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10年目の邂逅‐その2‐:10年前のレブロンの凄さから予想する2018-19シーズン

前回の記事では2007‐08シーズンオフに起きたセルティックスBig3形成までの話を書いた。今回の記事ではその2007‐08シーズンのプレイオフでのレブロンの凄さに改めて触れつつ、そこから2018‐19シーズンにおけるロサンジェルス・レイカーズを大胆にも予想してみたい。
結論ファーストでいくと、2018‐19シーズンのロサンジェルス・レイカーズは“最低でも西カンファレンス・ファイナルまで勝ち上がり、ファイナル進出の可能性もある”と筆者は予想する。
これはいくらレブロンが加入しても、今シーズンの西カンファレンスにはウォリアーズとロケッツの2強がいるので、カンファレンス・ファイナル出場はかなり難しいという周りの評価と大きく反する。また、2強だけではなくサンダーやジャズ、ナゲッツなどのチームもありプレイオフ進出が今シーズンのレイカーズの現実的な目標と言われている。
事実、アメリカのスポーツ番組であるESPNによる今シーズン最初のパワーランキングだとNBA全体の9番目、レイカーズが所属する西カンファレンスだと5番目となっている(西カンファレンスは上から順にウォリアーズ、ロケッツ、サンダー、ジャズ)。このままランキング通りになれば、西の5位でプレイオフに進出しジャズに負けるということになるだろう。
しかし、この記事では大胆にもレイカーズは最低でも西のカンファレンス・ファイナルに進出すると予想する。

写真:ロンゾ・ボールはレブロンの加入を受けて飛躍の年となるか
https://www.sportingnews.com/au/nba/news/nba-2018-19-season-preview-los-angeles-lakers-over-under/nhqwrfucu091oxlgc2zlorcy

西のカンファレンス・ファイナルに行く根拠を2つ挙げると、

1.レブロンという圧倒的な存在
2.プレイオフ第7戦におけるレブロンの無類の強さ

となる。結局、どちらもレブロンなのだが。。。

1.レブロンという圧倒的な存在
レイカーズが西の5位か6位でプレイオフに進出したとして、相手がオクラホマシティ・サンダーもしくはユタ・ジャズだと仮定する。プレイオフという舞台はレギュラーシーズンとは異なり、各チームのエースの存在・重要性が増してくる。その際にロサンジェルス・レイカーズのレブロン・ジェームズというエースと、オクラホマシティ・サンダーのラッセル・ウエストブルックもしくはポール・ジョージ、ユタ・ジャズのドノバン・ミッチェルというエースたち。どちらの勝利を期待するだろうか?
確かにレギュラーシーズンは82試合の長丁場でありチームの戦力の厚み、経験が大切である。しかし、プレイオフは短期勝負であり、プレッシャーがレギュラーシーズンの比ではない。例えばラッセル・ウエストブルックはその超人的な能力とスキルでここ2シーズンの間トリプルダブルを連発して、2016‐17シーズンにはレギュラーシーズンMVPを獲得している。しかし、ケビン・デュラントがサンダーからウォリアーズに移籍してからは2年連続プレイオフでは1回戦敗退である。
なので、このレブロンという圧倒的な存在が西のプレイオフ1回戦を勝ち進む根拠となる。

写真:トリプルダブルを量産するウエストブルックは今シーズン1回戦を突破できるか
https://www.sbnation.com/2018/4/26/17284162/russell-westbrook-highlights-thunder-jazz-nba-palyoffs-2018

ここで2008年のプレイオフを思い出したい。結果として2007‐08シーズンを優勝したボストン・セルティックスのスタメンと主な控えは下記の通りである。
PG:レイジョン・ロンド
SG:レイ・アレン
SF:ポール・ピアース
PF:ケビン・ガーネット
C:ケンドリック・パーキンス
控え:ジェームズ・ポージー、P.J.ブラウン、エディ・ハウス、サム・キャセール

そのセルティックスと東カンファレンス・セミファイナルで対戦したクリーブランド・キャバリアーズのメンバーは下記のとおりである。
PG:デロンテ・ウエスト
SG:ウォーリー・ザービアック
SF:レブロン・ジェームズ
PF:ベン・ウォレス
C: ジードルーナス・イルガウスカス
控え: アンダーソン・ヴァレジャオ、タージ・ギブソン

