First kiss❤

♫初めてのチュー😚♫
誰でも1度は経験するかも(?)しれないファーストキス❤。しかしながら、誠に残念な事にキスがトラウマになってしまった男の子が1人。
彼は彼なりにファーストキスを夢見ていた。ものすごく、実にもっのすごく彼のファーストキスへの理想は日に日に高まるばかりだった。この世に生まれ、初めてできた彼女。色んな作戦を練ったが、ことごとく神に見放された(神にしてみれぱ、勝手にやってろという感じだったのかもしれないが…)。自然体を装いながらも、彼の視線は彼女の可愛い唇に全集中だったに違いない。まだまだウブな彼の彼女との距離は、やっとの事でこの半年をかけて、別れ際に軽くハグする位までは進展した。彼にとって、初めて自転車に二人乗りした相手も、初めて手を繋いた相手も、初めてこんなに眠れなくなる程、誰かを好きになったのも「彼女」なのである。
会っていても、会えなくっても、もはや彼女の事ばかりが浮かんでくる。恋やら愛やらよくわからないが、「恋は盲目」なのである。
そして、とうとう待ちに待ったその日がやってきた。彼女を送り際、彼女から渡したい物があるから、両手を出して目を閉じてと言われ、素直な彼は本当にチョコでももらえるかもと思い、手を出し、しっかりと目を閉じた。目を閉じて5秒程たっただろうか。不意に唇に優しい感触の物が触れ、あっと言う間に過ぎ去っていった。慌てて目を開けると、目の前に真っ赤な顔をして俯く、彼女の姿。最近の女の子は強くてたくましい。欲しい物は欲しい、嫌な事は嫌だとちゃんと言える時代となり、彼からのアクションもアタック(←古い言い方?)も待つ必要も待ってる時間も無いのである。何もかも男性がリードしなければいけない時代は、過ぎ去りつつあるのかもしれない。
彼女を無事に送り届け、上機嫌で帰宅した彼は、湯船に浸かりながらご機嫌で歌い出す
♫キスの味も知らない〜♫
それを聞きつけた彼の母親が冷静かつ真剣な声で一言。
「ファーストキスなんて気にしないでいいよ。あんたのファーストキスの相手は間違いなくオカンやで。生まれてきてすぐに頂いといたわ。あまりにも可愛いすぎてさ」
なっ………………………………………何ですと!?
結婚式と葬式が重なったような衝撃を、高校生という若さで初めて経験した彼は、軽く3週間ほど、母親とは口を利かなかった事は言うまでもない。
一筆啓上!「息子よ。あなたのファーストキスは間違いなく彼女との物だよ。生まれてすぐの可愛い息子へのチューは、ほっぺへのキスで我慢?しました。末永くお幸せに〜」
そんな彼女と2ヶ月もせぬ間に別れてしまうとは…
人生何があるかわからない。その時々の瞬間を目一杯楽しもう!反省しない母より😚

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