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コント「タクシー」

「いらっしゃいませ ご注文をどうぞ」 「そうだなってえ、 これタクシーですよね」 「何かおかしいですか」 「いやタクシーで注文って 行き先を聞いているの」 「お客様のご注文をお願いします」 「こんな言い方するタクシー初めてだよ それじゃあまあ 新宿東口でお願いします」 「ご注文は以上で」 「これ以上何を注文するんだよ」 「ご一緒にポテトはいかがでしょうか」 「ポテト注文できるのかよ」 「ありません タクシーですから」 「ないなら言うな なんで言ったんだよ」 「言ってみたくて」

    • コント「飛行機」

      「おっ離陸したな。これで数時間後にはアメリカか」 「アテンションプリーズ、アテンションプリーズ」 「さて先は長いし一眠りするか」 「あなたホラせっかく外国に行くんだからテンション上げて」 「わーなに起こしているんだよ」 「あ、テンションをプリースって言っているでしょう」 「あって合いの手じゃねーよ。なにテンションプリーズって聞いたことないわ」 「そうでした。いつも教官にそうやって怒られたのを思い出しました。私今日初フライトの新人なんです。よろしくお願いします」 「ああ、そうな

      • コント病院

        「引っ越してきて最近気がついたけどこの辺て病院あんまりないんだよな。近くにここしかないから仕方ないな」 「ヘイ、いらっしゃい」 「なにここ寿司屋」 「いえ病院です。今日はなににしましょう。内科ですか外科ですか。今日は消化器系が安くなってますよ」 「なんで医者がそんな呼び込みするんだよ。安くなってますじゃ、ねーよ。病院ていうのは行かないにこしたことはないの。やむを得ず来るところなの」 「じゃーもう帰ってください」 「帰ってくださいじゃねーよ。なに押しているんだよ」 「お客さん、

        • 茶金の目利き

           大学を卒業して陶芸作家になってもう十年が経とうとしている。そろそろ見切りをつけて田舎に帰るべきか悩んでいるところだった。店を構えてみるもうまくいかず営業しては相手にされない。フリーマーケットやこうして創作イベントに出品してはなんとか食い繋いでいる現状だった。  そこにちょっとしたざわめきが起こった。隣のブースの人に聞くと茶金さんが現れたという。  噂の茶金爺さんか。  こういうイベントなどにたまにふらりと現れて作家の将来を見出すこともあるという。実際ある作家はこういったフェ

        コント「タクシー」

          漫才コント「床屋」

          「おっこんなところに床屋が。髪も伸びてきたし切ってもらおうかな」 「いらっしゃいませ。ご予約はされていますか」 「いやしていないけど。なにここ完全予約制とか」 「いえ大丈夫です。予約入ってませんからすぐできます」 「予約入ってないのになんで聞いたの」 「万が一ってことがありますので」 「なに万が一って。それ店側の責任でしょ」 「はい、まずシャンプーか髭剃りの予約は入れていますか」 「予約してないって言っているでしょ。そもそも予約入っていないんでしょ。て言うかシャンプーの予約っ

          漫才コント「床屋」

          漫才コント「バーガーショップ」

          「おっこんなところにバーガーショップオープンしたのか。ちょっとお腹も空いているし入ってみようかな」 「ヘイ、ラッシャイなに握りましょう」 「えっちょっと待ってここバーガーショップだよね」 「ヘイ、失敬間違えました。なに握りましょう」 「全然失敬だと思ってないよね。バーガー握ったら潰れちゃうでしょ」 「ヘイ前職寿司屋だったもんで、スイヤセン」 「大丈夫、潰さないでよ」 「大丈夫っす。適当に乗せますので」 「言い方。まあ、じゃあとりあえず」 「ヘイ、とりあえずビール」 「ビールじ

          漫才コント「バーガーショップ」

          こころ

           本当は小説家の先生になりたかった。小説家の先生ならどこに行ってもなにを言っても先生と呼ばれる。仕事をしてえいても富士そばで昼食とっても気がついてもらえれば先生と呼ばれる。家にいてもフロに入ってもトイレにひとりでいようとも先生だ。そういう先生になりたかった。 「せんせ、なに読んでいるの」  背中から体を覆い被さってきたのはうちのクラスの生徒だ。勉強のデキはよくない。 「よくないってハッキリ言っちゃうね」 「実際君は僕の補習ばっかり受けているじゃないか。君は難解な長文問題は解け

