合気道の話をしよう🍑 その1
よくきたな🍑
普段あまり人に話してはいないんですが、合気道をやっています。中学生の頃に始めたので、途中にブランク等々挟みつつも合気道歴15年ほどかな? 現在二段の黒帯です。
フォロワーさんに作家業の人も増えてきましたので、ちょっとしたマメ知識的につらつらとまとめていこうと思います。
この記事は全3回を予定しています。メニューとしてはこんな感じ。今日やる話題には★をつけてます。
・そもそも合気道ってなに? ★
・どんな技なの? ★
・「相手の力を利用する」ってなに? ★
・試合がないってほんと? 演武ってなに?
・合気道の目標ってそもそもなに?
・どこで稽古できるの? 流派とかあるの?
・そもそも強いの?
・合気道は受け身も面白いんだよ
・蹴り技の対処って?
・オススメの動画とかある?
なお、僕自身もまだ修行中の身なので、基本的には「あくまで桃之字の主観です」という前置き付きで読んでください。
まずは見てみましょう
合気道の動画を貼ります。有名なプレイヤーでいうと、やっぱりスティーヴン・セガール氏ですね。合気道七段。そのワザマエは伊達ではありません。
セガセガセガセガセガール
例えば39秒付近、セガール氏が自分の手を猫みたいに丸めて、相手の腕に絡めたのがお分かりでしょうか。
その後、セガール氏がちょっと体重をかけると、受け身の人が「うをっ!?」って感じで体を沈めましたね。これ大げさでもなんでもないんです。そうでもしないと、いや、そうしたとしてもめちゃくちゃ痛い。腕がちぎれるかと思うくらい痛い。これは二教という技(の一部)です。
そして、そこから相手の腕をひっくり返すとあら不思議。相手がくるりんと一回転しました。これも大げさでもなんでもありません。小手返しという技なんですが、上手い人がやると腕が折れるか、こうして全身が浮いて空中で回ります。イメージとしては、手首で発生した回転の力が全身に伝わって吹っ飛ぶ感じ、といったところでしょうか。
それ以降の動画においても、パッと見では派手なことやってないのに人がすぽーんって飛んだり、セガール氏がトコトコ歩いてるのに受けがなんか同じ態勢のまま動かなかったりとかしてますね。これらも、どれも大げさではないんです。実際吹っ飛んじゃうし、実際動けないんです。魔法かよ。
……と、このように、合気道というのは不思議な武道です。見た目ではわからないのにとんでもない力が加わってとんでもない目に遭う武道。それが合気道です。ゆえにこそ、創作物の中ではある種魔法のような扱いを受けていることも多々あります。
とまぁそういうわけで、ここからは合気道でどういうことが行われているかというのを書いていこうと思います。
合気道ってなにさ?
合気道(あいきどう・合氣道)は、武道家・植芝盛平が大正末期から昭和前期にかけて創始した武道。植芝盛平が日本古来の柔術・剣術など各流各派の武術を研究し、独自の精神哲学でまとめ直した、体術を主とする総合武道である。
(Wikipediaより引用)
というわけで合気道は初代道主・植芝盛平先生が作り上げた武道で、柔術をはじめとした色々な武術を元にして作り上げられた武道です。
特筆すべき点としては、他の武道、例えば空手や柔道なんかと比べると体格差があっても技が通用しやすく、女子供や老人でも学びやすいという点ですね。
この『体格差があっても通用しやすい技』というのがネックです。ではそういうことができる手段とはどういう技でしょうか。
体格差があっても通用しやすい技って?
