見出し画像

シリーズBで約4.6億円調達した、Another worksの資金調達PRの裏側

こんにちは!複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営する、株式会社Another worksで広報を担当しているけーやまです!

2022年10月にAnother worksではシリーズBの資金調達を発表しました。発表からかなり時間がたってしまいましたが、今回は資金調達PRをテーマに記事を書きます!

私自身、資金調達PRは初めての経験だったので、最初は右も左も分からないまま進めていました。しかし、そんな私を救ってくれたのは他社の広報さんが公開しているnoteでした。

そのnoteのおかげで最後までやりきることができたので、今度は私が資金調達PRを控えている広報の方のお力になれたらと思っています!

狙いたい未来から逆算して戦略を策定

資金調達リリースプロジェクトが本格的に立ち上がったのは、2022年8月ごろです。そこから約2か月間が準備期間となりました。メンバーは広報チーム2名に合わせて代表、取締役CDO、人事、デザイナーの6名です。

キックオフでは、下記の3点についてすり合わせました。

①資金調達リリースの目的を確認
(→誰に何を伝えたいのか)
②どんな成果を得たいのか
(→どんな行動変容を促したいのか)
③そのための施策と、スケジュールのすり合わせ

①資金調達リリースの目的を確認

まず最初に、目的をすり合わせました。ここはどの企業でも大きく2つのゴールのどちらかが提示されるのではないでしょうか。

・成長性や独自性を伝えるためのブランディング
・未来の仲間を集めるための採用

Another worksではプロジェクトメンバーとさまざまな議論を交わした結果、後者の採用を目的にすることになりました。伝えたいメッセージはステートメントである「複業の社会実装」を目指すことを大前提に「深化と拡張」に決めました。深化というのは、徹底的にこだわりぬいたプロダクトであるということ、拡張というのは複業クラウドのドメインの広さを意味します。

②どんな成果を得たいのか

ここは採用計画ともすり合わせて議論しました。
何月までに何人、どの職種で採用したいのかなど細かくヒアリングをしました。ヒアリングをもとに、届けたい人たちに情報を届けるためにはどうしたらよいのか?から逆算して施策を考えていきました。

③施策とそれぞれのスケジュールのすり合わせ

情報の受け取り手側のフェーズごとに認知、興味、検討の3つのフェーズに分けてコンテンツを考えていきました。

認知:Another worksのことを初めて知った、事業やサービスについて何も知らない

興味:事業やサービスについてすこしは知っていて、興味がある

検討:事業やサービスに共感し、転職意欲の有無に関わらず、この会社で働いている人たちと話してみたい

そして、それぞれのフェーズの方にはどういうコンテンツを用意したらよいかをブレストし、最終的には7の施策を行うことになりました。

認知フェーズ
・プレスリリース
・メディアリレーション
・全社広報

興味フェーズ
・採用LP刷新
・採用動画

検討フェーズ
・採用資料のブラッシュアップ
・経営陣、メンバーの記事公開

Another worksが行った7つの施策

*私一人でやったわけではなく、プロジェクトメンバー全員で行いました!

①プレスリリース

プレスリリースを書くときに意識したのは、理想と現実のギャップを埋めることです。採用候補者の方が抱いている印象と現状にギャップが無いか、採用において何がハードルになっているのかを人事担当者にヒアリングしました。具体的には、これまで入社してくれたメンバーの共通点、採用面談で話すときにどんな印象を持たれやすいか、などを聞きました。

その結果、下記3つのことが分かりました。
✅クラウドソーシング系のサービスとの違いがわかりにくい
クラウドソーシングは、不特定多数のワーカーにオンラインで発注する形態で、案件としては単発でノンコア業務の案件が多いです。

それに比べて複業クラウドでは、実名顔写真付きで所属や名前を出して登録し、案件も長期的でコア業務に関わるものが多いです。採用候補者の方の中には、その違いがよくわかっていない方が多いとのことでした。

✅人材業界出身の方に共感されやすい
複業クラウドはマッチングプラットフォームなので、人材と企業の直接契約となり、人材紹介ではありません。人材紹介や求人広告、人材派遣を含む人材業界では、第三者の意思が入ることが基本であり、資金力のある企業ほど優秀な人材を採用しやすい仕組みになっています。

個人と企業の最適かつ平等なマッチングができないという課題に対して、複業クラウドでは成約手数料無料で複業したい人と企業が自由にマッチングすることができます。そのため元々人材業界にいた方は特に、弊社が目指しているビジョンに共感してもらうことが多いそうです。
                                 

✅ビジョンとミッションに共感されやすい
ビジョン「挑戦する全ての人の機会を最大化する」とミッション「複業の社会実装を実現する」に共感いただく方が多いというお話を聞きました。

転職や独立よりも大きく環境を変えずに挑戦することができる「複業」を世の中の当たり前にすることで、挑戦する全ての人の機会を最大化することを目指している会社であることが伝わるように意識してプレスリリースを書くようにしました。

そして、採用におけるハードルを解消するためにはどういう情報を載せたらよいのかを考えまとめていきました。これはプレスリリースだけではなく、その他のコンテンツを考えるときにも大事にしていました。

