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Vol.27 差押が執行される(後編)...

欠席した裁判は予定通り「敗訴」となりました。

7種全ての差押の執行が決定
・現金   (口座の預金)
・生命保険 (積立返戻金)
・売掛金  (クレカでの売上など)
・給与   (1/4まで、33万以下は不可)
・車両   (マイカー、法人カー)
・在庫   (家具など)
・不動産  (マイホーム/別荘など)

それぞれに起きたこと、対策について説明します。


【車両の差押】
・当事者名義の「車」が対象となる
・裁判に欠席をしても、車は登録制のため、すぐに場所が把握される
・回収効果が低く、実行されるケースは減少傾向に

名義変更をするなどして持ち続けることも検討しましたが、
これを機に売却をし、レンタカー生活にすることにしました。
父のマイカー、法人カー共に売却をしたので、
差押の影響が及ぶことはありませんでした。

【在庫の差押】
・自宅や会社にある家具/車/時計/金塊/服といった「在庫」が対象となる
・裁判所から執行官/家具業者/警察が派遣される
・出廷した際のリストをもとに徴収をする
・出廷せずリスト不在の場合、現場判断で徴収
・回収効果が低く、実行されるケースは減少傾向に

自宅に押し入られ、家具などに差押シールをペタペタと貼られる..
そんな典型的な差押イメージを持たれるのがこの「在庫差押」です。
うちは自宅と会社でそれぞれ執行されました。

でも実際は「換金価値の高いものしか持ってゆかない」のが実態です。
家具は配送代もかかり、途中で壊れたら責任問題となります。
毛皮や貴金属も偽物ならば意味がなく、鑑定士を呼ぶコストもかかります。
結局は「現金」だけで終わるケースが多いとされ、
うちに来た時も「10分ほどで帰ってゆく」という呆気ない展開でした。
現金は別の場所に保管をしていたので、被害はゼロ。
まさに拍子抜けとっていいほどの展開でした。

会社の店舗にも執行官が来ましたが、
家具や設備などはスルーされ、レジ金も小銭だけしかないので、
それだけを持って帰りました(うちはクレカ精算が大半のため)。

【不動産の差押】
・最もメジャーな対象
・対象者名義の「土地/建物」が対象となる
・字の如く動かないので手続もゆっくり進む
・裁判所の管財人が土地/物件の実勢価格を算出
・その金額をもとに競売価格が決定(実勢価格8割ほど)
・競売で得た金は抵当順に配当される

差押に対する対処法は
「A.競売前に協力者に買ってもらう」
「B.競売で自ら競り落とす」
の2パターンが存在します。

Aの場合、適正価格で買える協力者が用意できたのなら、
その方に所有者となってもらい、賃貸で済むという方法が一般的です。
これをリースバックといい、専門の業者も存在します、。
Bの場合、競売の参加者よりも高値をつければまた所有することが可能となります。

父の田舎には名義人となっている戸建がありました。
年に1度ほどしか利用しない山奥のセカンドハウスだったこともあり、
査定価格は低いのはもちろん、競売参加者もいませんでした。
競売が流れた場合、価格を下げ、第二回、第三回と競売は行われます。
価格が下がってゆく中で、自ら買い戻す「自己競落」も選択肢として検討することが可能です。何度やっても競売が決まらない場合は「競売取消」となり、時効5年を迎えると、資産は当事者に戻されます。こういった流れは競売の案件のうち5〜10%ほどは起きるようで、その流れを期待しながら経過を見守ることにしました。

こうして7つの差押は全て「空振り」という結果に終わりました。
実質的な被害はゼロ。キャッシュも失うことなく、差押の儀式を通過することができました。

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