ストリップは、その性質上劇場写真などが出回ることはなく、謎に包まれている。そのため、初めての劇場へ行くのは少し勇気がいると思う。でも、初めて訪れた街で、あのどこか懐かしい看板やポスターで飾られた劇場を見つけると、少しほっとするのだ。
今回は、初めてシアター上野へ行った雑感と、好きな踊り子さんの海乃雪妃さんについてです。感想を書くまでかなり時間が空いてしまったので、演目の詳しい感想は書けていません。

桃源郷へと続く階段ー初めてのシアター上野

この劇場を一言で表すなら、えっちな劇場だと思う。これまで行ったどの劇場とも違う世界が、劇場へ続く階段の先に広がっていた。
詳しくは書きませんが、えっちな空間だったな…と劇場を出てからもしみじみしている。勿論ですが、この劇場も公演内容は他と同じです。でも、座席数は少なく、他の劇場と違って舞台が低く上から見下ろす形で観劇する劇場で、いつも以上に舞台と客席が近い。そんな劇場の雰囲気も相まって、いつも以上に現実から離れた世界に来たなと思いました。非日常を味わいにストリップを見に行っている。

劇場ロビーはあまり広くなく、日によると思うけど撮影タイムが混んでいたので(理由は行けばわかる)、座席で時間を潰せる本など暇つぶしアイテムが必須な劇場だと思います。洋式の女子トイレと女性割引があったのは助かりました！
他の劇場と比べると座席数が少ないので、早めに行って座りたい場所を確保しておくほうがいいですね…女性など小柄な方は見切れが発生しやすいので、見え方を想定しての席取り必須。
初心者向きではないですが、独特の空気に包まれたディープなストリップ劇場でした。また行きたい。

入場券を買った時、スタッフさんに「どなたを見に来られたんですか？」というようなことを聞かれて、おどおどしながら好きな踊り子さんの名前を口にしました。今日は、海乃雪妃さんを見るために来ました。

銀幕女優の香りー海乃雪妃

私が初めて雪妃さんを拝見したのは、大阪の晃生ショー劇場でした。関西を訪れた時、偶然劇場の新規開拓に向かった先で出演していたのが雪妃さんだった。

最初に香盤表でお名前を拝見した時、海乃美月ちゃんに似てる！と勝手に親近感が沸きました。どんな踊り子さんだろう？と出番を待っていると、懐かしい音楽が始まり、劇場は昭和の世界に飛んで行った。美しい着物の所作、上品な扇子さばき、優雅なダンス、場面によってころころと変わる表情。舞台で生き生きと踊り、スポットライトに照らされた雪妃さん。極道の妻たち、吉原炎上、疑惑…愛する昭和映画の香りを纏った雪妃さんに私は目が離せなくなりました。

私がこれまで見た雪妃さんの演目で忘れられないのは、夫を亡くした女(雪妃さん)が徐々に自分を解放してセクシーに大胆に変貌していく演目です。あの衝撃は忘れられない。車屋さんにお手紙をお願いする曲の演目も所作が美しくて好き。あと歌のお姉さんとか煙草の演目も。
ちょうどX(Twitter)で演目の紹介をされていました(引用した投稿のツリーでは他の演目も紹介されています)。

朗らかな笑顔から挑発的で妖艶な表情まで演目によって次々と違う顔を見せる雪妃さんは、さながら銀幕女優のよう。
そして、今回は新たな雪妃さんの姿を見ることができました。今回恐らく初めて洋楽で踊る演目を拝見しました！これまで多かった歌謡曲に合わせての振付とは異なるので、また雰囲気の違うダンスが見れて新鮮でした。そしてやはりダンスが上手い。動きの一つ一つが色っぽくてかっこいい。あっという間に演目が終わってしまう。つけていた手袋を外して目隠しする場面天才すぎません？あとこの時の曲が私の洋楽プレイリストにある曲だったので、好きな曲で踊る雪妃さんを見れて嬉しい。ストリップで好きな曲が使われてると嬉しくなる。衣装もがっつり洋楽に合わせたコーディネートが新鮮でかっこよかった。
他にこの日は、赤い衣装が印象的な演目(この時の客席へ向けた挑戦的な視線のかっこよさは今も覚えている)と、サーフボードを使った夏を先取りした爽やかな演目が見れました。多分4回目が保育園の演目だったと思うんですけど、時間の関係で泣く泣く帰ってしまったのでいつか見れたらいいな。改めて雪妃さんは、唯一無二の個性を持っていて、次はどんな世界に連れて行ってくれるんだろうとワクワクさせてくれる踊り子さんだと実感しました。また劇場へ行きます！！！

ここまでこんなに書いておきながら、実はまだ雪妃さんの写真撮影に並んだことがないんですよね…撮影タイムの上品な佇まいにチキン発動してまだ並ぶ勇気がないという…だってすごくかわいいじゃないですか…(踊り子さんは皆さん素敵ですが)でもせっかくここに写真のことを書いたので、次に見に行った時は勇気を出して写真撮ろ。あとできたらチップも。