。この量のヴィク勇本を買えるのはおそらく石油王くらいだと思います。

2位は7年間の信頼と実績、「兎虎」です。新アニメシリーズは決まっているものの、追加情報が少ない中ずっと3桁をキープしているのは驚異的。愛ですね。

3位は「赤安」が伸びてきています。一応「沖安」とか「ライバボ」とかは別集計にしているので、合算すればもうちょっと多くなるかんじです。そのあたりのトリプルフェイス統計はまた別記事で。

■この攻めがすごい!(2018夏)

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ヴィクトルさんが冬に続いて連覇!
圧倒的ですね。もし「この攻め!」が書籍化されたら表紙の真ん中にデーンと登場すること間違いなしです。さらに圧巻なのは、相手が勝生勇利97%というガチっぷり。間違いなく同担拒否勢です。2位のバニーも虎徹さん97%なので、なにかこの97%という数字は「ガチ攻め黄金比」なのかもしれません。それと「虎徹さん97%」って書くと成分表示っぽいかんじがしますが、あながち間違ってなさそうな気がします。

■この受けがすごい!(2018夏)

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受け人気1位は、やはり勝生勇利!
気になるのはヴィクトル→勇利は97%なのに勇利から見ると91%という6%の攻め受けギャップ。主にユリオとかピチットくんが原因な気がしますが、このギャップが悲劇を生まないことを願っています。
虎徹さんはちょっとだけギャップが少ないですね。ちょっとだけ。

彼らと対照的なのが、3位の黒子テツヤと4位のぐだ子です。運命の恋人とガッチリ結ばれているのではなく、総愛されハーレム俺UKEEEモードです。『FGO』はキャラ数が多いので環境的に仕方ない部分もありますが、テツヤくんはちょっと反省したほうがいいと思います。

■総受けオブ・ザ・イヤー(2018中間)

その年の総受けキング(クイーン)を決める戦いが今年も始まりました。
ただの「受」ではなく、「総受」と明記されたカップリング表記だけ集計しています。今回はとりあえず中間発表になります。

1位 黒子テツヤ 4表記
2位 J事務所の方なので省略 3表記 ※お察しください
3位 ぐだ男 2表記
   ヤン・ウェンリー 2表記
   おそ松 2表記
   カラ松 2表記
   鶴丸国永 2表記

やはり強い前年の覇者「テツヤ・クロコ」。総受けキングの座はまだまだ譲る気はなさそうです。そのキング・テツに迫るのは(note禁)です。これが冬コミでどうなるか楽しみです。
意外なところでは『銀河英雄伝説』のヤン・ウェンリーが健闘しています。「総受けの魔術師」復権なるか。

■2018年冬コミに向けて

来週には冬コミの当落発表があるということで、11月中旬あたりから冬コミの調査に入る予定です。今回の冬コミは申し込んでいませんので、昨年と同じく速報ベースの統計データをブログかnoteに書こうと思います。

個人的に冬コミは、ゼロシコ効果が乗った『名探偵コナン』に、アニメの出来が素晴らしい『僕のヒーローアカデミア』、同人誌としての勢力が未知数な『ヒプノシスマイク』、久々のドラマ勢『おっさんずラブ』あたりに注目しています。
それと、公式供給が極端に少ない『YOI』の永田農法と、公式が村を焼いて肥沃な大地を作りにくる『FGO』の焼畑農業、このふたつの農法対決も見逃せないところです。

それではまた冬コミの記事で!

■前回の記事(はてなブログ)

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【2018夏新刊】FGOをはじめ、TYPE-MOONジャンル14年の全データを掲載



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