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ひとり情シスがやりたいことを実現するために活動したお話

こちらの記事は、【初心者優先枠】corp-engr 情シスSlack(コーポレートエンジニア x 情シス)#2 Advent Calendar 2023の12月4日担当分になります。

今年の9月頃から自分のやりたいこと(キャリアプラン)と現職ですれ違いが起きていたので、それを解消するために活動をした記録を投稿します。


自分のやりたいことが見えてきた

現職に入社して2年ほどが経過をしました。
現職はベンチャー企業で、私が一人目のひとり情シスです。
無法地帯、ルールも業務フローも何にもない!ところから、がむしゃらにISMSの取得、ガイドライン、勉強会、業務フローの策定、マニュアルの作成、Salesforceを含めたSaaSサービスの管理…などなどをしてきました。

そんな、社会人経験〇年(年齢がバレるので伏せます←)の中で一番濃い2年を過ごして自分のやりたいことが見つかってきました。

①経営目線を持った情シスになる!
会社の方針や業務、一般的な会社経営の知識を踏まえつつ、予算・費用対効果、誰が楽になるのか?などの目線を持ってシステムの導入や改善をしていけるような情シスになりたい
②Salesforce製品に関わっていきたい!
社内での活用度アップはもちろんのこと、コミュニティ等の活動を通じて横のつながりを大切に自分の視野を広めていきたい(それを自社に還元したい)

やりたいことを実現するために足りないこと

やりたいことが見えてきたものの、それを実現するためには足りないことがあるな…と感じました。

①一般的な会社経営の知識や現場の経験がない、知らない
自分は社会人になってからずっと情報システムの仕事しかしてきませんでした。
そのため、一般的な会社経営や法律などの知識、総務や営業、他の現場の経験がないため、本当に困っていることを把握しきれていない、本当の意味で共感をすることが出来ていない、と感じました。

②現職の組織体制では業務改革は難しい
私が入社する前は、社内製品の開発部門の社員の方が片手間に情シスの業務をしていたそうです。
そのため、組織図としては、私は社内製品の開発部門の下にいます。
よくよく考えると、私は社内製品の開発をしていないので、違和感を感じ始めました。
そして、最近になってこの組織体制での弊害が出てきたのです。

弊害としては‥

①下流の情報しか流れてこない
社内製品の開発部門の下に位置していることによって、「決定事項」の情報しか流れてこなくなってしまいました。
ISMSも取得しているので、新しいサービスの導入などは情シスが絡むべきだと思うのですが、知らないうちに導入されていたり…。
あとは上司が勝手にやっていて知らされていなかったりなどなど…。
②意見を受け止めてもらえない
①のように「決定事項」の情報が流れてくるので、事実確認をしたり、自分の意見を上司に伝えたりしたのですが、受け止めてもらえず、「君は運用だけしていればいい」と言われてしまいました。
それなら、私じゃなくても良いはずです。
③上司が開発畑の人
社内製品の開発部門の下に位置していることによって、上司も開発畑の人です。
なので、私が今まで活動してきた情シスの考え方(管理や運用など)と価値観がずれることがある…と感じていました。
開発と情シスの二つを面倒見ているのもあって、常に忙しそうでちょっとした相談も出来ないような雰囲気。

足りないことを踏まえて行った活動

足りないことをまとめると、①自分の知識や経験不足②会社が組織として情報システムを上手く扱えていないということになります。
これらはすぐに解決する話ではありませんが、自分のやりたいことを実現するために以下のような活動を行いました。

①9月頃:現職の監査役に相談
まずは、自分の意見に正当性があるかどうか、客観的に見てもらうために現職の監査役に相談をしてみました。
なぜ監査役かというと、監査役は執行権限がないので、会社に染まりきっていないからです。
なので、自分の足りない部分だけでなく組織体制についても客観的な意見を頂けると思ったからです。
あとは普段からすごく優しくしてくださっていて、「何かあったら相談してね」とお会いするたびにお声掛け頂いていたのもあります。

相談してみたところ、概ね私の意見と監査役の意見は一致していて、今回のことを改善しないと現職のシステムはよくならないと結論が出ました。

そこで、監査役から「ASUKAさんの所属と、今散らばっている情報システムの業務を総務部門に全て吸収してはどうか」と提案を頂きました。

総務部門であれば、現職の上流から関われるし、総務の仕事に携わることで一般的な会社経営や法律の知識、そして現職のことをしっかり知ることが出来るのではないかと思いました。

