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不安な1ヶ月間

1月後半アウェイロードの2週間を終えて
川崎戦 1勝1敗
群馬戦 2勝0敗

と各地区トップ3相手に総合で勝ち越すことが出来きた。一時4位に落ちていた順位も微アップの3位に上昇。
川崎戦は岸本の劇的スリーポイントで延長戦を制し群馬戦は久しぶりの週末連勝と表面上は良くなっている様に見えるが果たして状況は良くなっているのだろうか。今回はすこし深堀りしていこうと思う。

■ターンオーバーの増加

ターンオーバー(TOV)とは攻撃がシュートで終わらずボールを相手に渡してしまう事であり、端的に言えばミスして相手ボールになってしまう事であるが、今シーズンのキングスはこのTOVが増えている。

2021-22シーズン
1試合TOV平均 12.0回 
上位8位 22チーム中8位

2022‐23シーズン
1試合TOV平均 13.5回
下位8位 24チーム中17位

昨シーズンとの単純な比較でもTOVは上位チームから下位に沈んでしまっているし、直近10試合だけ切り抜くと

12月大阪戦~1月群馬戦までの10試合
1試合TOV平均 14.5回
ワースト3位 24チーム中22位

という散々な結果だ。
群馬戦に関してはGAME1、2と両日ともに18本のTOVを記録しTOV最下位チームの平均15.6回を大きく上回ってしまった。
ポジションレスの構築の段階というエクスキューズがあるとはいえかなり厳しい結果ではないか。
しかもその低調のパフォーマンスをしてしまった相手が皮肉にも並里がいる群馬。
群馬はキングスとは対照的にTOV回数を平均以下に抑えており、昨シーズンの
TOV14.1回 ワースト2位(21位)から
TOV12.1回 13位に改善。

結果として並里の流出は思った以上の痛手になったし逆に群馬は並里の獲得で上位に挑戦する権利を得た。
シーズン中盤あたりである程度解決するだろうと思われていたPG、ハンドラー不足が浮き彫りになった状態での群馬との対決は今節の勝利以上に笑えない内容だったのではないだろうか。


■リーグ随一のインサイド陣

琉球ゴールデンキングスを一言で表すならポジションレスでもなくココナッツスリーでもなく「インサイド」になるだろう。そのくらいキングスのインサイドは強力だ。

クーリー206cm、ダンカン205cm、ダーラム198cm←めちゃくちゃ強いし固い
に加えてC渡辺飛勇207㎝が怪我からの復帰間近
フィリピンからPFのカールタマヨ202㎝が加入決定とベテランから若手、更にはアジア特別枠までと豊富な選手が揃っている。

そんなロスター状況の為キングスの戦術はインサイドが軸になっているわけで相手チームとしてはインサイドで優位性を保ちづらい。リバウンドも勝てない。ポジション争いの中で必然的にファウルがコールされる状況が多くなる。
前半から3つのファウルを犯す選手も多く、早々に外国籍選手をベンチに追いやり終盤の4Qにファウルアウトというのも珍しくない。

これは今シーズンに始まった事ではないがキングスは相手チームの終盤のファウルトラブルに期待してしまうきらいがある。あるいはそういう風に見えているだけかもしれないが事実、接戦の場合や上手くいっていない場合は無理くりファウルをもらいに行くシーンが多くややそれに依存してしまっているように思う。
ファウルをもらう事はチームを助けるうえで非常に大切なことだと思うが私としてはこの戦い方がある種の軸になってしまうのは良くないことだと思う。

優勝を目指すならリングに向かってプレーしてほしいし
ファウルをもらうためにプレーするのはカルチャーとしてはどうなのか・・。

古臭い考えなのかもしれないがそんな風に思ってしまう。

■ファウルトラブルを誘発してきた弊害


「4Qに外国籍選手がファウルトラブルで満足に試合に出られない」
キングスの対戦相手はこの状況がついて回る。
インサイドの主導権はキングスが握っておりポジション争いの部分でファウルがかさむことが多いからだ。

そのため試合最終盤の大事な時間にファウルトラブルでディフェンスがソフトになったり、退場で試合に出られない状況になりやすいわけだ。

対戦相手のファウルトラブルでコート上の優位性を高め勝利を手繰り寄せた試合も多く、間違いなくキングスのインサイドの強さの副産物となっている。
だがそれに頼ってしまうきらいがあるのは前述した通りで対戦相手ビッグマンがファウルトラブルに陥ってないと手詰まりになる傾向があり川崎戦と島根戦は特にそれが強く感じられた。

島根はニカがファウルを犯しやすく、キングス戦では退場or4ファウルがこれまでのデフォだったが、先日の試合ではファウルコントロールをされて結果4Qはニカにやられてしまった。
川崎はビッグマン(ファジーカス、ヒース)がファウルをしないので試合の優位性は特に変わらず、我慢比べで終盤は3ポイントが当たるかどうかのギャンブルになってしまった。

ファウルトラブルの絡め手戦術を理解している強豪チームははキングス戦ではファウルを犯さない事を理解している。

最近の群馬戦ではターズースキーの退場とキーナンの4ファウルでディフェンスが強く出られないのを突いて何とか延長戦にもちこんで勝利を得られた。


これが一種の戦い方なのかもしれない。
ポジションレスを推し進めながらも勝利を積み上げるのはとても難解であることは理解しているがこのやり方だとオフェンスが重く、苦し紛れにファウルをもらうことで延命しているように見える。
延命で何かが解決するのか。ヒューとタマヨが加入したとしてフロアバランスの改善は考えられないしオフェンスの停滞感は深刻だ。

昨季の平均得点は84.4点 
今季の平均得点は80.4点

とー4点減少しており

直近10試合に限っては72.9点とー11.5点減少している。
72.9得点はリーグワースト3位になる数字。

強力なインサイド陣を有しインサイドの主導権を保持し続けた結果、対戦相手に対策されインサイドの締め付けにあい自由を奪われた。
先程ヒューとタマヨが加入しても改善されないと言ったのはインサイドの締め付け対策をそのまま当てはめることができるからだ。ヒューはどのみちインサイドだしタマヨの外角は魅力的かもしれないが桶谷HCがウイングとして使うことは考えにくい。ポストを中心にしたエバンスのような使い方をすると思う。

対戦相手のファウルトラブルで4Qから得点を稼いでいく作戦は今後も続いていくと思うが、ファウルをしなければある程度戦える事を他のチームも気づいてしまえば一気に手詰まりになる。
この戦い方で何とかなってしまっていたぶん、その状況に持ち込めないと打破できない試合展開がこの先待っているようなきがしてならない。

ファウルトラブルに頼ってきた弊害はシーズンが深まってきた中盤に重く重くのしかかっている。

■2月はマジで分岐点

とはいえ上位チームとの対戦が多かった1ヶ月。11戦6勝5敗。CSの試合展開の様に重い展開でプレーし、勝ち越せたのは今後に生きてくると思う。
2月は代表ウィークがあるため試合数が少ない。コンディション調整もしやすく上位対決は天皇杯の横浜BC戦だけ。さらに今回は日本代表に誰も呼ばれいていないためチーム練習にも多く時間が割ける。キングスから日本代表に呼ばれなかったのは悲しいがチーム状況的には良かったかもしれない。
2月リーグ戦は修正を図る上でとても大事な1ヶ月になる。
とにかくターンオーバーを減らしてくれ。


富山戦後は明るい記事を書きたいぇ。


たつまる

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