日本酒が好きだ。

　居酒屋に行くとだいたい日本酒を飲んでいる。とりあえず生中からの日本酒だ。糖質が多い？　知るか。美味しいからゼロカロリーだ。

　特に好きなのは鼎という銘柄のお酒で、馴染みの居酒屋に行くとだいたい最後の一杯はこれを飲んでいる。あとヘッダに使わせてもらった写真の蒼空も美味しいよね。京都のお酒。ビンも可愛い。

　大学で合気道をやっていたのもあり、合同稽古とか合宿とかの差し入れには日本酒が届くことが多かった。師範や先輩が日本酒の好みにうるさくて合宿の買い出しはいつも真剣勝負だったし、一気飲みなんかしようもんなら「お前もったいねーだろザッケンナコラーッ！」とぶん殴られるような環境だった。おかげで、素直に日本酒を「楽しむ」ことを教えてもらった。今思えば恵まれた環境だったと思う。

店にある知らん日本酒をとりあえず飲んでみる

　馴染みの居酒屋だとか、酒好きの友人と行った店だとかで日本酒を楽しむとき、「店にある知らん日本酒をとりあえず飲んでみる」ということをやる。これが結構楽しい。メニューとか店の冷蔵庫を見て「あ、このお酒知らない」って思ったらとりあえず1合頼んで飲む。そんで、自分の好みに合う/合わないだとか、どこが好きでどう苦手だとかを一緒に飲んでる相手とギャーギャー話す。ときには店員さんがノってきてくれて「あ、それ好きならこんなのどうっすか！」みたいに言ってきてくれて楽しい。結局酔っ払って「全部美味しい〜〜〜〜さいこ〜〜〜〜〜」ってなるんだけどそれもそれで楽しい。

　日本酒っていろんな銘柄があるし同じ銘柄でも時期やら作り方によってバリエーションがたくさんあるのでいくらでも楽しめる。「日本酒、なんとなく飲めるよ」って程度の人でも飲み比べると結構違ったりするので、ぜひ試してほしいなと思う。

「美味しい日本酒を飲んでなにが面白いの？」

　なんでこんな話をしているかというと、これもカルマ調整の話に繋がるなぁと思ったから。カルマ調整っていうのは映画等コンテンツ摂取に関する話で、有識者の「面白い映画を見て何が面白いの？」という言葉が業界を震撼させたことは記憶に新しいですね。

　当該記事の中でも言われていますが「セレクトを自己責任で行う」ことにキモがあります。決して不味い日本酒を選んで飲めってことじゃないんです。

　なるべく事前情報を排した作品を観る。レビューや点数は見ない。直感でジャケ写で選ぶ。あらすじの要素からセレクトする。こういった自分が全責任を負うことで業を試す行為です。適切にカルマを落とす。禊です。
（『最先端のコンテンツ摂取術『カルマ調整』のススメ』より抜粋）

　これはお酒でも同じことが言えて、自分の知らない、自分の身の回りの人も知らないお酒にあえて突っ込んで、美味しかったら「さいこ〜〜〜〜」だし美味しくなかったら「やべぇ失敗したぜてへへ。こっちの美味しいやつ飲も」ってする。そうすることで適切にカルマが落ちて禊ができる。そして酔っ払って楽しい。Win-Winです。

いじょうだ

　いつものお酒を飲むのもいいけれど、たまにはそうじゃないのにも挑戦してみませんか！

　適度なカルマ調整で最高の日本酒ライフを！　ちゃお！

　…………と、いう記事を書いていたんですけど。

　なんというかタイムリーに「日本酒だとカルマ調整って良いことばっかりでもないなぁ」って思う出来事があったので続けます。ここからは愚痴です。

　日本酒の界隈、というか知ってる限りだとウィスキーとかワインでもあるのでお酒関連だとだいたいそうなのかもしれませんが、「おれはたくさんの酒を知っているからえらい。全然知らんお前はバカ」とか言い出すアホがいるんすよね。いつも決まったお酒を飲んでいる人を見下し始めるアホの頂点。キングオブアホ。猿山でふんぞり返ってればいいのになぜか人里に降りてくるアホ。

　口が悪くなってしまった。

　なんでいきなりキレてるかっていうと、とある日本酒BARのアカウントが「Twitterでお酒紹介したとき、マイナーな日本酒だと明らかに反応悪い！！　みんな好奇心とかないの！？」とか呟いていたんです。んで、そのツイートについたリプライで「自分で選ばずに誰々が勧めているからいいお酒、みたいな買い方する人が増えた。嘆かわしい」だの「自分でトライアンドエラーせずになにが楽しいんだろうｗｗ」だの言っていて、お前らさっさと山に帰れっていう。

　余談だがそのアカウントは言い方がアレなのと「！？」「！！」が絵文字で不快指数が振り切れていたのでさっさとブロックした。

　これ、好奇心云々じゃなくてそもそものスタンスの違いなんですよ。いろんな種類のお酒を飲んで楽しむ派か、自分の好きなお酒を飲めていれば満足派かっていう違いなんです。決して前者が偉いだとか後者に好奇心がないだとかいうわけではない。ほんと今すぐ山に帰ってくれ。酒が不味くなる。

　ブッタが「苦行するのは確かに良いことなんだけど苦行やってると”苦行やってないやつはこれだからダメ”とか言い出すアホがいるからよくない」って言っていましたね。そういうことです。

　僕自身も無意識にやっちゃうことがあるんで気をつけてるんですがほんとこれ禄なことにならないので、カルマ調整やってみようかなって人は気をつけてください。ネット越しだから変な作家が自分のブログでキレるだけで済んでますけど酒の場だったら最悪殴り合いに発展します。知らんおっさんからいきなり「いつも同じお酒だなんて好奇心がないねぇ」とか言われたらペンギンだって酒瓶で殴る。ラベルを上にしてGOだ。

いじょうだ

　自我を保って楽しい日本酒ライフを！　チャオ！