          こころ

          コント「ドライヤー」

           ドライヤーが壊れた。 「ねえドライヤーが壊れたんだけど」 「君は心の中で思ったことを口に出さないとならない性分かい。なぜ同じ文章を二度繰り返すんだ」 「言っていることわかんないし。っていうかドライヤーみてよ」 「オイオイ、君は僕がアルゼンチンにいて、君は日本のこの小さなアパートの部屋にいるドライヤーが見えないとでも言うのかい。この現代社会ではいくらアルゼンチンにいようともインターネットのテレビ電話で遠く離れた君のドライヤーも見ることだってできるというのに」 「なんでドライヤ

          コント「ドライヤー」

          漫才・ショートケーキ

          「私ショートケーキの巻いてあるセロファンについている生クリームをなめるのが好きなんですよ」 「だからアナタそれ、みっともないっていつも言っているでしょう」 「だって私生クリームが大好きなんですよ」 「だったら普通にショートケーキの生クリームをなめたらいいでしょうよ」 「いやショートケーキの巻いてあるセロファンについている生クリームをなめるのが好きなんですよ。むしろショートケーキはおまけなんですよ」 「ケーキメインじゃないのアナタ」 「試しにスーパーで見つけたんですけど生クリー

          漫才・ショートケーキ

          神の目ゴッドアイ

          「フッそのホドドか」 「えっ今なんて」 「お前の技は見切ったと言ったんだ」 「その前になんて言ったって」 「お前はそのホドドかって言ったんだ」 「ちょちょちょ、君それ読み方間違ってない。なにホドドって。  テイドと違うの。待って待って」  俺は剣を振り上げた。 「隙アリ!」  悪食の王はゲラゲラ笑っている。 「待って待って。人を笑わせておいて隙アリもなにもないでしょ。  それ、ズルくない。ねえ、なに隙アリって。嘘でしょ」 「読めたぜ、お前の能力」  俺は再び剣を構える。 「待

          神の目ゴッドアイ

          漫才「普通」

          「いやあ早いものでもう12月ですね」 「そうですね11月かと思っていたらもう12月ですものね」 「そうね」 「10月かと思っていたらもう11月。9月かと思っていたらもう10月になっていました」 「いつまで続くんだよ」 「当然8月かと思っていたら9月になっていました」 「もういいよ、どうせ7月になったらもう8月になっていたというんだろ」 「いえ7月はただ暑いな〜としか思っていませんでした」 「なんだよそれ」 「いやだってすごく暑かったでしょ」 「それももう今はすっかりすごく冷え

          漫才「普通」

          コント「格闘家」

          「私は格闘技の奥義を極めた男。その奥義を広めるためにこの道場を開いた」 「すいませーん」 「おっさっそく入門者か」 「カツ丼ひとつください」 「ここは定食屋じゃねえよ。どこにテーブルとかカウンター席があるんだよ」 「新しいスタイルの定食屋さんかい。悪いけど急いで」 「だから定食屋じゃないって言っているの。どこにそんな看板出ているの」 「いや隣にでていたから、てっきりここも定食屋さんかなと思って」 「だったら隣に行けよ。なんでこっち来た」 「ていうかおじさん、ひとりでなにやって

          コント「格闘家」

          コント「カツ丼」

          「へ〜こんなところに定食屋みたいなのあったんだ。ちょっと入ってみようかな」 「へい、いらっしゃい」 「おっ威勢がいいね」 「今日はなにしましょうか」 「いやあ最近この辺に引っ越して来たばかりでね。こういう食べるところを探していたんだよ」 「へいいらっしゃい、ご注文はなににいたしましょう」 「話聞いてる?まあいいや。じゃメニューある」 「メニューありません」 「メニューないの。なんで注文聞いたの」 「メニューありません」 「さっき聞いたよ。それなに客の顔みて店主がメニュー決めち

          コント「カツ丼」