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佐々木寿人になりたい一般雀士①

佐々木寿人になるために佐々木寿人の牌譜検討をしたいと思う。以下は、Mリーグ2021-22【2月22日第一試合】の一局である。

ツモ4m、打南

 寿人はこの手から第一打南。三向聴の割と良い手であり、平和効率で打中とする者も少なくないだろう。

ツモ3m、打中

 寿人は打中。3mをツモって二向聴の手に。順当にも思えるが、ペン7m外しはどうだろうか。次順で触れる。

ツモ8p、打9m

 寿人は打9mとし、ペン7m外しに掛かった。8pをツモったことで一向聴となったが、寿人の選択は向聴戻し。良形を目指しての選択と考えられるが、まだ巡目が浅く、二向聴でも十分早いのが理由だろう。
 私としては打3pとし、カン7p待ちも最終形としては悪くはなく、ペン7m待ちでも妥協できると考えていたが、なるほど確かにまだ巡目に余裕がある。それに、ツモ35s等で4s周りにターツができればペン7m外しになり、仮に打3pでなく打4sとした場合でも、3p周りで1ターツできればペン7mは外される可能性が高いと言え、ならば浮き牌として4sと3pを両方残した方が良さそうである。
 なお、前順の時点で外すのはどうか。やはりダイレクトの7mツモを逃すのが痛すぎる。また、ツモ8pでの一向聴がカン7pとペン7m待ちのダブル愚形では形が弱すぎるというのも、この時点で愚形をほぐした大きな理由だろう。ツモ8pでなく5pであれば、ペン7mを外さなかった可能性がある。なお、カン7pは1枚切れだが、リャンメン変化があるためこちらの方がターツとして強いことも補足しておく。

ツモ2s、打8m

 寿人は打8mとし、ペン7mを完全に外した。前順で打3pとして一向聴に取っていた場合は打4sでヘッドレスの割と広い一向聴になるが、向聴数を維持しながらペン7m外しすることも可能である。

ツモ6s、打9s

 寿人は打9s。タンヤオを付けることで、カン7pチーで34s待ちの聴牌。2224sを頭+1ターツと見つつ、良形変化のタネとして3pを残した。打3pとするとのが1番広いが、それではカン5sかカン7p待ちになることが多く、やはり最終形が弱い。最終形をみて打9sとするのが、ペン7m外しをした打ち筋と整合性がとれた、一貫性のある打ち筋と言える。逆にここで打3pとする場合は、3巡目の時点で打3pとしているだろう。

発ツモ切りを多井にポンされ、次順2mもツモ切り

 寿人は2mをツモ切り。単純な牌効率では打3pが打2mの上位互換ではあるが、下家の多井からは満貫直撃で捲られる点数状況である。まだロンの声は掛からなくとも、チーされればドラ含みの手が進みかねないため、受けに回ったのだろう。実際、打3pで多井がチーすると、44r56pで3ドラ使った2ターツを作ることができる。

中1pとツモ切りが続き、ツモ6m打3p

 寿人は打3p。下家の多井が8m手出し→7mツモ切り→1枚切れの北手出し。仮に887mから8mを手出し、不要な7mをツモ切り、手が進んで比較的安全な打北で聴牌。とすれば69mは危険と見て、打6mを嫌がった形か。結局まだ多井は聴牌しておらず、3pをチーされ、カン5pの聴牌が入った。

ツモ5p、打8s

 寿人は打8sで辞め。多井は鳴いて既にドラドラを晒しており、満貫直撃で捲られる可能性が十分あるため、点数状況からして妥当にも思えるが、実際にこのタイミングから降りられるのはなかなかに思える。村上との共通安牌である8pを残したのも、準備の入念さが窺える。
 しかし、その後手が詰まり、2分以上もの大長考をすると誰が予想できただろうか。

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