知らない人んち(仮) 第1話「ここは誰んち?」
◆応募用記事です◆
4話中の第1話なので、0話に映っていたいろんな謎を振り返りつつさらに謎が深まるような展開で検討してみました。
パーツ単位で持っていくことになると思うので、0話からの考察やキャラクター像などから思いついた会話やシーンを繋ぎ、それっぽく仕立て上げました。一部だけでも持ってってもらえると嬉しいです。
よろしくお願いします。
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応募内容:シーン、シチュエーション
登場人物
・主演:筧 美和子 YouTuber きいろ役
・戸塚 純貴 シェアハウス住人 アク役
・秋山ゆずき シェアハウス住人 キャン役
・長井 短 シェアハウス住人 ジェミ役(*Scene2の終わりで退場)
=== Scene 1 ===
和室にて。前回のラストから再開。
(15:00)
きいろ「面白いモノ、撮れるかも……」
コンコン、とドアがノックされる。きいろ、慌てて絵をテーブル下に隠す。
襖が開いて入ってきたのはキャン。
キャン「きいろちゃん、なんか面白いもの撮れた?」
キャン、話しかけながらきいろの隣に座る。きいろは気付かれぬように絵を少し奥(キャンの死角)に押しやる。
きいろ、目を泳がせながらしどろもどろに答える。
きいろ「い、いやぁ。それが撮れ高ゼロっていうか……」
キャン「マジで〜? なに撮ったのさ、見せて見せて?」
キャンがスマホを奪おうとする。慌てて避けるきいろ。
◆この時、キャンは空き地できいろとジェミが出会ったときの映像を確認しようとしていた(まずいものが写っていないかの確認)
きいろ「ちょちょ、ダメですよ!」
キャン「えー? なんで?」
きいろ「なんでってその……あ、へ、編集前のものを見せるのは、恥ずかしいっていうか……」
キャン「えー、いいじゃーん」
キャンはきいろに引っ付くようにしてカメラ(スマホ)を奪い取ろうとする。
◆美女二人の絡み(物理)が見たい
きいろは抵抗。キャンを片手で引き剥がして声をあげる。
きいろ「そ、それよりキャンさん! 撮れ高のために、協力してください!」
キャン「協力? なにすんの?」
きいろ「い、インタビューです! 泊めてくれた人のことを聞く、みたいな。定番でしょ?」
キャン「え……あー……」
あからさまに視線が泳ぐキャン。きいろはその様子を見て、先ほど(1話冒頭)の確信を深める。
◆きいろはキャンから情報を聞き出せないかと考えた。アクはなにやら警戒心が強そうだそ、ジェミは会話しづらい上に暗室の件でちょっときまずい。キャンしかいない。
キャン「で、でもそんなに話すことなんて……」
きいろ「いいからいいから! じゃ、はじめますよ!」
きいろは、断ろうと口を開いたキャンを無視して自撮り棒を伸ばすと、録画ボタンを押す。
キャン「あ、ちょ、ちょっと……」
コンコン。
そこでノック音。襖が開いて顔を出したのはアク。
きいろは「やべっ」みたいな顔。キャンはアクを一瞥したのち、唇をギュッと結んで視線を逸らす。
きいろ「あ、アクさん」
キャン「あ……ああ、アク、おかえり」
そんな二人に、アクは冷たい声で問いかけた。
アク「……なにしてるんです?」
きいろ「そ、その、家主にインタビュー! みたいな……」
アク「なるほど」
アクが目を細める(好意的な反応ではない)
アク「でもそれなら、夕飯の準備が終わってからにしてください。キャン、夕飯当番でしょ。材料は買ってきたから」
キャン「あ……うん。ごめんね、きいろちゃん」
キャンは立ち上がると、きいろとアクを置いてそそくさと和室を出て行く。
きいろ「あ、ちょっと……」
追いかけようと立ち上がったきいろの進路をアクが妨害。さらにその後ろからジェミが顔を出す。
ジェミ「お風呂、沸いたよ」
アク「……きいろさん。先にお風呂入っちゃってください。なんだか埃まみれですし」
有無を言わせぬ声音に押されて、きいろは仕方なく承諾する。
きいろ「は、はい……」
暗転。
=== Scene 2 ===
15:30 2階廊下⇒更衣室
きいろはジェミに案内されて更衣室に通される。
ジェミ「バスタオルは、これ」
きいろ「あ、ありがとう、ございます」
