売りつけたくない君へ(8)/「やっぱり今回はやめておきます」って言われるんです。

 彼女と蕎麦を食べてから2週間後。彼女とミュージカルを見てから5カ月後。土曜日のお昼過ぎ。

 やや混んでいる渋谷のサブウェイで得サブを食べていた。

 飲み会が多くなってくると太ってくるので、週に数回サブウェイで食べる。そうすると体重が増えない。むしろ痩せる。

 目の前の鏡に映った自分の顔を見る。頭が見るからに良さそうだとか、女子にキャーキャー言われるとか、そういうビジュアルが欲しかったが仕方がない。

 でも、売れるからいいか。売れるお蔭で生きていける。見てくれがどうであろうと関係ない。

 いわゆる悪徳というか、評判の悪い営業会社で売りまくっていた頃・・・。「売りたいんだ。売るんだ。トーク通りに読めば売れる。騙してでも、困らせてでも、演技してでも、応酬になっても売るんだ。」営業マネジャーの絶叫を思い出す。封印したい過去ではあるが、あの頃があったから売れる。それは確かだ・・・。

 そんなことより最近はパズドラが面白い。これは本当に面白い。劇的に面白い。こんなに面白いソーシャルゲームがあるもんなんだ、と思うぐらいに面白い。4連鎖以上で攻撃力2.5倍とか、5属性以上の攻撃で攻撃力6倍とか、そういう縛りがあると、アイフォンの画面を見て考え込む。どうしよう?と。

 そういう考え込んでいる時にLINEのメッセージ通知が来るとイラっと来る。もちろん、こんなにタイミングが悪いのは彼女に決まっている。『今、何してますか?』と一瞬だけパズドラの画面上に表示されてメッセージは消えた。

 どうしよう。既読にすると面倒くさそうだ・・・。放置しておくべきか・・・。

 迷っているとLINEの無料通話の呼び出しがかかる・・・。おいおい・・・。こっちの状況がまるで筒抜けのようだ。出るしかないか・・・。

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