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祖父_日記より抜粋

七夕に逝った祖父へ。

あの日はこの時期にしては稀有な晴天でした。

毎年想うのですが、父の言葉

「オヤジは善人やったから、誰もが忘れん七夕に逝ったのぅ・・」

それだけは確実で、わたしは、祖母や他の愛する方の命日を忘れても

七夕だけは、あなたを思いあなたに感謝し、静かに短冊に願い事を書き下げる時を

過ごします。

今夜も雨。

仏の里に産まれ、同じく近くに生まれ育った祖母と結婚し、

福岡の喧騒の中に逝ったあなた。

幼い頃は、あなたと野山を巡り、路端にちょこんと鎮座した石仏や

石段の上、目を瞠るばかりの荘厳なる磨崖仏に手を合わせ

わたしの夏と冬は、あなたの住む里に有り。。

何故、あなたのような温厚な人から、あの息子が(わたしの父が)産まれたのでしょうねw

あぁ・・祖母の血でしたっけ?w

それでも、父の凄い点、よき点を、年々見出しております。

父は血気盛んでやんちゃで我侭で・・それでも、頑張りぬきました。今も

口角泡飛ばしつつ、涙と涎半々で・・眼光鋭く、(おそらく)耐え忍んでおりましょう。

命日までにと、完成を急いだのですが、間に合いそうにありませんので、

中途ですが、かの地の仏を描きましたので。。

おじいちゃん、「よう頑張ったのぅ」、とあなたに言って頂けるよう、

まだもう少し、頑張りますから。



石仏

雨に濡れた仏は寒かろう。

濡れようと、打たれようと、仏は笑っておいでか。

苔むした かの仏たちは、もっと深く顔も苔で覆われていましょうか。

あなたが居たから、わたしは曲がらず生きております。

感謝・・・

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