その提案を受け、監査役の方から総務部門の執行役員と人事リーダーに掛け合ってくれることとなり、10月頃にそのお二人からヒアリングの場を設けて頂けることになりました。

②9月頃:ヒアリングに向けて業務規程や雇用契約書を見直す
監査役に何度か相談させて頂く中で、「業務規程」や「雇用契約書」を見直した方がいいと言われました。
理由としては、現状、書類上で自分の業務は何を指定されているのか確認することで自分の意見の裏付けに繋がるからです。
逆にいえば、書類に書かれていない業務はしなくていいということです。
確認したところ、「情報システムの企画、運営、管理~」等が書かれておりました。
自分がやりたい「企画」の部分が記載はあるのに現状、業務として出来ていないのです。
これらをエビデンスとして、ヒアリング時に伝えたいことを書面にまとめて監査役と内容を詰めていきました。

③10月頃:総務部門の執行役員と人事リーダーからヒアリング
①で監査役が掛け合ってくださり、10月頃に総務部門の執行役員と人事リーダーからヒアリングの場を設けて頂きました。
②で詰めた内容を元に自分の意見、気持ちを正直に伝えました。
執行役員と人事リーダーどちらとも監査役のときと同様に概ね同調してくださり、会社として前向きに検討して頂けることになりました。

④10月~11月前半:転職活動をしてみる
監査役や執行役員、人事リーダーが概ね自分の意見に同調してくださったものの、組織体制を変えるお願いをしているわけです。
他の執行役員もいるし、なかなか返事がもらえるわけではありません。
なので、自分のやりたいこと、スキルの棚卸、新しい選択肢を増やすという意味で転職活動を行いました。

ビズリーチに登録し、いろんな転職エージェントの方とお話したり、企業さんとカジュアル面談をさせて頂きました。
(数としては20社くらいです。相談して頂いた企業さんにこの場で改めてお礼申し上げます。)

履歴書や職務経歴書を書いたり、転職エージェントさん、企業さんとお話していく中で、現在の市場の状況や企業さん内での情シスの内情、考え方などたくさんの発見がありました。
「キャリアプラン」「自分の長所・短所」「仕事で得意な人、苦手な人」など、相手方によって質問が一緒だったり、初めてされる質問だったりとたくさんありました。
それに考えて答えるたびに「私ってこういうことを思ってたんだ、考えてたんだ」と腹落ちしていく自分がいました。

今回は本格的に転職活動をしましたが、そうはいかないまでも、定期的なスキルの棚卸しや言語化は大切だなと改めて感じました。

⑤11月後半:会社から返答を頂く
11月後半、③でヒアリングした件について総務部門の執行役員と人事リーダーから返答を頂きました。
返答としては、「会社としてシステムの改革を図るため、情報システムの業務を総務に吸収する」ということでした。
少なくとも、総務部門の執行役員と人事リーダーは、会社としてシステムを改革したいと思っており、それを私一緒に行っていきたいと思って下さっているということでした。
そのため、開発部門に所属している私を総務部門に異動させ、総務部門で情報システムの業務を担っていくという提案を頂きました。
今まで、自分がボトムアップで行ってきたことを会社として動いていく体制を作っていこう、という自分が思っている以上の前向きな提案を頂き、これを承諾しました。

現在の活動とまとめ

現在は、席替えや総務業務の引継ぎ等を行い始めています。
今は新しい環境と総務業務に慣れることで手一杯ではありますが、自分がやりたいことを実現するために足りない知識や現場経験を少しずつ積み上げて、改善、改革活動に生かしていきたいと思います。

少し前の自分だったら、たぶん誰にも相談せずに静かに転職していたかもしれません。
今までの会社は相談出来る様な相手もいなかったというのもありますが…。

転職活動をした身であれですが、現職でやりたいことを実現出来るなら、そちらの方が良いと思っています。
現職では、普段から優しくお声掛けくださった監査役、総務部門の役職者の方々が意見を受け止めて下さったからこそ今があり、諦めずに相談してみてよかったと思っています。
相談も出来ないような会社でしたら…ですが、少しでも話を受け止めて下さるような方や部門があるようでしたら勇気を出して相談してみてはいかがでしょうか。
私のように現状にやきもきしている方の参考やお力になれば幸いです。

明日のenpipiさんの記事はこちら↓↓です!


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