【故事・諺】漢検準一級②

中流に船を失えば一瓢も千金
つまらないものでも、場合によってはとても価値があるというたとえ

無稽の言は聴く勿れ
根拠のはっきりしない意見は聞いてはならない

大声里耳に入らず
高尚な言論は、俗な人々に説いても理解はされないこと

咳唾珠をなす
なにげなく口をついて出る言葉が、すべて珠玉のごときすばらしい名句になっていること

瓜田に履を納れず
人に疑われるような行動をとるなというたとえ

文章は経国の大業、不朽の盛事
文章は、国を治めるための重大な事業であり、永久に朽ちることのない盛大な仕事であるということ

渇しても盗泉の水を飲まず
自分がいかに困苦していても、不正なことや不義理なことには、いっさいかかわらないこと

騎虎の勢い
やりかけた物事を、行きがかり上途中でやめることができなくなることのたとえ

洞ヶ峠を決め込む
自分に確たる信念がなく、形勢を見て分のいいほうに付き従うこと

天を仰いで唾する
他人を害しようとしてかえって自身が災いを招くことのたとえ

黄泉の路上老少無し
死は年齢に関係なく襲ってくるというたとえ

白頭新の如く、傾蓋故の如し
交友の深さは付き合った年月の長さによらず、互いの心を知る深さによるたとえ

愁眉を開く
心配がなくなって、ほっとした顔つきになる

至貴は爵を待たず
この上なく貴い地位の人には爵位など必要ないこと

輔車相依る
互いに助け合って存在するたとえ

羊を亡いて牢を補う
失敗したあとで、すぐに手当てをすれば、災いや過ちを大きくしないですむたとえ

難に臨んで兵を鋳る
事が起こってからあわてて準備をしても間に合わないというたとえ

梁塵を動かす
歌声がすぐれていることのたとえ

能事畢れり
やるだけのことは、すべて終わったこと

箕山の志
世間での名声と利益を捨て、世間との接触を避けて信念を守ろうとすること

会稽の恥
他人から受けた忘れられない屈辱のこと

蚊虻牛羊を走らす
小さなものの害も、大きな災難につながることがあるというたとえ

魚の釜中に遊ぶが如し
災いが目前に迫っているのも知らずに、のんびりしていることのたとえ

郷原は徳の賊
道徳家を装う者は、かえって徳をそこなうもの

野に遺賢無し
民間に残されている有能な人物が一人もいないほど、国が平和で安定していること

藍田玉を生ず
名門の家からすぐれた子が出ることのたとえ

大行は細謹を顧みず
大きな事を成し遂げようとする者は小さなことにこだわらない

香餌の下必ず死魚あり
利益に誘われて身を滅ぼすことのたとえ

赤貧洗うがごとし
きわめて貧しく、洗い流したように何もないさま

紺屋の白袴
他人のことに忙しくて、自分自身のことには手が回らないことのたとえ

断じて行えば鬼神も之を避く
決心して断行すれば、どんな困難なことも必ず成功することのたとえ

至誠天に通ず
誠の心を尽くして行動すれば、いつ かは必ず天に通じ認められること

楊柳の風に吹かるるが如し
適当にあしらって自分の身を保つこと

孤掌鳴らし難し
人間は一人だけでは生きられないこと、事をなしとげられないことのたとえ

神明に横道なし
神が非道・不正を行うことはありえない

破鏡再び照らさず
夫婦の離別など、いったんこわれた関係はもとにはもどらないというたとえ

眼光紙背に徹す
書物を読むとき、表面の意味だけにとどまらないで、字句の裏に潜む深い真理までを洞察すること

本卦還りの三つ子
歳をとり還暦を迎えて子供のようになること

一片の氷心玉壺に在り
俗塵に染まらず清く澄みきった心のこと

奇貨居くべし
与えられた機会を逃さないこと

麻の中の蓬
悪人も善良な人と交われば、自然に感化されて善人になるたとえ

覆轍を踏む
先人の失敗を繰り返す

人生字を識るは憂患の始め
人は字を覚え学問をするようになると、心を痛めることが多くなる。なまじ字を覚え学問を積むと、かえって心配したり悩んだりするようになるということ

斧を掲げて淵に入る
人も役に立つところへ配置しなければ、役に立つものも立たなくなるというたとえ

錦上に花を添える
もともと華やかで美しいものに、さらに美しい要素を加えること

湯の辞儀は水になる
遠慮も、時と場合とによることのたとえ

船に懲りて輿を忌む
船に乗ってひどい目に遭った者が、乗り物であれば輿でも嫌うということ。前の失敗に懲りて、無益な用心をするたとえ

流言は知者に止まる
確かな根拠のない噂が広まっても、知恵のある人はそれを他人に話さないから、噂はそこで止まってしまうということ




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