見出し画像

【タスキ】経営統合で検討されていた4つのM&Aスキームを解説!

こんにちは!タスキIR担当の高柴です。
本日もご覧いただきありがとうございます✨

本記事は、11月16日に開示させていただいた「新日本建物との経営統合」に関連して、検討していた4つのM&Aスキームとそのメリット・デメリットについて、自学の意味も込めて書きました。

なぜタスキと新日本建物の両社がこのスキームを選択したのか?どんな思いで?これからどうなる?については、経営統合後に改めてお伝えさせていただく予定ですので、楽しみにしていてください!

経営統合自体は、12/21開催のタスキ定時株主総会と、1/25開催の新日本建物臨時株主総会の決議により確定となりますので、一般的な内容でしか記載ができないことをご了承ください。


1.株式移転

1.株式移転
・A社とB社が共同で新設持株会社を設立
・新設持株会社がA社株主よりA社株式、B社株主よりB社株式を取得し、その対価として新設持株会社の株式を両株主に交付
・A社およびB社において、株主総会の特別決議が必要

2.株式移転後
・A社とB社の法人格は引き続き存続
・A社およびB社は新設持株会社の完全子会社となる
・新設持株会社が新規に上場

【メリット】
・持株会社の下に兄弟会社として並ぶことから、当事者間で「対等の精神」を表現しやすい
・当時会社は別法人のままであることから、雇用条件の格差といった人事面での検討期間が確保できる
・持株会社とその下の事業会社での機能を分けやすい
・本社機能の一部を持株会社に移すことやグループ会社間での機能の集約等により一定のコスト削減効果が期待できる

【デメリット】
・新設会社を上場させるためのテクニカル上場の手続きが必要になる
・新設される完全親会社について、定款をはじめとして会社の機能や役割、人事を事前に明確にする必要がある
・当事会社の法人格が残るため、コスト削減等の効果は限定的となる可能性
・持株会社として株主に対する配当を行うため、配当原資を確保する必要がある

今回の経営統合では、この「株式移転」を選択しています。

2.株式交換


1.株式交換
・A社とB社が株式交換(A社が完全親会社、B社が完全子会社の場合)
・A社がB社株主に対し、A社株式を割り当てる
・A社およびB社において株主総会の特別決議が必要

2.株式交換後
・A社とB社の法人格は引き続き存続
・B社はA社の完全子会社となる
・A社の上場は維持、B社は上場廃止となる

【メリット】
・完全子会社後に、旧完全親会社の会社分割による持株会社化を行うことで株式移転と同等の効果が得られるオプションを有する
・完全子会社化後に、一層のシナジー具現化を図るために、会社分割等を通じて重複する事業の集約を行うオプションを有する
・事前の手続きおよび検討事項が吸収合併や株式移転より少ない

【デメリット】
・当事会社の法人格が残るため、コスト削減等の効果は限定的となる可能性
・経営統合より買収とみなされる可能性もある



3.吸収合併


1.吸収合併
・A社とB社が合併
・A社が存続会社となる場合、A社はB社株主に対し、A社株式を割り当てる
・A社およびB社において株主総会の特別決議が必要
・新設合併も検討可能だが、新規の許認可取得や上場手続きを鑑みると現実性は低い
・A社またはB社のいずれを存続会社とするかについては、米国証券法対応等も踏まえて検討

2.吸収合併後
・消滅会社の法人格は消滅し、存続会社に集約


【メリット】
・法人格や制度等の一体化により、競合効果を最大化できる

【デメリット】
・事前に、異なる企業文化、オペレーション等の統合のため準備等に多大な作業が発生する
・雇用条件を統一とするとコストアップとなる場合もある
・形式上はいずれかが必ず「消滅会社」となるため「対等の精神」が得られないと考える者もいる
・株式移転等の法人格が維持される場合と比較すると、経営陣のポストが減少する


4.公開買付け(TOB)


1.TOB
・A社がB社に対してTOBを実施(A社が買付者、B社が対象者の場合)
・B社株主はTOBに応募し、B社株式の対価として現金を受け取る

2-1.スクイーズ・アウト(株式等売渡請求)
・TOBによってB社の議決権を90%以上確保した場合、株式等売渡請求によるスクイーズ・アウトが可能
①A社からB社に対して売渡請求を通知
②B社による承認(取締役会決議)
③売渡請求の通知または公告
④A社による少数株主所有株式の買取
・上記①~④のスクイーズ・アウト手続きを経て、B社はA社の完全子会社となる(上場廃止となる)

2-2.スクイーズ・アウト(株式併合)
・TOBによってB社の議決権を90%に満たないものの2/3以上確保した場合、株式併合によるスクイーズ・アウトが可能
①B社の株主総会特別決議にて株式併合について承認決議
②A社以外の所有株式が1株未満(端数)となる条件での株式併合を実施
③B社(またはA社)による少数株主所有の端数の買取
・上記①~④のスクイーズ・アウト手続きを経て、B社はA社の完全子会社となる(上場廃止となる)

【メリット】
・当事会社は別法人のままであることから、雇用条件の格差といった人事面での検討期間が確保できる
・完全子会社後に、旧完全親会社の会社分割による持株会社化を行うことで株式移転と同等の効果が得られるオプションを有する
・完全子会社化後に、一層のシナジー具現化を図るために、会社分割等を通じて重複する事業の集約を行うオプションを有する
・米国証券法対応(Form F-4の提出)が不要

【デメリット】
・当事会社の法人格が残るため、コスト削減等の効果は限定的となる可能性
・「買収」とみなされる可能性もある
・現金対価となるため、キャッシュアウトが生じる(要求されるプレミアムも他のストラクチャーより高い)
・TOBで米国居住株主から応募を受け付ける場合、TOBに係る対応が必要になる


以上、4つのM&Aスキームのご紹介でした。

まだまだ知らないことばかり、これからもしっかり勉強していきたいと思います・・!

最後までお読みいただきありがとうございます✨
今後ともタスキを応援していただけますと幸いです。



◆IRに関してのお問い合わせ
 ir@tasukicorp.co.jp
までご連絡をお願いいたします。
◆IR担当者 Twitter
 @tasuki_ir
IR情報・PR情報を発信しています。
ぜひフォローしてください!



(ご留意事項)
本記事は、情報提供のみを目的として作成しており、有価証券の販売の勧誘や購入の勧誘を目的としたものではございません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?