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患者さん(カスタマー)の願望を叶える

こんにちは!歯科医師Hachiです!

今日は尊敬する先生の歯科医院を見学してきました。

そこで、僕にとって非常にためになるお話を聞いたのでご紹介します。

歯医者だけでなく、モノを売る仕事をされている方にもつながるお話かと思うので、よかったら読んでみてください。


僕らはつい歯の話(製品)をしがち

歯医者あるあるでもあるのですが、僕らはついつい噛み合わせがどうだとか、セラミックがどうだとか、歯の話を患者さんにこと細かく話しがちです。

今日見学させていただいた先生の言葉で強烈に印象に残ったのは、

「歯は所詮、道具」

です。

大事なのは、歯の治療を受けてその患者さんがどうなりたいか?を聞き出すこと。

その先生の患者さんにまつわる様々なエピソードを聞かせていただきました。

ある患者さんは、奥歯がないのでインプラントを入れてほしいという希望でこられたそうです。
その患者は、奥さまを最近亡くされたそうなんです。
そこで、先生はその患者さんにこう聞きました。
「奥様はあなたにどうなることを望まれてると思いますか?」
すると、その患者さんはこう答えたそうです。
「なんでも美味しく食事ができて、妻の分まで健康的に長生きすること。」
そのためには、単純にインプラントを入れるだけでは長持ちしないので、歯の矯正をして噛み合わせを良くする治療も必要でした。
患者さんは自分の願望を叶えるために70代という年齢ですが矯正もしてしっかりとしたインプラントを入れたとのことでした。
今や100年時代と言われる現代において、70代でも矯正される方は普通にいらっしゃいます。
この患者さんは非常に価値のある治療を受けられたと思います。

もう一つエピソードをご紹介します。
患者さんは小さい頃通っていて、その時からむし歯になりやすい子だったそうです。
途中から来院が途絶え、
その子が27歳になってから急に来院されたそうです。
その時にはお子さんがいて、お子さんはむし歯はなかったそうです。
ですが、久しぶりに来たその患者さんは27歳の若さにも関わらず歯が数本なくなって、それに伴い歯並びもガタガタになってました。
そこで先生は聞きました。
「お子さんはむし歯まったくないね。どうして?」
患者さんはこう答えました。
「子供には自分のようになってほしくなかったので、頑張りました」
それに対して先生はこう説明しました。
「子供を守るためにはまずお母さんの歯を守らないと、むし歯菌がうつって、結局子供も悪くなってしまうよ。お母さんも今のうちにしっかり治療した方がいい。お子さんのためにも。」
それで患者さんも決意しました。
ただ、治療費にかけられるお金は10万円。
先生は創意工夫しながらその10万円で、1番問題のある歯を部分的な矯正をして歯並びを改善させ、あとは保険治療で治療しました。
歯がないところは保険治療なので入れ歯が入ってますが、治療前とは見違えるほど歯が綺麗になってました。


いかがでしょうか?

もしこの2人の患者さんに、「あなたの噛み合わせは犬歯が当たってないから、医学的に噛み合わせが良くない。矯正をするべきだ。」なんて、専門的な正論を並べたところで、矯正をしようと思ったでしょうか?

絶対してないですよね。

こんな感じで僕ら歯科医師は、特に勉強して知識をつけた人ほど、専門的な正論を語りがちです。

僕も自分で反省する点はあります。

あなたが売っているモノはどのように売ってますか?

そのモノの性能や特徴ばかり説明してませんか?

歯もモノも所詮、道具に過ぎないのです。

大事なのは、それを使ってその人が何を成し得たいか?を聞き出し、それに向かって誠心誠意対応していくこと。

これを肝に銘じて、明日から仕事に臨んでいきたいと思いました。

みなさんにとっても参考になれば幸いです。

明日もよろしくお願いします!

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