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ラーメンスープを啜りたい。

「外食で金を払っている目的は食事をする事だけではない。『その店のブランドで食事をする』という体験に対してお金を払っているのだ」(要約)

コロナ自粛に入ってから、Twitterで目にしていた呟きの一つだ。
コロナ関連の情報があまりにも多い為、目にはしては忘れ、また見かけては忘れを繰り返していた。
この呟きをふと思い出すきっかけになったのは、自粛要請期間に入ってから自由に外食、私の場合だとラーメン屋に行けなくなった事だった。


インスタントラーメンはストックがある為、家で食べようと思えば食べられる環境下ではある。
最初のうちはそれが嬉しくて仕方ないし、「なんならずっと食べていたい」とすら思っていた。
しかし時間がある程度過ぎてくると、同じ味ばかりでは飽きてくる。面白味もない。

「これではいけない」と思い、インスタントラーメンを使用した美味しいレシピをアプリやネットなどで模索し始めた。
早速、余り物の野菜や家にある調味料などを総動員させて作ってみる。食べる。美味しい。
料理できる人もすごいけど、それも兼ねて知恵が回る人はもっとすごかった。

これでも充分美味しいのだが、インスタントラーメンの目的はご飯を手早く済ませるための簡易版。
ラーメン屋の作る本格的なラーメンと比べると、どうしても限界があるらしい。

まず全てに対しての作り込みが違う。麺もそうだが、今回特に恐れ入ったと感じたのがスープだ。
スープも具やコク、煮詰め方、期間のなどの全てが店によって全然違う。仮に同じ具材で仕込んだとしても、準備の手順が違うだけで違う味になる。
ラーメン屋を出せる方って本当にこだわりのある方達ばかりなのだなと実感した。
そして自分を含めてラーメン屋に通う人たちは、その手間や材料費などを全てひっくるめた体験に対してお金を支払っているのだ。

もちろん大手の店舗になってくれれば、テイクアウトでもスープの美味しさは実感できる。でも大手ならでは、の話である。
小規模の店舗ないし個人経営となると、様々な事情はあれどもテイクアウトの用意ができない店舗だって必ず出てくる。結果的として店に足を運ぶ事によって「その店のラーメンを味わう」体験ができるのだ。


今は家を出なくても注文さえすれば、商品が届く時代になってきた。
しかし自ら家を出て、美味しいものを食べる行為は決して無駄ではないと言いたい。
そもそもその行為すら楽しみの範疇にあって、効率非効率どうこうの話ではないのだと思う。その感覚はきっと遠足に近いものなのだろう。



こんな夜更けにラーメンの話をしていたらお腹が空いてきた。
さすがに食べはしないが、寝ようと思う。
多分、現在進行中でほろよいパイセンの力を借りているので、ある程度であれば寝られと思う。

ちなみに、ラーメンスープはドロっとしたものも、あっさりしたものも大好きです。

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