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LIVE備忘録 vol.4 【S.O.S】

『EMPiRE'S SUPER ULTRA SPECTACULAR SHOW』 at 幕張メッセイベントホール

EMPiRE

それは株式会社WACK所属のアイドル。
それはただのアイドルではなく、メンバー自ら作詞、振り付けをしてしまう自己プロデュース的アイドル。
それはただの自己プロデュース的アイドルではなく、WACKのなかでも明確なコンセプトをもち、ダンスミュージック、EDM系の路線を確立した自己プロデュース的クソかっけぇアイドル。
それは、ただの自己プロデュース的クソかっけぇアイドルではなく、ライブを踊りまくりながら生歌で歌いまくる自己プロデュース的クソかっけぇとんでもバケモンアイドル。

カツヲがBiSHに軽くハマっていた時に知り、初めてガッツリハマったアイドルだった。
彼女たちを知ってから1.5年ほど経っていたカツヲが初めて行ったEMPiREのライブが 、『EMPiRE'S SUPER ULTRA SPECTACULAR SHOW』だった。

翌週に控えた『カネコアヤノ日本武道館ワンマンショー2021』のために‘カネコアヤノ’の曲ばかり聴いていたカツヲは、EMPiREの楽曲についてはかなり予習不足で不安が大きかった。


とは言っても、『SUPER COOL EP』以前の曲についてはある程度聴いていたため問題ないが、2021年11月リリースの『BRiGHT FUTURE』についてはほぼ聴けていない、という状態だった。

さらに、今回の会場の「幕張メッセ」はEMPiREの結成が発表され顔出しする前に、初期メンバーの‘YU-Ki EMPiRE’、‘MAYU EMPiRE’、‘MiDORiKO EMPiRE’が観に行った“BiSH”のライブの会場で、彼女たちにとって目標の1つだった場所だった。
すなわち、彼女たち自身にとっても、エージェント(EMPiREのファンの総称)にとってもかなり思入れのある‘メモリアル的な回’になるこのライブは、ロクデナシのカツヲが軽い気持ちで行ってはいけないライブだった。


そして2021年11月23日。
大学入学と共に他県に引っ越した親友のMの車で幕張メッセへと降り立ったカツヲはビクビク。
この親友Mは、カツヲがEMPiREにハマった時に布教して同様に沼にハマった男であり、‘乃木坂46’や‘KーPOPアイドル全般’が好きだったこともあり、ある程度の‘慣れ’は有るようだった。しかし半年ほど前に‘UVERworld’にドハマりしたMも、最近のEMPiREについては追えていなかったため、2人揃ってビクビクしていた。

「黒ベースの服装にせめてもの抵抗としてEMPiREロゴ入りボディーバックを身につけて来たアイドルのライブ初参戦のカツヲ」
と、
「アイドルのライブには慣れているが白ベースの服装で来てしまったためにライブグッズの黒Tシャツを纏った周りのエージェントの中で完全に浮いているM」
の2人で怯える様は、まるで“虎に睨まれたシマウマ”だった。そんなMは物販で購入したタオルで武装することで、なんとかその服装を誤魔化していた。
そして、別々に応募したために別々の座席であるシマウマは、黒い部分と白い部分に分離してそれぞれの座席に着いた。

自分の座席は‘スタンド2階 F10列 76番’。
会場の中心にステージが設けられているため座席はそこまで問題ではないが、最後尾で周りに人が少ないこの座席は緊張満点のカツヲにはかなりの良席だった。
徐々に増えてくるEMPiREのグッズを纏ったファンに怯え、近くで行われるアクリルキーホルダーの交換会に少し感動し、ただならぬアウェー感に思わず“S.O.S”を出してしまいそうになっていると、時刻はあっという間に開演時間の17:00。


ステージに現れた6人は真っ白な衣装も相まって天使のようで、、、。そんな天使のような彼女たちが歌った1曲目は“EMPiRE originals”。
MAYUの伸びやかな歌声にブワッッと鳥肌が立つ。

さんざん弱気な御託を並べてきましたが、ごめんなさい。

クソかっけぇぇぇぇぇ!!!!!!
ホントに生歌だし、踊りまくってるし!!!!!
なによりも全員クソ美人だし!!!!!

微妙に顔を判別し辛いこの席に、「なにが良席だよ!!」と過去の自分にすこしムカつきながら、ステージ上の6人とその上のモニターを見比べる。
みんな目がデカい。。。

なお、1番の心配事であった「振り付けが全く分からない」という問題は、隣にいた「彼女に連れられてきたファン歴浅めっぽい彼氏」のおかげで和らげられていて、カツヲはこの名前も何も知らぬイケメンを、勝手に‘運命共同体’として生き抜くことに決めた。

4曲目は“S.O.S”。
大学1年生のオンライン授業でメンタルがぶっ壊れそうだった時に何度も聴いていた。どうにか頑張ろうと思っても、やるせない気持ちのまま課題を溜めてしまって苦しくなった時に何度も聴いていた。

何回かやり直して 僕は何してんのかな・・・
誘惑に誘われて 目指すはあのダンジョン every day
“でも” “だって”は聞こえない 本当何してんのかな・・・
SOS 止まらない どうしようもない
ちゃんとしたい
君とあれがしたい

S.O.S

ある程度振り付けがわかる“S.O.S”に続いて歌ったのは、最新アルバムの中でも唯一ちゃんと聴いたことのある“IZA!!”。
10時間を超える狂った動画のおかげである程度振り付けを覚えていたこの曲は、MAHOの伸びやかな歌声が心地良い。ある程度のボルテージを維持したまま重低音が響く、まさに‘クラブミュージック’。


