見出し画像

第3話 なぜバーコードは読み取りミスがないのか - 符号理論

そこそこの傷が付いてるのに問題なく再生できるCDってありますよね。
 これはCDプレイヤーの性能が良いワケではなく、CDそのものに秘密があるんです。
 レコードは傷ついてしまえば正しい音は出なくなるのに、CDが多少の傷なら問題にしないのは「ある理論」のおかげです。
 CDのエピソードは平成生まれのダウンロード世代には共感してもらえないかもしれませんが、「ある理論」が使われているものは他にもたくさんあります。

 CD、火星探査機、バーコード、デジタル放送など、 あらゆるところで情報を間違えることなく伝えるために使われているのが「符号理論」です。
 1948年、アメリカの数学者R・W・ハミングのアイデアによって生まれた理論です。
 デジタルな情報は「0」と「1」の2つの数字で作る数列によって符号化されていますが、その情報自体に自動的に誤りを検出したり、さらには修復する仕組みを組み込むことができるのです。
 符号理論が用いられているのは、単純なものなら、例えばバーコードです。
 どういう仕組みかというと──みんな大好き「ガリガリ君」を買ってきて、検証してみましょう。

 バーコードの13桁は、12桁までは上図のようにそれぞれ意味していて、末尾に、

(左から奇数番目の数の和)+(左から偶数番目の数の和)×3 =10の倍数

──と必ずなるようなチェックディジットという数字が付け加えられています。
 つまりこの場合

 (4+0+1+0+0+9+5)+(9+1+7+0+0+0)×3
 =19+17×3
 =19+51
 =70

──となり、たしかに10の倍数となります。
 もし奇数番目の3番目の数字を間違って「0」と読み取ってしまった場合、

 (4+0+0+0+0+9+5)+(9+1+7+0+0+0)×3
 =18+17×3
 =18+51
 =69

──となり、10の倍数でないのでは、「ミス」だと判断され、レジは読み取らず、コンビニの店員さんは正確に読み取るまでリーダーをかざします。
 バーコードの場合はコンビニの店員さんが繰り返しピッピッすれば済むので、このようなもっとも簡単な符号理論でかまいませんが、CDの場合はもっと複雑で洗練された符号理論を用いて、間違いを発見するだけでなく、間違い箇所を見つけ出し、訂正することのできる仕組みが使われています。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

9

タテノカズヒロ

イラストレーター・漫画家。『マンガ 教養としてのプログラミング講座』『コサインなんて人生に関係ないと思った人のための数学のはなし改』よろしくお願いいたします。/ HP - http://www.tatenokazuhiro.com/

コサインなんて人生に関係ないと思った人のための数学のはなし改

サイン・コサイン・タンジェント、こんなの社会に出て役立つことなんて皆無だから、そもそも習う必要ないんじゃないの?──継続的に耳に入ってくる意見です。そんなことないんじゃないかなと思う筆者が描く数学マンガコラムの改訂版です。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。