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ていたらく出版

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桃之字の書いた小説やそれにまつわるコンテンツのまとめ▼ 各作品の目次は【総合目次】を参照してください▼
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#小説

ていたらく出版 総合目次

 初めての方は初めまして、いつもの方はご機嫌麗しゅう。桃之字です。  本記事は、桃之字が…

カラクリ・ガラクタ・ヤタガラス

 問。 「うん、決まり」  彼は躊躇いなく、自分の右手首を捩じ切った。ぱきょっと間抜けな…

19

悪事、はじめました

 高校を、少しだけ早退きした。  静まり返った校舎から抜け出すのも、まだ明るい時間の通学…

25

砂漠の遺物と異物の僕ら #むつぎ大賞2023

「わりぃお嬢ちゃん! リンゴの籠に穴空いてたみたいでよ!」 「え」  豪快に笑うおじさんの…

10

豪風の又三郎 #パルプアドベントカレンダー2022

 東京の片隅に、小さな暴走族がいました。  暴走族といってもメンバーはたったの七人きりで…

アンニュイ・オーミソカ #第二回お肉仮面文芸祭

「──ここでいうサザンカ、というのがお肉仮面のことだ」 「はあ」  12月末、雪のちらつく…

親愛なる読者へ、●を込めて

 その時でした。雲を貫くほどに長く長く、山とみまごうほどに太く太く、世界の始まりを司る大樹のごとく聳える如意棒が、その半ばでぽっきりと折れてしまったのです。  悟空は、あっと声を上げことはできませんでした。プラズマチェンソーによってその首を焼かれていたからです。次の瞬間には如意棒と共にオガクズとなり、さらに次の瞬間には灼け果てて消滅してしまいました。   こうして全ての戦いは終わりました。七天大聖と悟空を斃した凱は、人々から尊敬と畏怖を込めて、こう呼ばれたのです。  斉

万雷の手拍子をもう一度

「百万円?」 「そう、三日で!」 「いや絶対詐欺っすよそれ」 「いやマジなんだって!」  …

父親の墓

「……お前の計画はなんでいつも、俺が手伝うこと前提なんだ?」 「えー、いいじゃん。兄ちゃ…

ノンタバコミュニケーション

 長々と打ち合わせをしてる間に、外はざぁざぁと音がするほどの大雨になっていた。昼過ぎから…

ウィリアム古書店と悪魔の楽譜(完全版)

本作は、昨年末に投稿した同名の作品を、雑誌寄稿向けに加筆修正したものです。雑誌は6/10に発…

神器戦士ミツマナコ 『龍咫ノ鏡』の巻 後編

[←前編へ] 【これまでのあらすじ】 一つ目。  ユグドとセンブは、ドブ川に成り果ててしま…

バットー・バトル! #第一回きつねマンドラゴラ小説賞

本作は、カクヨムにて開催された自主企画「第1回きつねマンドラゴラ小説章」の応募作品です。 …

ハンティング #第一回お肉仮面文芸祭

「ねぇカズヤ、お肉仮面って知ってる?」 「なにそれ? 時代劇かなんか?」 「違うよ、都市伝説! ほら、きさらぎ駅とか、口裂け女とか、人面犬みたいな!」 「あ、またそういう系? そんなのどこで仕入れてくるんだよ」 「インスタだよ! ほら、これ。生肉のマスクかぶってて、いろんなとこで写真撮ってるの!」 「インスタやってる都市伝説がいるわけないだろ……」 「いやいや、わかんないよー? だって──」 『ハンティング』 #第一回お肉仮面文芸祭  あおい蜜柑は、むきづらい。皮が硬くて