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313. いま、心から「幸せ」だって思えること。それが答えなんだと思った日。

「今日なんの日か覚えてる?」

夫は一瞬困った顔をしたけど

「ママがパパのところに来た日だね」

子どもがそばにいたせいだろうか、
恥ずかしそうにそう言った。


「なにそれ!結婚記念日でしょ。」

思わず突っ込んでしまったけど。

覚えてくれたことが嬉しかった。


プレゼントなんていらないけど、
覚えていてほしかったから、

覚えてくれてたことが嬉しかった。

それをそのまま伝えたあと、

「結婚してから、今日でもう11年なんだね。
ほんとうにご苦労さんだったね、私も、あなたも。
よくがんばったって、思うよ

私はそう口にしていた。


だって、私達はどんなときも一緒にいたんだから。

嬉しいときも、つらいときも、
悲しいときも、楽しいときも、
ずっと一緒にいたのだから。

夫は気が利かない。
具体的に頼んだことしかやってくれない。

でも、いつも穏やかに、
喜怒哀楽が激しい私の
そばにいてくれたことに
感謝している。

私は忘れっぽいからか、
過去を思い出した時、
嬉しかったことばかり思い出す。

ただ、能天気な私でも、
子どもを授かるまでに治療していた時の
出口のないトンネルの中にいたような気持ちは
忘れられずにいる。

それくらい、私にとっては
なんともいえない辛い経験だったのだ。


でも、いま、目の前には
うるさいくらい元気な子どもたちがいて。


子育てだって大変だし、
子どもの成長のことや経済的なことなど、
心配は尽きない。

子育てをしながら、
「母でない自分の人生」も
育てていけるのか、
という不安もある。

でも、とにかく今、
心から「幸せ」だと思える自分がいることに
感謝の気持ちでいっぱいになった。



それで、

「諸問題はあるけど、
問題がまったくない人なんていないだろうし、
なによりも、今、
心から幸せだって思えるから
大丈夫だよね」

と、口にしていた。


夫は、いつもどおり私の話を
穏やかな表情で聴いていたけれど、
それだけでは物足らず、
私は確認した。

「ねぇ、今、幸せ?」
夫は深くうなずいた。

「どれくらい?」
フォルトゥーナくらい」

「ごめん、フォルトゥーナって何?」
「なんでわからないの。英語でいうと、フォーチュンだよ」

フォーチュンの意味はさすがに分かったので、
「わかったよ。すごく幸せってことね!
それだったらいい。これからもよろしくね」

そう言って、会話は終了した。

私の人生、本当にこれでよかったんだろうか

自分と違う人生を歩む人、
自分にはない輝きのある人を見て、

ふとそう思うこともあるけれど。



いま、心から幸せだと思えること。
それが答えなんだと思う。


だいじょうぶ。

いちばん欲しかったものはね、
ちゃんと手に入れられたんだよ。

他のほしいものはね、
これからだって、きっと育てていけるよ。


改めてそんな風に思った結婚記念日でした。


最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

読んで下さるあなたがいるから、今日もnoteが書けています。 またお時間のあるときに見に来てくださると嬉しいです。