マガジンのカバー画像

あどけない話(夜のエッセイ)

241
日々の暮らしから、あどけない話を綴ります。
運営しているクリエイター

記事一覧

無理はしすぎない…けど無理をしないといけないときもある

無理はしすぎない…けど無理をしないといけないときもある

雨と風、すごかったですね。

何度か書いているように記憶していますが、3年ほど前から気圧が下がると頭と身体が極端に重くなり、それが朝なら寝床から起きられないし、それが日中なら頭が割れそうに痛くなる…といった有り様です。

こうなった原因は比較的はっきりしていて、前職で(自分としては)結構頑張って仕事をしすぎたことで、何かのバランスが崩れてしまったことによると思っています。

そうした経緯もあり、転

もっとみる
本を選ぶときに考えていること・本を読むときに考えていること

本を選ぶときに考えていること・本を読むときに考えていること

「近いうちに週末本屋を開けたら…」
そう思ってからこの方、加速度的に手元の本の点数が増えている気がする。

それはさておき、最近「どうやって本を選んでいるのか」、そして「本を読んでいるときには何を考えているのか」ということを立て続けに人から聞かれたので、自分用のメモも兼ねて少し書いておきたい。

①どうやって選ぶか結論から先に言ってしまえば、「直感」である。
だが、そう言ってしまっては元も子もない

もっとみる
平成の一コマ

平成の一コマ

20年前、母と電車に乗っていたら、隣りにいた男性が何やらこちらをチラチラ見ながら、手元のスケッチブックに鉛筆を走らせ始めた。
何してるのかなぁ…とやや訝りながら体の向きを変えたところ、その男性は初めに描いていたページを捲り、新しいページにまた何かを描いている。

しばらくすると男性はそのページを切り取り、「はい、どうぞ」と、ニコッと笑いながらそれをこちらに差し出してきた。
見ると、電車のシートに座

もっとみる
置いていくもの・持っていくもの

置いていくもの・持っていくもの

私などが言うまでもなく、今日は平成最後の日。
「昭和最後の4月30日」に生まれた身としては、「平成最後の日」が4月30日であることに対してやや感慨深いものがある。「平成の申し子」などと言うつもりはないけれど、平成という時代の影響を色濃く受けた人生だったことは間違いない。

終わりゆく平成に置いていきたいものは「弱い自分」かもしれない。
どうにも昔から臆病で、何かをするのになかなか踏ん切りがつかない

もっとみる
「言葉は星に似ている」

「言葉は星に似ている」

昨日、NHKのEテレ(つい、「NHK教育」と言ってしまいそうになる)で「ドキュランドへようこそ『星の王子さまの世界旅』」という番組を観た。

ドキュメンタリー番組好きの私は、いつの間にか始まっていたこのシリーズも好きでとりあえず録画しておいて気になったものを観ているのだが、この回は特に素晴らしかった。

小説「星の王子さま」を翻訳し、失われゆく希少言語を次世代に伝えようというサハラ砂漠や北極圏、中

もっとみる
コートの袖元

コートの袖元

4月というのにとんでもなく寒い一日だった。月並みな表現だがまるで冬に戻ったかのような寒さで、桜もびっくりしたことだろう。

さて、会社から帰る電車の中でふと横を見ると、吊り革を持つ男性のコートの袖元が目に入ってきた。そこには、紛う方なきクリーニング屋さんのタグが付いていた。

このタグを見て、色々なことが頭をよぎる。
「冬が終わったからコートをクリーニングに出したものの、今朝慌てて引っ張り出してき

もっとみる
春なのに、いや春だから?

春なのに、いや春だから?

