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#パルプ小説
息苦しくも生きて行く
(……何を間違えた?)
荒い呼吸を繰り返しながら、俺は曖昧な自問自答を続ける。
弟に酸素マガジンを渡した事。それは正しい行いだったはずだ。
今の配給酸素じゃ、次の発作で確実に息の根が止まる。
けど、そのせいで今度は俺の酸素が足りなくなった。次の配給どころか、三日後には自然呼吸もままならなくなるだろう。
(だから、ここへ来たのは間違いじゃない)
思った途端、熱い光線が頬を撫でる。
最後の弾丸は誰を撃つ
「看板が読めなかったのか? 殺しはお断りだ」
「無意味な標語だな。まだ天国へのチケットが手に入るとでも?」
「まさか。死体の生産業にウンザリしただけだ」
尊大な態度を取るスーツの男に、ジュードは敢えて面倒そうな態度を見せる。
実際、ジュードはここ十年一度も殺しの仕事は受けていない。
というより……受けられないのだ、本当は。
「他を当たってくれ。いくら積まれても俺はやらない」
「それでは困