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クリスマスソングを唄うように

クリスマスソング唄うように 今日だけ愛してよ
暦変われば他人に戻る
クリスマスソング唄うように 今だけ愛してよ
雪に浮かれる街のように

―『クリスマスソングを唄うように』(中島みゆき、1986年)

この時期になると聴きたくなるアルバムがあります。中島みゆきのライブアルバム『歌暦』(1987年)という作品です。

上記ページの説明文にもありますが、1986年12月18日から21日に両国国技館で行われた「歌暦Page86」というコンサートの模様を収録したもの。コンサートで演奏された楽曲がすべて収録されているわけではないし、MCもほとんどがカットされているのですが、ライブ会場の熱狂が上手くパッケージングされている作品です。

1988年生まれの僕は、残念ながらこの会場に行くことができませんでした。そのため、このように残された記録や、会場にいた人の記憶を頼りにした語りを聞くしか当時を知る術がありません。とても残念です。
MCは真面目なトーンのものだけが残されているのですが、どうやら大半は明るいトーンの語りだったらしく、商品化する際に意図的に編集したのかもしれません。
※余談ですが、1987年の発売にしては珍しくCDのみの発売だったようです。当時はまだCDプレイヤーを持っていない方も一定数いて、そんな方の中にはとりあえず買ったCDをじっと見つめていた…なんて方もいたそうです。

ともあれ、そんなライブアルバムの中盤に収録されている1曲が『クリスマスソングを唄うように』。アマチュア時代の作品な上に、聴けるのがこのアルバムだけなので、かなり知名度は低いと思います。
「クリスマス、もうすぐだね」の一言の後、弾き語りで歌われる3分程度の小さな、でも切ない歌。中島みゆきらしいクリスマスソングです。

※ ※ ※

クリスマスの街は、どこか浮足立っています。恋人や家族など、一緒に過ごす誰かがいる人にとっては夢のような時間です。
でも一方で、ひとりぼっちで寒さに震えている人もいるはずです。年末も近いので、「無事に年が越せるだろうか…」と不安に駆られながら過ごす人もいるでしょう。小説など創作の中でもそういう人に出会う機会は多いように思います。

同じクリスマスでも、人によって受け止め方は様々です。

クリスマスまであと20日。
今が幸せな方は、クリスマスは今以上に幸せに過ごせますように。
残念ながらあまり幸せではない方は、クリスマスまでに何か1つでも小さな幸せが見つけられますように。

そんな想いをこめて、冒頭の歌をご紹介しました。

ぜひアルバムを聴いてみていただきたいのですが、なかなかそれも難しいことと思います。
ということで、せっかくのアドベントカレンダーの企画なので、これまでの僕がやったことのないことをしようと思ったのです。そこで、伴奏も何もない上に鼻声でヘロヘロですが、短い曲なので歌ってみました。

※YoutubeはJASRACと包括契約をしているとのことで、CD音源をそのまま使わなければ著作権的に大丈夫なようです。


お読みいただき、(そしてお聴きいただいた方は)お聴きいただき、ありがとうございました。

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