「リングに立ち続ける」ということ。

たくさんの起業家とお付き合いをしてきて思うのは、“起業家の死”とは、
事業がうまくいかなることでも、資金がショートしそうになることでも
なく、起業家自身が燃え尽きてしまうことなんではないかと感じています。

これまで私が関わった企業の中にも、

競合に圧倒的な差をつけられて風前の灯だった企業が、相手の失策にも助けられて、完全に息を吹き返したケースや
残金50万円で月末の支払いを迎える中で、ぎりぎりでリード投資家が決まり、ブリッジファイナンスをすることで急場をしのぎ、その後得た資金で、急速に成長していくケースや、

急成長と共に人員を急拡大し過ぎて、成長の鈍化と共にCFが悪化して、厳しいリストラを経て、結果としてV字回復を果たしたケースや
後から入ってきた優秀なCOOと創業経営者との間に確執が起こり、創業経営者が辞めることも考えたが、最終的には踏みとどまって、その後、経営者として一皮向けて、組織をまとめて事業を軌道に乗せたケース等々、たくさんあります。

いずれにおいても、共通するのが、起業家があきらめずに、歯を食いしばって、リングに立ち続けていたからだと思います。


ここで私は、リングに立ち続けることを無条件に礼賛しているわけではありません。
起業で成功することが全てではないし、自分にとってもっと大切なことが
出てくることだってあると思うので、それを選ぶのはその人の自由です。
自分の人生ですから。

ただ、何かを成し遂げるためには、そしてそれが自分の内在的な欲求として続いている限り、リングに立ち続けることが、一番の近道だと思います。

よく言われるように、成功するまでやり続ければ、“失敗”なんてないという
言葉がありますが、その通りだと思います。

私自身も、ベンチャーキャピタリストとして、いつまでリングに立ち続けていられるかはわかりませんが(それなりに体力と強いメンタルが必要になりますので)、自分がリングに立ち続けている限り、起業家の方をサポートし続けたいと思います。

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