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白と黒

三羽烏さまの企画に参加します。

勢いを増した雨が、帰路の道を、視界をぼかし
全てが、薄墨色の中、
突然、ぼんやりと浮かんだ道標たる外灯の神々しさ、
これは、まるで、
ロダンバックの書いた「一輪の白薔薇」ではないか。

おそらく私の精神がうらぶれている時、
突然現れた輪郭のぼやけた白は
奇奇怪怪と映るだろう。
色や音から、私を知り得るなんて、心理学以上に正確だし贅沢で愉しい。

白が聖を表す色であり、黒は邪を表すのは、光と闇、天使と悪魔の連想か。
全てを跳ね返す白の強さ、何者にも染まらない白の強さ。

詩人が白い紙に一文字を綴る時に
聖域を侵すような戸惑いを感じると、何かの本で読んだ記憶がある。

白き処女地、処女航海、
白は無垢の代名詞であり、
男達にとっては、神聖かつ純潔、汚してはならないという畏れを抱かせるのだろうか。

純白な処女性、これ程、男目線で偏愛される色、価値観を私は知らない。
しかし、肉体が幾度穢されようと魂の処女性を持つ娼婦が居るように、
良家の子女であろうと、裡に生まれつきの娼婦性を持つ女は居る。
穢れないものが美しいのか?
黒が色の最後を表すならば、ヒトの最初が白だと譲って・・・
永遠の白たる女は頑なで
高慢で冷徹、或いは、幼さの具現だと感じる。

穢れないという事は、知らないに等しい。

全てを飲み込む黒の許容ーー!


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