結果論ではあるものの、正直よくこのメンバーでBig3率いるセルティックス相手に第7戦までもつれ込む死闘を演じたといえる。さらに第7戦自体も終盤までもつれ込み、キャブスが勝つ可能性があった(結果は97‐92でセルティックスが勝利)。
それもこれも第7戦で45得点5リバウンド6アシストを記録したレブロンの存在があってこそである。この試合ではポール・ピアースも大爆発し41得点を記録する。そのポール・ピアースを時に守り、ポール・ピアースもしくはジェームズ・ポージーに厳しく守られながら45得点したレブロンの存在は圧倒的であった。
当時よりもNBAが進化しているとはいえ、今のロサンジェルス・レイカーズと当時のキャバリアーズのレブロン以外のメンバーを比べてみても、今年のレイカーズの可能性を信じてやまない。

写真:22年ぶりに優勝した2007‐08シーズンのボストン・セルティックス
https://www.facebook.com/8245623462/posts/10150634833458463/

2.プレイオフ第7戦におけるレブロンの無類の強さ
レギュラーシーズンを多く勝ち、上位シードでプレイオフに臨むメリットはなんだろうか?1つにホームコートアドバンテージがあるだろう。現行のプレイオフフォーマットだとホームコートアドバンテージを持つチームが、
ホームで2戦、アウェイで2戦、(必要に応じて第5・6・7戦をそれぞれ)ホーム、アウェイ、ホーム
で対戦するようになっている。つまり、仮にホームコートアドバンテージを持っていなかったとしても、ホームゲームを確実に勝てば第7戦まで戦えるようになっている。
そうなるとプレイオフ第7戦におけるレブロン・ジェームズの無類の強さがレイカーズに夢をもたらす。確かに第7戦ではホームチームが圧倒的に有利である。データで見てみても、NBAの歴史上通算でホームチームが107勝24敗と8割の確率で勝利している。
しかし、現時点でレブロンはプレイオフ第7戦を6勝2敗と大きく勝ち越しており、上記の2008年にセルティックスに負けたのが最後で、今は6連勝中である。レブロンの第7戦における活躍は下記のとおりである。

対ピストンズ(2006年東カンファレンス・セミファイナル)結果は79‐61で負け
レブロンのスタッツ:27得点、8リバウンド、2アシスト

対セルティックス(2008年東カンファレンス・セミファイナル)結果は97‐92で負け
レブロンのスタッツ:45得点、5リバウンド、6アシスト

対セルティックス(2012年東カンファレンス・ファイナル)結果は101‐88で勝利
レブロンのスタッツ:31得点、12リバウンド、2アシスト

対ペイサーズ(2013年東カンファレンス・ファイナル)結果は99‐76で勝利
レブロンのスタッツ:32得点、8リバウンド、4アシスト

対スパーズ(2013年ファイナル)結果は95‐88で勝利
レブロンのスタッツ:37得点、12リバウンド、4アシスト

対ウォリアーズ(2016年ファイナル)結果は93‐89で勝利
レブロンのスタッツ:27得点、11リバウンド、11アシスト

対ペイサーズ(2018年東カンファレンス・一回戦)結果は105‐101で勝利
レブロンのスタッツ:45得点、8リバウンド、7アシスト

対セルティックス(2018年東カンファレンス・ファイナル)結果は87‐79で勝利
レブロンのスタッツ:35得点、15リバウンド、9アシスト

なんとプレイオフ第7戦で平均34.9得点、9.9リバウンド、5.6アシストという数字を残している。レブロンというエースの力でプレイオフ1回戦を勝ち切り、セミファイナルではロケッツが相手だろうとウォリアーズが相手だろうと第6戦までお互いのホームを守り、“Game 7”におけるレブロンの力で勝ち抜く。それが今シーズンのロサンジェルス・レイカーズの最低ラインであり、そうファンが希望を持ててしまえるくらいにレブロンの存在は大きい。

写真:多くのメディアが懐疑的である9年連続ファイナル出場をレブロンは実現できるか
https://www.eltiempo.com/deportes/otros-deportes/lebron-james-es-la-figura-con-lakers-del-inicio-de-la-nba-2018-19-280894

タイトルの写真:
http://www.sportingnews.com/ca/nba/news/lebron-james-lakers-media-day-la-photo-video-stats-nba-news/flgph8hx5h8a1j38wdsxosxy0

参考文献:
https://247sports.com/nba/golden-state-warriors/ContentGallery/ESPNs-first-NBA-power-rankings-of-2018-19-season-122480002/#122480002_22
https://en.wikipedia.org/wiki/2007%E2%80%9308_Boston_Celtics_season
https://en.wikipedia.org/wiki/2007%E2%80%9308_Cleveland_Cavaliers_season
https://www.basketball-reference.com/boxscores/200805180BOS.html
http://www.vegasinsider.com/nba/story.cfm/story/855408
http://www.cleveland19.com/story/38282625/an-in-depth-look-at-lebron-james-game-7-history/
https://www.basketball-reference.com/boxscores/201805270BOS.html

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