そして6曲目は顔面国宝MiKiNAが裏ハモリで楽曲全体を支える“WE ARE THE WORLD”。
強い意志のある歌詞に対する、MiDORiKOによるキュートな振り付けには思わず‘えへへ’。
EMPiREの真骨頂のダンスミュージックが続き、6人の天使たちは完全に会場を掌握していた。

ダンスミュージックが続いた後の“ORDiNARY”での緩急の付け方は素晴らしかった。青を基調とした照明で幻想的な空間に響く、YU-Kiの甘い「おはよう」。

破壊力抜群YU-Ki (androidクオリティの画質でごめんよ)


振り付けが分からない曲が続き、見様見真似で周りの人の真似をしてみたり、隣の運命共同体に親近感を抱いたり、振り付けを間違えた時は写真を撮って誤魔化してみたり(そうなんです。WACKのライブは写真撮影OKなのです。)しながらではあるが、霊性のこもった“ピアス”、NOWのダンスが際立つ“RiGHT NOW”には圧倒されていた。

多分 “EMPiRE originals”


6人のユニゾンが響く“I have a chance!!”は、EMPiREの楽曲の中でも特に好きな歌ではあるが全く覚えていない。心が持ってかれてめちゃめちゃぼんやり観てた気がします。

本編最後は“Have it my way”。
えげつねぇ。何もかもがえげつねぇよ。
‘EMPiRE’としてのコンセプトをハッキリと確立したこの曲。
だってさ彼女たち、このバケモンダンス踊りまくりながら、歌いまくってるんだぜ?意味わからんでしょ!!
これが‘自己プロデュース的クソかっけぇとんでもバケモンアイドル’なのよ!!!
しかも、考えてみれば本来180°のみでいい演出を、中央のステージだから360°仕様にしてるんだぜ(ラジオでも言ってた)!!!バケモンじゃん!


アンコール1曲目では、ステージを歩きながらキレッキレの“EMPiRE is COMiNG”という、粋な演出。
そして、結成当初の曲“アカルイミライ”。伸びやかな声よ。ライブ終盤にしてこの伸びやかな歌声。
踊りまくって歌いまくっていた6人の底力えげつないのよ。

MC by MiDORiKO   
小学生のときにお世話になった保健室の先生が来ているらしい


そして最後の曲は“MAD LOVE”。かなり正統派なWACK的アイドルソング。初期の人気曲で、もうめちゃめちゃ良いのよ。
囁くような歌声から始まり、キュートな振り付けで届けられるこの歌は、‘バチバチイケメンダンス集団’としての姿だけではなく、彼女たちの‘フワフワニコニコ天使集団’としての姿もあることを教えてくれる。
どこのタイミングだったか忘れたが、サプライズでエージェント全員でライトを照らし、コールができないこのご時世でもしっかり心の中で「一生お前にMAD LOVE」と叫んでいた。

ありがとう!!!(白飛びしまくり)


再び集まり、シマウマ完全体となったカツヲとMは、もはや怯えぬ清々しさと、もっと振り付けを知っとけば良かったという少しの後悔を胸に、幕張メッセを後にした。
特にMは周りがみんな踊りまくってて、自分が踊れなかったことが恥ずかしかったとの事。運命共同体のイケメンはいまどうしているかしら。。。

あまり新曲やらなかったから助かったね。
という安堵と、
‘タオル買っといてよかった(by M)’  ‘裸の腕を上にあげるのが少し恥ずかしかった(by カツヲ)’(家に帰りボディーバックの中身を確認したら普通にリストバンドが入ってたことに気づき少し後悔しました)
という感想を分かち合いながらパスタに食らいつき、銭湯で人生の話をした1匹のシマウマは、胸いっぱいの満足を抱え、再度白い部分と黒い部分に分裂し各々の家へと帰って行った。


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後悔があるためにライブから半年以上が経っても全く書く気にならなかったこの備忘録を、急に完成させたのにはとある理由がある。
それはこのツイートを見たからであった。

びっくりした。純粋な「えっ!?」という声が出た。
最近はすっかりEMPiREを追いかけてはいなかったが、驚きと不安感と悲しみでぐちゃぐちゃになって、とにかくこの記事を完成させなければ、と思い爆速で書き上げた。

WACKの報告はいつも突然だ。
その理由がなんなのか、全く分からない。
‘クビ’みたいなやり方なら酷すぎるけど、この会社は普通にそういうことをしてしまう。

明日の『EMPiRE DOPE MAGiC TOUR FiNAL at LINE CUBE SHIBUYA』を解散ライブ(3日前に決まるなんて、、、)として、YouTubeで無料配信するとの事で、実は良いサプライズであることを願いたい。


むしろ回り回ったポジティブな報告かもしれないが、どうか誰もが望む“アカルイミライ”を、、、

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※2022年6月2日22時 追記

解散じゃなかった!!!
大人の事情で改名せざるを得ないらしい。
良いサプライズかどうかはなんとも言えないけども、ひとまずこの6人はまだ続くということで!!



[セットリスト]
1. EMPiRE originals
2. This is EMPiRE SOUNDS
3. SUCCESS STORY
4. S.O.S
5. IZA!!
6. WE ARE THE WORLD
7. Happy with you
8. ORDiNARY
9. きっと君と
10. ピアス
11. RiGHT NOW
12. SO i YA
13. Buttocks beat! beat!
14. SUPER FEELiNG GOOD
15. I have a chance!!
16. Have it my way
~アンコール~
17. EMPiRE is COMiNG
18. アカルイミライ
19. MAD LOVE

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