野獣の心中雪の結晶
竪琴の音、今空からは聴こえていない
手は完全に離してください。手を離して
何かが巡りくるからそのために、離して
おいしいものを作ってあたしに食べさせれば
誰かにも同時に食べさせられる。
空の青色と黄色を見て
それが水と同じになる。雨が降れば、アスファルトに
映る。それからの道ならば
ふと偶然にと願うなら
眠ったときを狙いなさい。
起きているときその人は野獣なんだよ
目が悲しみで赤くなっている。
隠しているけれど、笑って話を聞いているだけなの
雪の結晶の形を知ってる?
それを降らせるといい。
あたしは一人、一瞬ずつ、全く違う結晶になると言ってね。時々、気付いてね。
愛しき獣がどれほどの、あふれるマグマ
血を吐くような怒りを飲み込んでいるかを知っていてね。
笑っていても目から血が出る。
調子を合わせようとして怒りを笑ったりしないで。
雪の結晶はみるみる溶ける
毎度最高傑作になってその獣の血に
溶かされてゆくといい。
彼の真の笑みを見るのが、辿り着きたい場所ならば。
難しいです……。