見出し画像

牧師たちによる統一教会信者の脱会活動の動機は統一教会の根絶にある


浅見定雄の『統一協会=原理運動』は、統一教会の信者を脱会させるためのマニュアル本のようなものです。1987年に、日本キリスト教団出版局から出版されました。もう30年以上前の話ですが、新任教師オリエンテーションの講師のひとりが浅見定雄だったことは覚えています。ですから牧師として働き始める前に、統一教会信者の脱会については、ひと通りの話は聴いていたはずです。どんな話を聴いたかは覚えていません。いずれにしても重要なのは、日本キリスト教団出版局がいまだにこの本を販売していることです。

この本のあとがきの前に、参考文献が列挙されています。その中に、赤旗の記者たちが新日本出版社から出した本が2冊、日本共産党出版局が出した本が1冊、挙げられています。日本基督教団の牧師たちによる統一教会信者の脱会活動が、日本共産党のプロパガンダと密接に関係していることが、このことからも分かります。

浅見定雄の説明によると、統一教会の教えには、「神の側」と「サタンの側」の対立があり、現代世界では、それは自由主義と共産主義の対立であるそうです。「だから日本は『神の側』の一員として軍備を増強し、スパイ防止法を作り、平和憲法を改め、核武装もすべきだ、というのです」(p.56)と浅見は統一教会の「勝共理論」を説明しています。

我が国の保守派の人たちが聞いたら、喜んで飛び跳ねそうな教えが、統一教会の「勝共理論」には含まれています。浅見にとっては、それは容認できないことでした。

この本を改めて入手して読んでみて、今初めて気づいたんですが、「勝共連合」の「勝共」とは、共産党に勝つことだったんですね。日本共産党の支持者たちにとっては許しがたいことでしょう。脱会活動の動機が、統一教会の根絶にあることは明白であると思われます。

よろしかったら、サポートをお願いします。今後の活動に生かしていきたいと思います。