記念にください ボタンをひとつ
青い空に捨てます

…ではなくて。
こんばんは。夜のエッセイを書くのはずいぶん久しぶりのことになってしまいました。最近、どうにも日記を書くのが楽しくなりまして、そちらを細々と更新する日々でした。

皆さま、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

久方ぶりの更新でこんなことを書くのもやや気が引けるのですが、怖いようできっと怖くない話を書きたいと思います。

※ ※ ※

もっとみる
瀬尾さんと中島さん

瀬尾さんと中島さん

瀬尾一三さんは、中島みゆきのプロヂューサーを長年務めている方。

杏里さんの「オリビアを聴きながら」や、バンバンさんの「『いちご白書』をもう一度」など、彼のアレンジによるヒット曲は数知れず。中島さんのプロデュースは、1988年11月のアルバム「グッバイガール」から現在に至るまで、およそ30年になる。

そんな瀬尾さんが、カフエ マメヒコのオーナーである井川啓央さん(「2008年、影山知明氏の依頼に

もっとみる
My Favorite Things~みんな私のお気に入り

My Favorite Things~みんな私のお気に入り

私は本屋が好きだ。一つずつの本が集まって、一つのお店を形成しているから。
私は合奏が好きだ。一つずつの楽器が集まって、一つの音楽を形成しているから。
私は建築が好きだ。一つずつの部材が集まって、一つの建物を形成しているから。
私は都市が好きだ。一つずつの建物や人々が集まって、一つの空間を形成しているから。
私は言葉が好きだ。一つずつの文法が集まって、一つの言語を形成しているから。
私は文化が好きだ

もっとみる
「厂」に涙す

「厂」に涙す

自分でも予想していなかったタイミングで涙が溢れることがある。

仕事を終えて家に帰り、なんとなくテレビを点けて、なんとなく録画していたテレビ番組を観始めた。Eテレの『美の壺』。
現在、東京国立博物館で顔真卿の書が展示されていることにちなんでか、「番外編」として漢字にまつわる「ツボ」を1時間にわたって特集していた。

番組の後半、毛沢東が推し進めた簡体字の導入とその普及政策に話が至る。取材班は北京に

もっとみる
一日一膳

一日一膳

気づけばここ1ヶ月ほど、平日は「一日一膳」生活が続いている。
朝食べず、昼も食べず、夜は好き放題食べている。

まぁきっと、西洋医学的には(東洋医学的にも?)決して褒められたことではないのだろうけれども、これが意外と性に合っているようだ。何より、夜ご飯に対するありがたみが以前より増した気がする。

そもそも数ヶ月前から、昼食をサンドイッチなどの軽食で済ませるようになっていた。それは特に信念があって

もっとみる
それぞれの「リトル・トーキョー」

それぞれの「リトル・トーキョー」

2月9日(土)、中島みゆきの「夜会VOL.20 リトル・トーキョー」を観た。
少々、ここに雑感を書き残しておきたい。以下、若干の「ネタバレ」を含むことを付言しておく。

夜会とは夜会は1989年に始まった公演で、平たく言えば音楽劇。ストーリーとポップミュージックが融合したもので、多少スタイルを変えながら今回20回目を迎えた。ちなみにご存じない方もいらっしゃるかもしれないが、中島はいわゆる「普通のコ

もっとみる
本屋さんをめぐる断章

本屋さんをめぐる断章

1月14日(月)最寄り駅に併設された商業施設内の書店を訪れる。

小説コーナーの近くにあるエッセイやノンフィクションを並べたコーナーにいると、高校生と思しき数人組の男性がワイワイ言いながらやってきた。聞くともなしに聞いていると、1冊の漫画本を皆でお金を出し合って買う相談をしているようで、「俺、100円しか持っていないよ!」などという声が聞こえてくる。

そんな中、そのうちの1人がすぐ横にある小説コ

もっとみる
仲良く月を食べました

仲良く月を食べました

今川焼が食べたくなって
近所のコンビニまで プラプラ歩きました

コンビニは本当に何でも売っていて
便利店 便利店

家に帰る道すがら
ちょこんとお座りしているタヌキくんに出会います

君 ずいぶん可愛らしく座ってるね
ネコさんかと思っちゃったよ
今日の夜も冷えるね
そうだ 今川焼1つ食べるかい

タヌキくんとタスクくんは
仲良く並んでモグモグ モグモグ

空を見上げると
少しだけ欠けた 黄色いお

もっとみる