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メキシコ産オパール

わたしは、そもそも宝石に興味が無い。

唯一、冠婚葬祭用に真珠を持っている程度だ。

本日、母の口から唐突に出た言葉が

「オパール!!わたしのオパールは!?」であった。

父が事の詳細をのたまう。

「日本じゃオーストラリア産が人気あるが、メキシコ産のオパールは赤い。価値在るオパールはメキシコオパールだ。俺がこれに買って来てやったものだ。家にあるか?」

・・・シラナイ。 オパールを検索すれば、確かにメキシコ産は赤い。

価値の有無や価格は兎も角・・わたしの好きな色ではあった。

・・・母はメキシコ産オパールを持っていたのか。

何が刺激となり、唐突に「オパール」なる単語が

出てきたのか?

母の宝石箱を探さねばならない。

以前から、きらきらしたものや美しい色を喜ぶ母の為に、赤やワインカラーを着て、

胸元には、宝石ならぬお手軽な安価のネックレスをつけてホームに通っていた。

その度に、わたしのネックレスを触り、欲しい・・と言った母が居る。居た。

最近とんと興味示さず、無言の母であったが・・

オパール!? 余程、好きな宝石だったのであろう。

わたしの名を忘れても、宝石の名をきっちり覚えているとは!w

それでも、ちりりと喜びが湧き出た。

父は食べ物摂取したおかげで、日毎に口数増える。

まだ痩せてはいるが、少なくとも、口の減らない手のかかる可愛げのない入所者に

戻りつつある。

本日は日曜日にて、介護師さんの数が少ない。

早朝リクエストされたクロワッサンとミルクとパイナップルをたらふく食べさせた。

「次は肉が食べたい。明日は肉だ。此処じゃ肉が出らん。肉食べんと力が湧かん。」

・・・・お父さん、我が家の家計が~~っ!

ってか、わたしの家、野菜中心のつましい暮らしなのですが?

わたし、肉無理ですし。

母が鶏を絞め殺して食卓にあげた、あの幼児期の震撼した事件以降、一切、食べられなくなりました。

ご存知でしょうに。

オパール売って、ついでに大量にあるらしい宝石貴金属類売って・・

食材に変えようかしらん。

メキシコ産のオパールを母に見せたなら・・歓声あげるかしら。

唯一の娘が居るというのに、(欲しくはないけども!w)、宝石の一つや二つ、お土産に

買って帰っても良かったではないか、お父さん。

・・・いずれ形見として頂きましょう♪

父、顔色良し。母、喋った。

良き一日。

*過去日記より抜粋

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