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「音楽」との出会い Vol⑦

はじめまして!オサリバンです!
ライフワークとして、作詞・作曲・編曲・歌唱をしています。
いわゆる、「シンガーソングライター」です。
音楽にまつわる知識やノウハウを発信していきます。
よろしくお願いします!



「音楽って、こんなに苦痛なものだっけ?」

事務所からの要望が増えてきた。

「もっともっと新曲を送ってほしい。」
「テンポ感のある曲がもっと必要。」


段々と自分のペースが乱れ、曲作りが難航していった。
相方Sも「オレらの曲の売りって、どっちかっていうとミディアムテンポだよな。」と言っていた。


実際にペースダウンしてしまい、悩む日々が続いた。
「継続するって、簡単なことじゃないんだ。覚悟が足りなかった。」
相方にも「曲をつくってくれ!」と無理にお願いしたり、ラジオなどの仕事にも身が入らなかったり。全然プロじゃない。情けない。


ライブの動員も鳴かず飛ばずになり、この頃から相方との関係もギクシャクしてきた。相方は一つ年上ということもあり、「教員の道も考えてる」と胸の内を話してくれた。引き留めることはできなかった。


あまり覚えてないんだけど、ゲームに逃げていたと思う。確か、やけくそで買ったPS3で「アンチャーテッド」を1日中やっていた(笑)
もともとないお金をゲームに突っ込むとは・・・なにしとんねん。


音楽って、こんなに苦痛なものだっけ?だれか助けてくれ。



「夢から現実へ」

人生のターニングポイント。今までいくつかあったはず。
高校受験、大学受験、親の死、音楽の道・・・


「親の死」はきつかった。早すぎて。想像をはるかに超えていた。
こんなに後悔したことはなかった。でも時間がわたしの味方をしてくれた。


音楽の道。描いた夢に近づくことはできた。でも自分から遠ざかった。
「甘さ」
これがすべて。考えも行動も甘かった。勢いだけでどうこうなる夢ではなかった。仲間を大切にしていなかった。感謝が足りなかった。


迷走していたわたしに、お世話になったラジオ局のKさんが声をかけてくれた。ご飯に連れて行ってもらった。そして後日、ある方の自宅に案内してくれた。なんと、エヴァンゲリオンの曲作りにたずわった「大森俊之さん」の自宅だった。作曲された「魂のルフラン」は名曲だ。

魂のルフラン

これまたすごすぎるスタジオがあった。天と地の差とはこのことだ。
興奮しながら会話をしている内に、自分が相談する形になっていた。
音楽のこと、人生のこと。すると大森さんは、こう話してくれた。


「音楽はね、商売にしなくてもずっと続けていけるから。あまりそこにこだわらくてもいいんじゃないかな。」


わたしの中で、つきものが落ちた。そうか、それだ。それで音楽が苦痛になっていたのか。言い訳するつもりはない。実力不足だったことは事実。要は、音楽の次のステージに向かう時が来たのだ。


ごめん「音楽」。全然楽しめてなかった。「音が苦」になってたよ。


後日、メールで大森さんに感謝の思いを伝えた。大森さんは「応援しています。」と丁寧に返信してくださった。時間も割いてくださった。このわたしごときに。なんてすばらしい方なんだろう。音楽というフィールドじゃなくても、関わらせていただきたいと心から思った。ラジオ局のKさん、気にかけていただき、本当にありがとうございました。



そこから徐々に事務所とのやり取りも減った。そして見切りをつけられた。当然だ。「CDデビューをする」という夢はある意味叶った。が、しかしだ。27歳。まだ先は見えていなかった。

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