手渡されたタオルを受け取るきいろ。ジェミはその手元を見つめて沈黙。
ジェミ「…………」
きいろ「……? ジェミさん?」
きいろは首を傾げる。ジェミはゆっくりと顔をあげて、口を開く。
ジェミ「……お風呂、静かに入ってね」
きいろ「え?」
ジェミ「ごゆっくり」
聞き返す間もなくジェミはふいと出ていって、更衣室の扉が閉じられた。
きいろは仕方なく服を脱ぐ。上着を脱いで、シャツに手をかけて──再びの違和感に、手を止めた。
洗面台。置かれているのは化粧水、整髪料、歯磨き粉、そして──歯ブラシ。大人用が1本だけ。
きいろ「あれ?」
脳裏をよぎるのは”子供の絵”。
きいろ「……5人家族じゃないの?」
風呂場に視線を移す。並んでいるボディソープやシャンプー。スカルプD的な、男物のそれが1セットのみ。
きいろはなにかを思い出したようにスマホを取り出し、写真アルバムを開いた。
表示されるのは、写真に撮っておいた先ほどの”子供の絵”。
きいろ「多分これが描いた子で……これがお母さん?」
きいろ「小さいのは妹とか弟だよね……」
指をさしながら、ぶつぶつと絵を確認する。最後に指さしたのは黒い服の男。
きいろ「そうするとこれは……お父さん?」
カットイン:杖、犬のケージ
きいろ「杖を持った人とか、お爺ちゃんとかが、いない……っていうか、犬もいない」
きいろ「でも置いてあるものはお爺さん向けっぽいし……」
きいろ「ていうかそういえば、犬の匂いもしない! うーん???」
きいろは更衣室を歩き回りながら、ひとりごとをもらす。その声が徐々に大きくなり──
きいろ「…………うーん。この家、ホントは誰の家なんだろ」
きいろが呟いたその時だった。
ドンッ。
更衣室の壁が叩かれる。
きいろ「ひっ……!?」
ドンッ、ドンッ。と再度壁が叩かれる。
脳裏を過るジェミの言葉。
ジェミ「……お風呂、静かに入ってね」
きいろは目を見開いたまま、じっと口をつぐんだ。
音が、止む。
きいろ(なに、なに……!?)
きいろは慌てて浴室に入り、扉を閉めた。
暗転。
=== Scene 3 ===
同時刻 和室
キャンがきいろの荷物を漁っている。
ふすまが開いていて、廊下にアクの姿もある。
キャン「……ないね」
アク「……ということは、お風呂にも持っていったんですね」
キャン「うん」
アクの後ろからジェミがやってきて、和室に顔をのぞかせた。
ジェミ「更衣室にもなかった。お風呂の中に持って入ったみたい」
アク「……そうですか。警戒心が強いですね」
キャン「考えすぎなんじゃないの……?」
ジェミ「どうかな……こっちも、警戒するに越したことはないよ」
ジェミ「……暗室に目が行ってるうちにね」
暗転。
=== Scene 4 ===
16:00 リビング
風呂上がりのきいろ。髪を拭きながらリビングへ。
リビングに居るのはアク。キッチンに居るキャンを眺めている。
きいろ「風呂、あがりました~」
アク「おや。早かったですね?」
きいろ「あ、はい、あんまり長いと申し訳ないなって」
アク「そうですか」
それきりアクは口を閉ざす。若干の気まずい沈黙の中、きいろが口を開く。
きいろ「あの、ジェミさんは?」
アク「少し出かけると言っていました。探し物の続きでしょう」
きいろ「そ、そうなんですね……」
沈黙。
きいろ(だ、だめだ……話が続かない……)
きいろ、焦りながらカメラを取り出して構える。
きいろ「そ、そういえば皆さんは今なにをされているんですか?」
ジェミ「ジェミちゃんは夕飯の準備でーす」
きいろ「いいにおいがしますー! 今日の夕飯はなんでしょう!?」
ジェミ「ジェミちゃん特製カレーだよー!」
きいろ「美味しそうー!」
そんなやりとりをする二人をアクは冷たい視線で見つめていたが、不意に視線を外して立ち上がった。
アク「さて、キャンはまだ時間が掛かりそうなので、僕はお風呂に入ってきます」
きいろ「あ、はーい」
アクはそのままリビングを出て、二階へと上がる。そして男部屋の扉に手をかけ、素早く周囲を見回した後、部屋に入っていった。
扉が閉まる。
暗転。
◆あとはほかの人にお任せします◆
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