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詩未満

何故、取り乱さないのか、お前は

裸体を露わにし、俺の射抜く視線と 眩しい光を全身に受け
なおも お前はお前のままだ

娼婦よ 如何様にも為されるがままに お前は身体を開き
口元には微笑すら浮かべ
まるで神々しいニンフのようではないか

何故、羞恥の頬を染めない

どの手も口も目も お前を汚すことは出来ないというのか


取り乱せ
その平穏な仮面を引っ剥がせ

お前の平常心など視たくない
お前の肉体で 培われたその強靭な意志で
心を隠す術など葬りたい

イタイ
カナシイ
やめて
いや・・

何故、声をあげないのか
お前の悲鳴を 俺は聞きたいというのに

お前の求めるモノを 言葉に
いや、苦悶若しくは狂気の表情を
圧倒的な絶望の瞳を俺に見せてくれたなら


俺は、お前の足先に接吻しよう

嗚呼、情けないかな 俺はお前のその髪の
創られた枯れない花のようだ

俺に一滴の涙をくれ


俺が生身の心を持つヒトに戻れるよう
永遠にお前の髪を彩る生花になれるよう


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