囀り240328: 薬。

2020〜2023は、体調のさまざまな急変により「薬漬け」の日々だった。
と言っても合法的な「お薬」のことだ、念のため。
医者の指定通りの量や回数は守らなかったが、 50年間「薬」というものを嫌ってほとんど口にしない生活を送ってきたから、そんな自分にしてみればほぼ毎日「薬漬け」だった。日々、なんという「薬」をどれだけ呑んだか記録もつけた。
「薬」というのは、呑んだ自分と呑んでない自分を比べることができないから、実際効いているのか効いていないのかもわからない。医者や病院はデータを重視する。何%の人がどうだという話がすぐ出てくる。それは当然だろう。他人の身体にアクセスするのが使命だから。しかしこちらの身体はたった一つだ。
昨年後半あたりから、それらの「薬」の多くを呑むのをやめた。そのことによって特に何かが悪くなったという実感はない。「薬」によっては、痛みや不調を感じたときに呑むと明らかに効いていると感じるものもある。そういった「薬」は携帯し、ときどき呑む。なかには単に痛みなどの神経作用を制御するだけのものがあることも判っているが。
医療者による診察や検査結果の判断は、現代医療の知見に基づく専門家を信用するしかない。製薬会社には最新研究や先端技術による開発にも期待する。だが例えば自らが治験に参加して「薬」を呑みながらデータの変化を目にしているわけではない以上、僕の身体はたった一つのもの、検体ではない。
僕はこれからも、自分自身の身体から聴こえてくる、自らの身体の声に、耳を傾け続けて行くことを、もっとも大事にして行こうと思っている。

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