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夢の話・景色

夢に出てくる風景はどこかで繋がっていてひとつの街なんだと思うことがしばしばある。
高架線のある、大きな道路があり、一本裏に入ると雑居ビルが立ち並ぶ。
大抵は西日のさす時刻で、自分たちはいつも忙しない。
二、三年前まで、夢の街はそんな感じだった。
が、最近少し街の様子が変わった。
高架線は見当たらず、道幅も狭くなった。
大きな建物はあるが、そこは殆ど廃墟というか、中には殆どテナントは入っていない。
その通りを一本入ると緑の多い、道の両側に木が生えているような場所。
生えている木は街路樹などではない。
木の生えている間に道路を作ったそんな感じ。
以前は車や電車が通る気配を感じていたが、今はあまりない。
時が流れ街が変わったというより、ここに越してきた感じがする。
相変わらず自分は何かを探し、何かから逃げているが、以前のような消息感はなく、ただただ不安なだけだ。
空はいつも曇っていて、今にも雨が降り出しそうだ。
そういえば以前も街を眺める時は西日のさしている色合いだったが、空自体は決して晴れてはいなかったような気がする。
自分の心象風景だとしたら、田舎というよりだいぶ昭和な風景だ、と思っている。
自分の子どもの頃に見てきた風景に雰囲気が似ている。
あくまでも雰囲気で、全く知らない場所である。
でも、木に囲まれた道路を抜けた先にある、古い平屋のあの家が、自分の終の住処だというならば、悪い感じじゃないな、と夢で見る度思うのである。

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