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「ふくおか・まごころ駐車場」の利用期間が延長に|多胎児ママたちの声が形になるまでのストーリー

こんにちは。双子や三つ子などの多胎育児を支援する一般社団法人tatamamaです。私たちは「多胎育児をよりHappyに」を理念に掲げ、日々活動しています。

皆さんは「ふくおか・まごころ駐車場」制度をご存知ですか?

障がい者や高齢者、妊婦の方のように、車の乗り降りに配慮が必要な人達が安全に駐車場を使えるようにするサービスです。福岡県内の駐車場が対象で、該当者が利用者証を申請すれば利用できます。

施設利用の際の利便性が高まると評価のあった「ふくおか・まごころ駐車場」。2024年2月1日より、多胎児妊産婦さんの利用期間が産後3ヶ月から産後18ヶ月(1歳半)まで延長になりました。

延長が実現した背景には、多胎児ママ(以下:タタママ)たちからの行政に向けた熱心な働きかけがありました。今回の記事では、そのストーリーの裏側をお伝えします。

駐車場は危険がいっぱい!多胎育児での車移動のリアル

子育て中は習い事の送迎や通院、おでかけの際など何かと車移動の機会が多いですね。

子どもが小さいと、おむつや哺乳瓶などの荷物がかさばったり、移動中に泣き叫ばれたりして準備が大変です。多胎育児ともなると、車移動の困難はさらに想像を絶します。

まずは、下記の動画をご覧ください。

単胎児用のものよりサイズの大きな双子用ベビーカー。そのため車同士の間隔が狭い場所ではベビーカーを置く場所が限られ、他の車の邪魔になることで子どもたちが事故に遭うリスクまで高くなります。

自身も多胎育児経験者であるtatamama代表の牛島も、育児における車移動の大変さを生活の中で痛感していました。

双子用ベビーカーは種類によるものの、その重量は10㎏を超えるものがほとんど。1人の力で持ち上げるのは大変です。

やっとの思いで荷物を乗せ双子を座らせても、降りた先の駐車スペースが狭ければまた一苦労…となります。

牛島は以前、車を停めた立体駐車場からベビーカーを出すことができず、もういちど積み直して別の駐車場を探す経験をしたこともありました。

多胎育児での車移動にはいくつもの困難をともないます。そんな中、これまで「ふくおか・まごころ駐車場」の利用は妊産婦の場合、生後3ヶ月までしか利用できませんでした。

しかし、生後4ヶ月以降も育児の大変さは変わらないどころか、むしろ子どもが歩き回るようになることで危険が増します。

このような状況から、多胎育児における車移動の負担を軽くするための制度やサービスが求められていました。

行政に声が届くまで|タタママたちの想いが実現した瞬間

代表の牛島は行政に働きかけができるように、現場のタタママたちの声を届けてくれる議員を探していました。そこで出会ったのが大田京子県議会議員です。

従来より、「誰もが生きやすい社会を実現する」を政治理念のひとつに掲げていた大田議員。tatamamaの活動内容や意義にも深く共感してくださり、多胎育児での課題や困りごとを一般質問の場で取り上げることを約束してくださいました。

そのため、タタママが何に困っており、どのようなサポートを必要としているか、実際の声をアンケートで収集することになったのです。

アンケートには、公式LINEやInstagramを利用したほか、2023年9月に開催されたワークショップでも参加されたタタママさんにご協力をいただきました。集まった回答からは

「双子の会をもっと増やしてほしい。」
「双子用ベビーカーが通れない幅の道路があるので改善してほしい。」「『ふくおか・まごころ駐車場』の利用期間を延ばしてほしい。」

など、今まさに育児に奮闘するタタママたちからの切実な声を感じました。集まったご意見は、以下3つに分類しました。

  1. すぐに実現できること

  2. 中期的な目標

  3. 将来的な目標

その後、大田議員との綿密な打ち合わせのもと、2023年9月21日、福岡県議会の一般質問にて、ついに「多胎児家庭への支援について」質問が取り上げられたのです。

一般質問ではおもに、以下の4つを議題にしていただきました。

  1. 多胎妊産婦への支援の必要性について

  2. 支援団体との連携について

  3. サポート事業について

  4. ふくおか・まごころ駐車場について

中でも、知事から具体的な回答が得られた「ふくおか・まごころ駐車場」の利用期間については検討の結果、2024年2月1日より多胎児妊産婦の場合で産後1年半まで利用可能となったのです。

現場のタタママたちの声がきっかけとなり、制度が変わった瞬間でした。

多胎育児支援はみんなで手を取り合うことが必要

今回の出来事を通じ、多胎育児支援のためには当事者だけでなく支援者全員が手を取り合うことが重要なのだと感じました。

驚いたのは、同じ行政であっても県議会と市議会で取り組む課題の範囲が異なる点です。

たとえば、今回タタママから挙がった声の中で「すぐに実現可能なもの」のうち、県の管轄で取り扱えるものが「ふくおか・まごころ駐車場」の利用期間延長でした。

県や市、tatamamaのような民間団体ではそれぞれの役割や機能が違うため、課題解決のためには各所が協力し動いていくことが大切です。

一般社団法人tatamamaでは、「多胎育児をよりHappyに」するため、これからも活動を続けていきます。理想の未来実現に向け、ともに活動を支えてくれる仲間や資金が必要です。ぜひ、今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。

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