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老朽原発うごかすな!6・23美浜現地闘争に決起!

#わいわい通信  7月号に載せた原稿です。
 6月23日、美浜原発3号機がいよいよ再稼働される。この日は老朽原発うごかすな!実行委員会が急遽、企画した美浜現地闘争に参加した。新大阪駅に朝7時45分集合、JR西日本バスに乗って出発だ!まず車中では、現地のトイレ事情が悪いことが伝えられ、その後で車内は自己紹介タイムとなった。「原発いらない福島の女たち」の黒田節子さんも大阪から同行されており、10年経っても福島は何も変わっていないと訴えられた。様々な立ち位置の方、平日なので会社を休んで(年休を取って)参加したという方もいた。大学生ぐらいの若者も3名参加している。おりしも6月23日は沖縄の「慰霊の日」であり、19日から23日まで、遺骨混じりの土を辺野古埋め立てに使うな!設計変更を不承認せよ!と具志堅隆松さんが2度目のハンストに決起している。また「オリンピックデー」(クーベルタン男爵がIOCを創設した)に対抗し、「NO!OLYMPIC」を掲げて反五輪デモが、東京をはじめ全国(さらには世界でも)行われる日である。原発再稼働、辺野古新基地建設、そして東京オリンピックも、多くの人が反対を訴えているにも関わらず強行されている…根は一つであろう!軽々しく「連帯」とは言えるものではないが、やはり一緒に闘っていかねばならない…そんなことを訴える人もいた。道の駅でトイレ休憩中に「美浜3号機が再稼働される」というニュースが飛び込んでくる。普通、原発の再稼働は午後から夕方にかけて行われるものらしいのだが、今回はあえて午前中に再稼働を強行した!バス内では怒りが充満する。
 びわ湖西岸から山を越えて国道27号に入り、美浜町に向かう。11時半前に最初の会場、美浜町保健福祉センター「はあとぴあ」に到着。京都や滋賀県からもバスが来ていた。自家用車に同乗して参加された方も多いようだ。ここで隊列を整え、デモに出発!目指すは関西電力原子力事業本部である。「はあとぴあ」は美浜町役場や消防署に隣接し、どれも立派な建物である。役場が立派なのは別に悪いことではないのだが、これも原発の見返りで整備されたものなのだろう。デモコールの中には「電気代で地元を買収するな!」というのがあって、これは一連の関電汚職に関するものなのだが、原発マネーを使った古典的な地元への利益誘導も忘れてはならない。「はあとぴあ」もトイレに入るのにわざわざ靴を脱がないといけない立派な施設だということだ。
 ほどなく関電の原子力事業本部前に到着、ここでコールを上げてミニ集会、そして中に数名、申し入れ行動、老朽原発の再稼働を強行したことを弾劾した。帰りは街中を少し通るコースでデモ、役場の電光掲示版に「カーボンニュートラルのためにできること」というのがあげられていて、その中に「原子力発電を活用する」というのが出てきたのでげんなりする。
 バスに乗って「はあとぴあ」駐車場を出発し、美浜原発の近くまで行く。国道から外れて半島の西側に行くと、ほどなく水晶浜が見えてくる。それなりに有名な海水浴場で、私も名古屋にいる時分、友人と海水浴に来たことがある。美浜原発がどばぁ~んと目の前に見えるのだ!円筒形の原子炉建屋が3基あり、屋根が水平なものが1、2号機(廃炉が決定している)、ドーム状のものが3号機である。水晶浜を過ぎると、テロでも警戒しているのか、海上保安庁の大型巡視船が沖合に泊っており、大変ものものしい警備である。海水浴場のある浜から山を越えて、美浜原子力PRセンターの横を通り、シーパーク丹生に到着、ここは「釣り堀公園」として整備されているようだ。これより先に丹生の集落があるのだが、原発事故が起これば、原発の前を通って避難することになる。
 シーパーク丹生にて、美浜原発の方に陣取り、ビールケースを演台にしてふたたび集会を始める。原発に向けて怒りのコールを叩きつける。主催者あいさつの後、リレートークで続ける。敦賀の元原発技術者は、美浜原発から竜巻対策の鉄塔が強度不足であったという内部告発があったことが報告された。「原発いらない福島の女たち」黒田節子さんも登壇し、10年経っても何も変わっていない、原発再稼働はあり得ないと訴えた。四国、高松から車に乗って来た名出さんは、四国電力も伊方原発の長期稼働を計画しており、老朽原発の再稼働は四国電力も喜ぶことだと訴え、また伊方原発動かすな‼8・28現地集会への結集を呼び掛けた。釜ヶ崎日雇労働組合の三浦さんは、労働者の立場から原発を批判し、定期点検の人員と時間が削減されている、もうヤメロと訴えられた。奈良からの参加者の発言の後、ショートコールを叩きつける。ノーニュークスアジアフォーラムの佐藤さんから、どこの国でも課題になっている老朽原発の再稼働を認めるということは、私達が「加害者」になるということだと述べられた。兵庫の播磨アクションや、京都ユニオンから運動の拡がりが報告され、金沢大学の学生からも発言があった。 京都で脱原発訴え、新電力との契約を進める運動をしている方から、関電との契約数が300万件減っていることが報告され、関電に経営能力はない、解体しなければならないと訴えられた。東京から一人、バスで来られたという方は、再稼働に心から怒り、抗議の声をあげたいと述べられた。
 再びコールを行った後、木原壯林さんが、この原発がトラブルを起こすと”予言”したら、7割ぐらいは当たる、原発は必ずトラブルを起こす、これが出発点、権力に負けない、資本にも負けないと訴えられた。集会参加者は350名であると発表があり、2度目のデモに出発する。
 シーパーク丹生には、太陽光発電装置も申し訳程度に建っている、これを横目に見ながら道に出るが、いきなり保育園が併設されている「エネルギー環境教育体験館」なる施設がある。少し行くと原子力PRセンター、コロナの影響か閉館されているようだが、ものものしい警備体制で入り口が封鎖されている。コールをしながら山をよっこらせと越えて、海水浴場がある竹並の集落に出る。海水浴客向けの民宿などが見えてきたらデモも終盤だ。公民館を過ぎて、原子力防災センターという、これまた公民館のような建物の前で流れ解散となった。ここの駐車場でバスに乗り込み、敦賀を通って帰路に就くことに、長時間のバス旅と2回のデモ疲れたが、集会とデモ自体は大変良かったと思う。
 老朽原発について、トラブルで止まっている大飯原発3号機も7月3日に再稼働するということで、急遽現地行動が持たれることになった。まったく関西電力は、老朽化を口実に火力発電所を止め、老朽原発を動かしている、本当に許せない!もっと世論を喚起し、老朽原発の再稼働を阻止し、全ての原発を廃炉にしよう!

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