▼公開したプレスリリース


②メディアリレーション

情報解禁日の2週間前ほどから情報提供をし始めました。スタートアップ系やビジネス系のメディアを中心にメディアリストを作成し、プレスリリースをもとにメディアの方々へ持ち込みました。

結果的には下記のメディアに掲載いただきました!メディアリストを作る際の参考になればと思います。

・日本経済新聞 ビジネス面
・大分合同新聞
(代表大林の出身地が大分ということで、ご注目いただきました)

・Strainer

・創業手帳

・事業構想

・TOMORUBA

・JP Startups (ジャパスタ)

・STARTUP LOG
・STARTUP DB

▼NewsPicksさんとはこのような取り組みもご一緒させていただきました!


③全社広報・SNS拡散

メンバーに協力してもらうためにも、まずは資金調達リリースプロジェクトの全体像を説明しました。このプロジェクトの目的やプレスリリースに込めた想い、公開後のスケジュール感などを共有し、メンバーからの理解を得ることは大事なステップです。

そしてプレスリリース公開時には多くのメンバーがSNSで拡散してくれました。メンバーがシェアしやすいように、公開スケジュールやシェア文章のテンプレを共有して工夫することをオススメします。また、事前にどのコンテンツを拡散してほしいのかを伝えることも、投稿が分散しないためにも大事だと感じました。

プレスリリース公開後もペイド広告やメンバーのインタビュー記事公開など多くのコンテンツを用意していたので、その際にも積極的にSNSでシェアしてもらいました!

④採用LP刷新

このタイミングに合わせて、それまでNotionで運用していた採用LPをStudioに移行し、刷新しました。そのために下記のことを準備しました。

✅LPの大枠を考えて、必要なコンテンツを用意する
 (採用動画、インタビュー記事など)
✅デザイナーとの連携
✅コーポレート写真を撮影する(スタジオを借りて本格的に撮影しました)

興味フェーズにいる採用候補者の方に、どのような情報を提供すればAnother worksのファンになってもらえるかを考えて、LPの構成を考えることが大事です。

▼完成した採用LPはこちら


⑤採用動画

複業クラウドの「深化と拡張」を、記事や写真などのコンテンツだけではなく画で伝えるために動画を作成しました。この動画には、代表大林やクライアント様、株主様の声を詰め込みました。

意識した点は、「拡張」の部分であるドメインの広さを伝えることです。複業クラウドは民間企業だけではなく自治体やスポーツチーム、教育機関にもご導入いただいています。各ドメインを代表する方々に動画にご出演いただくことで、拡張性を伝えました。

▼出来上がった採用動画はこちら


⑥採用資料のブラッシュアップ

採用LPを刷新するために撮影したコーポレート写真を使い、採用資料をブラッシュアップしました。また、人事の担当者と話して、打ち出したいポイントも明確にしておくことをオススメします。(ex.若手活躍、男女比率、福利厚生など)

⑦経営陣、メンバーの記事公開

情報解禁日から一週間ごとに、経営陣とメンバーの記事を公開しました。ここでは、どんな人が経営陣で、どんなメンバーが働いているのかが分かるようなコンテンツ設計を心がけました。

経営陣には想いや考えの部分を言語化してもらい、記事を執筆していただきました。メンバーには実際の働き方や仕事内容などをインタビューし、採用候補者の方に弊社で働くことをイメージしていただけるような内容に仕上げていきました。

<公開スケジュール>
10月12日 情報解禁日
10月17日 代表取締役 大林さんの記事
10月24日 取締役CFO 中村さんの記事
10月31日 人事責任者 吉川さん 労務担当者 吉田さん
11月7日 取締役CTO 塩原さんの記事
11月14日 取締役CDO 金さんの記事
11月21日 プロダクトマネージャー 宮内さん デザイナー 澤野さん
11月28日 インサイドセールスマネージャー 渡邉さん インサイドセールス 南さん
12月5日 フィールドセールスマネージャー 逸見さん フィールドセールス 久保田さん
12月19日 カスタマーリレーション事業部 事業部長 庄司さん
12月26日 カスタマーリレーション 呉さん 齊藤さん


振り返り

資金調達PRを経験して、一番重要なのは戦略策定の期間です。なぜやるのか?どのような成果を得たいのか?をプロジェクトメンバーとすり合わせて、共通認識を持つことが大事だと感じました。コンセプトがブレていると、それぞれの施策もブレが生じるので、時間をかけてでも納得のいく戦略にブラッシュアップすることをオススメします。

また個人的に意識して良かったことは、どのタスクよりも資金調達リリースプロジェクトの優先順位を一番にしたことです。これにより、業務の取捨選択をすることができ、プロジェクトに集中することができました!

最後に、私が資金調達PRを準備していた時に参考にしていた記事をいくつかご紹介します!皆さんもご参考にしてみてください。

カミナシさん

Gaudiy(ガウディ)さん

M&Aクラウドさん

Twitterでも日々学びをアウトプットしています!フォローお待ちしています✨


この記事が参加している募集

広報の仕事

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?