①関節技
すぐに想像がつくのはこれですよね。先ほど書いた二教(の一部)なんかもそれです。スッと入って飲み込めない事実を差し出す。そういうことです。
合気道における関節技は、プロレスのように相手を叩き伏せた後にかけるものではありません。
例えば相手に手首を握られたとき、その手首を極めて敵に致命的なスキを作り出します。先ほどの二教はこれですね。
さらに、例えば相手が刀で斬りかかってきたときや、例えば相手がナイフで突いてきたときなど、動的な攻撃に対しても使われます。具体的にいうと、攻撃を回避した後に手首や肘を極めたりします。メキッと。目的としてはその武器を奪ったり、単純に切っ先が自分に向かないようにしたり、追撃を防いだり、といったところですね。
このように、合気道では相手の行動を一時的に止めて致命的な隙を作るために、それこそ息をするように関節を極めます。いやほんと肘も手首も痛い。マジで痛い。人間の手首はそっちには曲がりません💢💢💢
とはいえこの関節技、握力とか腕力とかでグイッとやるわけではありません。テコの原理とか、人体の逆関節とか、敵の他の関節の位置関係とかを駆使して、自分は楽に、相手に地獄を味わっていただく。そういう感じです。
しかし関節技だけが合気道ではありません。セーガル氏がやってるように、投げるという動作ももちろんあります。それらは体幹で説明されます。
②体幹を崩す
体幹が崩れると相手に忍殺をキメることができるということはフロムソフトウェアも言っている圧倒的事実ですね。
しかしながら忍の技とは違い、合気道は女子供でもお年寄りでも習得できる武道です。そんな合気道で、どのようにしてその体幹崩しと忍殺をキメるんでしょうか。
……そこで出てくるのが「相手の力を利用して」とか「気の力」とかいう、合気道の説明でよく出てくる言葉たちです。
「相手の力を利用して」←ギリわかる 「気の力」←わからん 「宇宙力」←は?
こういうふんわりしたこと言われると一気にわかんなくなるんだよな。わかるよ。俺もそう思う。
なので、ちょっと自分が稽古していて思っていることを書き連ねますが、個人的には「相手の力を利用して」をはじめ、こういうふんわり言葉には二つの要素があると考えています。
ひとつは「相手の力を利用して自分の力を増幅させる」こと。もうひとつは「相手の力を利用してその体制を崩しやすくする」ことです。
①自分の力を増幅させる
重力、慣性力、遠心力、求心力あたりの物理法則とか物理エネルギーを利用して力を増幅させることで、自分の腕力以上の力を相手に与えることができます。
そのために「相手が突っ込んできた勢いを殺さずに方向だけ変えてやる」とか「相手の体の一点に一瞬だけ全体重を乗せる」とかいう動きが入ることになります。
②体制を崩しやすくする
普通に立っているだけの人でも、押されると弱い方向というものはあります。いわんや動いている人をや。
例えばタックルしてきた奴を上から潰すとか、走ってる人の首を掴んで真横に引っ張るとかをイメージすると良いかも。
①の力の増幅と合わせて文字通りの「全力」でやると、すごい勢いで敵の体幹が崩れます。忍殺チャンスです。
さて、これが上手い人になってくると、例えばちょっと重心を動かすだけで慣性力を発生させたり、手先の回転で生み出した力を関節経由でボディに伝搬したり、腰の回転エネルギーで相手を2メートルくらい吹っ飛ばしたりします。彼らマジでそういうことやってくる。バケモノ。
まぁある意味、その領域に辿り着くのが目標だし、その領域にたどり着いた人のイメージこそが一般に言われるあの魔法のような「合気道」の姿なんだろうなぁと思っています。
今回はここまで
さてそういうわけで、、関節を決めたり体幹を崩したりするのが合気道のベースであり、それを「多様な体格の人に」「的確に」「いつでも」やれるように日々稽古し、身体の正しい動かし方などを研究しています。
3000文字が超えたので、今日のところはこのくらいにしておきましょう! また次回! ちゃお!
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▼ 残りはおまけパートです。よかったらみてってね!
有料パート:桃之字の演武
上手い人の技はYoutubeにたくさんあるんですけど、じゃあ素人……というかプロでない人って実際どんな動きするの? という部分はありますよね。
そういうわけで、先日僕が通ってる道場で演武会があってその録画データをもらったので、貼っておきます。とはいえ普通に顔出しなので有料(100円)にさせてください。ゴメンヨ。
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